キレイに効くお話3 名医のはたらきを助ける 葛(くず)

 最近の方はあまりされませんが、昔はかぜをひいて食欲がない時に、葛粉を湯で溶いて葛湯としていただきました。葛粉はでんぷんなので、 消化が良く胃に負担をかけずに栄養を取ることができます。今は点滴という手段がありますが、点滴よりも簡単で、しかも体が温まるのでとても良い方法だと思います。

 そして、これはかぜをひいた時に限らず、気分的なつかえで胃がつまった時にも効果があります。胃を気持ちよく温めて、すっきりさせてくれます。最近のくず粉は、じゃがいものでんぷんが混ざっていますが、それでも効きめはあります。

 ところで、最近街を歩いていると、若い人で、左の絵のように首が前に出ている人をよくみかけます。首が前に折れると、気がその場所で滞るので、肩こりを出してくることもあります。実は、胃のあたりに力がなかったり、胃がつまっていたりすると、こんな風に首が前に出てくるんですね。そんな時に、姿勢を正すために、背中を伸ばそうとすると、かえって苦しく感じます。
 猫背矯正ベルトというものがあるそうですが、若い男性でこれをしてから下痢が止まらなくなったという患者さんがみえました。うちの薬局では、その人の胃を温めることで下痢を治しました。胃が原因なのに、背中だけ矯正ベルトで治すと、胃に負担を与えて、消化を悪くさせてしまいます。
 胃がすっきりすると、首がまっすぐになり、全身に気がめぐりやすくなります。

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