お加持教室8 道をつける

お加持をしている時に、「道をつけますね」という言葉を使う時があります。道をつけるというのは、ある場所で気が滞ってしまって通らない流れを、通すことで流れをつけることです。もちろん、その方の気の流れの癖があるので、その道がどのくらいの間つけられるのか、あるいは一度道をつけてしまえば良いのかは、それぞれ変わりますが。
 
ところで、幼少期に事故で脳に損傷を受け、視力を失ったある女性の症例が報告されています。彼女はその13年後に、目が見えない上に、年齢や性別、言語が異なる10人以上の人格を持つ解離性同一障害(多重人格)を患いました。壮絶な生活を送っていたのですが、思春期の男性の人格になっていたある時に、雑誌の文字が見えたのだそうです。最初は狭い穴のような視界でしたが、その後どんどん視界が広がり、最終的には彼女も含めた2つの人格以外の時には視界を取り戻すことができたのです。

 
眼球自体には損傷がなかったため、視覚中枢に損傷を受けたと診断されていましたが、極度の感情的な状態(ヒステリー的)で脳が視覚を遮断することがあり、失明の原因は改められました。
人は、心と体で成り立っています。体に違う人格が入れば、流れる気の道は一度に大きく変わり、体に大きな損傷がない限りは、前の人格によって患った病気は治ります。そして、多重人格にならないまでも、治らないと言われた病気が治る時は、人が大きく変わっているということを耳にしますし、当薬局でもそういった例があります。本人が、何か大きな覚悟をすることで、流れなかった道を自らがつけるのでしょう。
 
 道というと、体の中だけの道だけでなく、ふだん私たちが感じる道には、こんなものもあります。一度空き巣の被害に合うと、また同じ被害に合う。一度遅刻をすると、正しい時間に入ろうとしても思いがけないことが起き、再び遅刻をするように運ばれてしまう。それは、そこに道ができてしまっているから。良い道なら良いのですが、このために病気が治らない悪循環にはまってしまっていたり、人生を失ってしまっているとしたら?
 
でも、私たちの意思で良い道をつけることだってできるはずです。言葉に出してみることや行動すること、自分を信じることで良い道がついてきます。
 ではお加持で、外とつながって良い道をつけるために、私たちのまわりの気を流してみましょう。
 
2022年5月24日

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