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ふと通りかかった
駅そばの家の塀の上に
何かのっている。
黒い、なにか。

近づいてみると…。

ぽつんと

コードレスイヤホンだ。

片耳から外れて
コロコロと
道の隅に転がっていってしまったのだろう。

あきらめて、立ち去った持ち主。

それを見つけて塀の上に置いた
通りがかりの人。
もしかすると、この家の住人。

ーーー

そんなストーリーが浮かぶのも。

先日、わたしも落としたからだ。

職場のビルの階段を降りていた。
(エレベーターよりも歩きましょう)

6階から5階に降りる途中 
右耳に付けていたコードレスイヤホンが
どうしたはずみか
耳から外れて。

カツン、コツンと
やけにはっきりした音を立てながら
軽く飛び跳ねながら
階段を落ちていった。

ーーー

うおああ。
あつこ、追いかける。

が、わからない。
5階についた。

4階まで行っちゃった?

いやいや、そんな下まで
ぐるぐると
器用に落ちるはずはない。

そこから目を見開いて


右。
視線を走らせる。

今度は
5階から6階へ登りながら
一つ一つの段を見ていった。

ーーー

すれ違った男性が
ちょっと首をかしげていった。
いいの、変な人でも。
見つかればいいの。

ーーー

ないぞー。

そこそこ、高かったんだから。
片耳じゃダメなんだから。

もう一度6階から5階へ下る。
なんだか焦ってきた。
うむむ。

目を見開いて。
ない。

ん?
5階の階段から、
フロアの廊下に入ったところに
なにか小さなものが。

ーーー

あったあ…。
よかったあ…。

階段じゃなくて、廊下の入り口にまで転がっちゃったのね。

恐るべし、
イヤホンの行動力
いや、転がり力。

(おむすびころりんじゃ、あるまいし)

ーーーー

キミも、
早く持ち主のところに帰れるといいね。

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