しずかなインターネットへ

最近あんまりnoteを更新していない。特に書くことがないからである。そもそもこの場所は自分が博士学生をやっていた時の記録を書き残したいところであって、それが終わったら去る予定であった。ただまだ何かを書きたい気持ちはどこかにあり、しかし新たにブログを始めるというもの億劫であった。そのため、たまに思い出しては何か記事をここに書いてみたりしてだらだらと続けていたという感じである。

最近しずかなインターネットというブログサービスを見つけた。雰囲気はnoteっぽいゆるい感じなのだが、noteのようにSNSのような役割はなく、収益化も今のところはできない。そして今後もそのような機能が追加されることはなさそうである。

実は数ヶ月前にSNSの友人が使っていたのを見つけて、どこのブログサービスだろうと思っていたのだがその際に特に調べなかったので、このサービスを知ることになったのはまさに昨日である。早速記事を書いてみて思った。次の場所はここだと。

今まで六年ぐらいnoteで書き続けてきて、最初はほぼ日記のみの意味のない日々の記録ばかりだったのだが、noteが活発になっていきどんどん有益な情報が溢れていく中で、無意味な日記を綴ることになんとなく楽しみを感じなくなってしまった。また他人の無意味な日記に出会うことも少なくなっていった。noteは画像ヘッダーがついている記事が特によく映えるUIになっているので、日付だけの日記などよくわからないものは見栄えが良くない。おそらく優秀なアルゴリズムが機能しているんだろうが、私の場合だと海外移住とか転職とか、オランダとかドイツの暮らしについての何かしらと有益なものが凝縮された記事が提案されるようになった。

有益な情報というのは何かに成功している人が書いていることが多く、なんだか一見人生がうまくいってそうな人を見つけて最近は落ち込むのであまり見ないようになった。例えば私なら今やりたいことが見つからなくて昼は語学学校に行き、夜はバイトしているのだが、海外でキャリアを積み重ねている人を見ると羨ましく思うし、一方家で子育てしている人を見ては、自分は子供もいなくてなんなんだろうという気持ちになったりする。もちろん仕事や子育てが全てではないが、今何にも全力になっていない自分には何か目標(のようなもの)がある人が羨ましい。

そんなもやもやのなか、しずかなインターネットの投稿画面を開くと、そこはまっさらなキャンバスで、ただ書くことだけに集中できる空間であった。書いたものを商品とするのではなく、書くこと自体を楽しむような場所だと直感的に感じた。何より、なんとも説明できないワクワク感である。それは初めてインターネットに触れた時のような、初めてネット上で誰かとチャットをした時のような、そして初めてmixi(そしてTwitter, Mastodonなど)に出会った時のようなワクワクに似ているのである。最近そういうサービスに出会うことは無くなったので、久しぶりに新鮮な気持ちである。今まで何も書くことがないなぁと思っていたが、しずかなインターネットに出会って「あれもこれも書いてみたい」という気持ちが湧いている。そういえばnoteを使い始めた時もそうだったかな。

ちなみに私はnoteの有益な情報が嫌いなわけではない。私もここの有益な情報にはたくさんお世話になったし、私自身有益そうに見える情報を書いたと思う(おそらくリアクションが多い記事がそうなのではないだろうか)。私の暮らしの様子を見て励まされた人もいる一方で、傷ついている人もいるだろう。書いているときは誰かを傷つけたいと思って書いたわけではない。だから成功体験を共有している人の記事を見てその人が悪い人だとは思わないのである。ただ今の自分はそういうものが傷に染みる時があるのであまり見たくないだけである。

ということでしばらくはしずかなインターネットに場所を移して、本当にどうでもいいことをまたゼロから書いてみたいなと思う。もちろんまたnoteに書きたいことがあったらたまに更新すると思う。もしまた私の文章を読んでみたい人がいたら、しずかなインターネットにもぜひ遊びにきてください。