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目力とタヌキ

お化粧はあまり上手じゃない。
化粧品は持っていたけど
5分から10分で仕上げる簡単なお化粧がほとんど。

若い頃からずっとそう。
もともと目力がある方だったので
どうにかなっていた。

そして、この社会情勢。
マスクばかりしているから、どんどん手抜きになっていった。
口紅なんて
1か月に1回使ってない。

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街なかウォーキングの途中で、のどが渇いた。

持ち歩いていたペットボトルのお茶を飲む。
ふとお店のピカピカのガラスに映る姿を見た。

これは誰?

わたしだ。
おばさんというより、おばあさんの領域。

日焼け止めを塗っただけのノーメイク。

わたしのトレードマークとでもいうべき
目力が消えていた。
目じりのシワが増えていた。

見なかったふりをして
あわててマスクをした。
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うちに帰って鏡と向き合う。

やっぱり身だしなみ大事。
生活全般が
楽なほうに流れて行って・・・ダメじゃん。

やっぱり目力だよね。
いつもマスカラもアイラインもしない私。
私の年齢でのアイメイクをググってみた。


ふむふむ、
やはりアイラインか。
いちおう持っている。
が、わたし、いい加減なうえに不器用。
アイラインがきれいに引けたことがない。
ガタガタになったり
目の際から外れたり。


なになに。
アイラインを上全体と、下3分の1?

無理。

せめて上の目じり3分の1くらいなら。
やわらかいペンシルタイプで。
そおおおおおっと。
息を止めていて苦しくなった。

マスカラも。
少しずつていねいに。
くるんとさせすぎないで。
ビューラーをゆっくりと。

アイシャドウも。
アイブロウも。ほお紅も。

できた!
うん、まあいいんじゃない。
気が付けば60分くらいかかっていた。
1時間かあ。

ーーーーーーー
娘のはるちゃんに、声をかけた。
彼女のアドバイスは信用できる。

久々にフルメイクしたんだけど見てくれない?

はるちゃん「・・・・。
ママ、なんだかタヌキみたい。
目が大きいから目だぬき」

そう言うと、さっさと鉛筆で絵を書き始めた。
(はるちゃんは絵が得意なのだ)

はるちゃん「こんな感じ」

はるちゃんが差し出した紙を、さっと理科系オットが取る。

オット「雰囲気はよく出ている。
これじゃ可愛すぎるでしょう。
ちょっと足りないものがあるし」

なぜかオットが鉛筆を持って、書き加えている。

オット「まず口の脇
目の横
それから目のあいだ」

はるちゃん「ひどいー」

そう言いながら2人ともクスクス笑ってる。


何を笑っているの。見せてよ。


はるちゃん「パパ、あやまった方がいいよ」

(と言いながら逃げていく)




はるちゃんが書いたフルメイクのわたし。
(なぜ手を上げているのか)
オットが書き加えたほうれい線、目尻しわ、眉間シワ。


・・・・・。
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ふつふつふつ(怒りの音)

理科系オットのお夕飯が、なくなった瞬間だった。

ううう。
睡眠不足解消して
ちゃんと美容にも気を使おう。
自分の行動管理をきちんとしよう、
気がつけたのはよかったのかも。
良かったと信じよう。

でもね。
美容効果って
背筋をぴんと伸ばしたり
人の気持ちが思いやれたり
新しく挑戦する気持ちとセットになって、
効果を発揮するものだ。

だから若い世代と同じような基準でなく、
きれいの基準も私が持とう。
うん!そうしよう。

(ちなみに・・・。
理科系オットは謝って、次の日の朝食を全部作ってくれた)

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