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え?落とした?(こんな時こそ理科系夫)

我が家には家族同様のカメがいる。
一緒に暮らして22年と6ヶ月。
カメ吉である。

実は女の子だ。

性別がわからないときに、
はるちゃん(あつこの長女)が名前をつけて、そしてそのまま。

本人(かめ)にしてみれば言いたいことがたくさんあるだろう。

はるちゃんが家を出て、今はあつこが面倒を見ている。
ゆくゆくは、はるちゃんが引き取る約束になっている。

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毎朝、会社に出社する前にカメの面倒を見る。

餌をあげて、水替えをする。

この水替えが一苦労で。
ケースに入った水を運ぶのが。
なかなか重いのだ。

我が家のベランダには水道が付いている。

そこで汚れた水を捨てて、
新しい水を入れる。

亀の体を洗い、
ケースを洗い
ヒーターを洗う
(だいぶ気温が下がってきたので、夜はヒーターを入れている…熱帯魚用であるが)

ーーーー

この洗う作業に、
たわしを使っている。

100円ショップで買った、持ち手がついた小さなたわしだ。

ベランダの水道のそばに置いている。

水道のそばには排水するための穴がある。

ぼーっとしながらケースの汚い水をざっと捨てた。
と、穴のすぐ側にたわしが置いてあり。

汚い水と一緒に、排水の穴の中に落ちていったのである。

まるでスローモーションのように、、、、穴に吸い込まれていった。

え?

こんなにすっと入ってしまうものなの?

あわてて懐中電灯を持ってきて穴の中を覗き込む。

どうやら排水管が途中で直角になっているらしく
途中で止まっているのが見えた。

2階から1階に落ちる前に、管が曲がっているみたいだ。

穴をのぞきこんだところ

ーーーーー

手が入る穴の大きさではない。

近く見えるけど、多分30センチくらいは下だ。

どうしよう。
これ、業者を呼ばなきゃだめか?
どうしよう。


困った時には。

あつこ、理科系夫を呼ぶ。

「パパ、パパ、ちょっと来て」

ーーーーー

理科系夫登場。

「今度は何をやらかしたの?」

なぜそういう言葉が出てくるのか言いたいことはたくさんあるが。
この状況においては助けてもらうしかなく。


あつこ「たわしが落ちちゃったの」

理科系夫「いったいどこに」

あつこ、説明する。

理科系夫「そのたわしって、持ち手のところに穴あいてる?」

そこでもう一度ベランダの角に見に行くと、、、、あいていた。

ーーーー

そこからは早かった。

必要な道具はこの2つ。
小さなペンチと懐中電灯。


理科系夫は、針金のハンガーを持ってきた。

ハンガーを伸ばす。

引っ掛ける部分の角度をゆるやかにする。

ベランダに出て行ったかと思うと。

もう2分後にはたわしを回収して、戻ってきた。

回収されたたわしとハンガー

ーーーーー

あつこ「ありがとう。
ほんとにどうしようかと思った」

理科系夫「あんなに切羽詰まった感じで呼びかけられる時は、
だいたいこんなものだから」

あつこ「そんなに切羽詰まっていた?」

理科系夫「もう慣れた」

あつこ「なにそれ」

ーーーーー

理科系夫「しかし、よく器用にあんな落とし方をするものだ」


あつこ(………)

理科系夫「ボクは、スター・ウォーズを思い出したよ」

あつこ「は?」

理科系夫「スター・ウォーズの中でデス・スターを破壊する場面があっただろう?」

あつこ(意味がわからない…)

理科系夫「トンネルにまっすぐに爆弾を落とさないといけない。

まっすぐ落として中心まで到達して
そこで爆発することで破壊されるデス・スター。
それは非常に高度なテクニックが必要だ」

あつこ(なんと返事していいかわからない)

理科系夫「ベランダの排水の穴に
まっすぐ落とすなんて、
それに匹敵するくらいの確率だろう」

あつこ(なんとなく傷つく)

真面目に言っている。それはわかるのだが。

なぜにデススター?

34年間一緒にいても
思考回路がわからない。

さりげなく、いじられているような気がしないでもない。

むむむむむ。

たわし回収できたので、良しとする。


わたしのせいではありません 
byカメ吉
(おなかの甲羅がはがれた)

 

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