220、横浜副流煙裁判(最初の裁判)での甲3号証診断書と甲46の6号証診断書について

同じ人物に対する診断書が2枚存在することなどあり得ないし、あってはならないことである。が、禁煙学会理事長・作田学医師はそんな「疑惑だらけの診断書」を前訴にて裁判所に提出した。その件につき昨日より話題が上がっているので、公開している情報の範囲内で下記に解説を行う。

平成29年11月に提訴された横浜副流煙裁判の一審途中、平成31年4月に「甲3と同一のもの」として出されたのが、甲46の6号証(作田医師によるA娘診断書)である。

ここで作田医師と山田弁護士は「甲3と同一」と言っていたが、見比べてみると明らかな違いがあった。

①     病名が違う(甲3は「受動喫煙症レベルⅣ、化学物質過敏症」、甲46の6は「化学物質過敏症レベルⅣ、化学物質過敏症」)
②     甲46の6には、「医師 作田学」の隣の印鑑が押されていない。
③     文字位置にずれがある。

この違いについて、作田医師は同裁判甲61号証において、大略次のように説明している。

診断書作成時(平成29年4月19日)、診断書をうっかり書き間違っていたので、訂正して交付した(甲3号証)が、カルテシステムに訂正を保存しておらず、訂正前の診断書(甲46の6号証)が保存されていた。

このため、裁判中(平成31年)にプリントした甲46の6は、訂正前の診断書となった、ということだ。

私はこれをにわかには信じられず、あれこれと調査したが、さすがに他人の診断書について調べることは難しい。

しかしその後、作田医師を虚偽診断書行使罪で刑事告発したことで神奈川県警から日本赤十字社医療センターへの捜査があり、また今回の民事反訴の必要上、同医療センター医療安全推進室の田川論氏から話を聞くことができた。

ここで作田医師が裁判に提出した病院文書と日赤医療センターのコンプライアンスについて知ることで、甲46の6診断書についても、ある程度の理解ができた。

(この時の経緯はnote172に書いたhttps://note.com/atsukofujii/n/n9196a39ec635

ここで分かったのは、甲46の6号証診断書と同時に裁判所に提出されたA家のプログレスノートが、診断時(平成29年4月12および19日)に出力(プリント)されたものであること。これは正規の手続ではない、ということだった。

患者の個人情報を守ることは病院にとって重要な問題であるため、カルテシステムの情報(ここには診断書も含まれる)の出力や保存、そして院外への持ち出しには厳格なルールが定められている。

それなのに作田医師はカルテシステムの情報を、正規の手続きを取らず、病院に無断で、裁判所に提出していたのである。しかも診察・診断日から裁判提出時までおよそ2年間あるということは、作田医師は病院のルールを無視して患者の個人データを私的に所持していたことになる。作田医師は本人尋問でこれを「(日赤の)診察室に保存してあるだけ」と述べたが、田川氏の説明によればこれもルール違反に当たるのである。

田川氏との会談で知り得たことを考えれば、甲46の6号証診断書が、作田医師が甲61号証で主張するように「訂正前の診断書」であった可能性は高いと思う。しかし同様に、作田医師が甲46の6号証診断書をも、プログレスノートと同様に病院の規則を破って私的に所持し、裁判所に提出していた可能性もまた高いと思われる。

少なくとも46の6診断書は、裁判所提出時(平成31年4月頃)に出力されたものである筈はない。カルテシステムに保存される診断書は、「事務担当者が当院の保存控えと(患者に渡すものを)重ねて契印を押捺し、原本をスキャンして電子カルテに取り込」むものだからだ。その上で患者に診断書が交付される。このマニュアル上、カルテシステムに書きかけの(かつ捺印前の)診断書が完成版として保存されることはあり得ないのである。
田川氏の聞き取りによる「報告書」2ページ(note172にリンクあり)
http://atsukofujii.lolitapunk.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%B5%A4%E5%8D%81%E5%AD%97%E5%8C%BB%E7%99%82%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E8%81%9E%E3%81%8D%E5%8F%96%E3%82%8A%EF%BC%88%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%EF%BC%892023-01-24.pdf

作田氏によるA妻診察・診断書交付日……平成29年4月12日
作田氏によるA夫診察およびA夫A娘診断書交付日……平成29年4月19日
甲3号証診断書・提出(提訴日)……平成29年11月21日
甲46の6号証診断書及びプログレスノート(カルテ)・提出(証拠説明書日付)……平成31年4月2日
甲61号証作田報告書……令和元年7月31日
横浜地裁判決……令和元年11月28日

現行民事訴訟(反訴)提訴日……令和4年3月14日
日赤田川氏聞き取り日……令和4年12月15日
日赤田川氏報告書……令和5年1月18日

このような冤罪は誰に身にも起こります。信頼すべき医師が診断書を悪用し捏造を生み出し、弁護士が提訴する。今後この様な事の起こさぬよう私達は闘います。本人訴訟ではなく弁護士と共に闘っていくため、カンパをお願いします(note経由で専用口座に振込み)。ご理解の程よろしくお願い致します。