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キャリアにおいて、子育ての価値をどう捉えるか?

素敵な話は突然届くもので、10月に最所あさみさんとイベントをやります。
タイトルは「ビジネス視点で読み解く女性誌のイマ 」
※イベントチケットはほぼ完売みたいですが、詳しくは下記の最所あさみさんの記事に。


私がイベントに参加することになった”きっかけ”は下記の記事です。
定点観測している「VERYのキャッチコピー」をまとめて、考察を少しさせていただいたら思った以上に話題になりました。

私がイベントで担当するテーマは「VERYから読み解くママ市場の現在地」。でして、まだ話すことなど決めていないんですが(!!)、
そういえば、”母親として思うこと”をあまり書いていないと思い、筆をとりました。

いつもと違うやん‥!と思う方、それでも読んでくれたら嬉しいです。

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▷私にとっての「子育ての意味」を問うた1年。

33歳の私には、1歳7ヶ月になる息子がいます。
切迫早産で早めに職場離脱、黄疸強めでNICU入院。
生後半年の頃に脱腸になって入院‥などのトピックスもありましたが、とてもチャーミングな里芋似の息子を夫と育てています。それは慣れるまでに時間がかかりました。

キャリア(仕事)面もお伝えしておくと、
息子が8ヶ月ぐらいのときに保活のポイントが必要で復職し、現在もフル勤務でサラリーマンをしています。仕事をしながら子育てをするスタイルに随分慣れましたが、やはり誕生後の数ヶ月はきつかったです。

きつかった理由をもう少し分解してお伝えすると「母親業」って本当に慣れるまで大変で、注意しなければ死んでしまうかもしれない息子の「命を守る」緊張から解放されないストレスは、壮絶でした。

考えてみれば、妊娠するまで自分のキャリア、自分のスキルアップ、自分の楽しいこと・うれしいことを中心に考えてきた人間が、
急に「24時間体制で子供の奉仕者となれ」となるわけで、それは慣れるまでに時間がかかりました。

「産まない選択」も存在する中で「産む」と決めたわけだけど、でも自分のキャリアを放棄したわけではない‥。子どもは可愛いけど、それだけの理由でいいのだっけ‥。その時改めて、

子育ては、私にとってどんな意味があるのか? 
子育てって、キャリアにおいては「ブランク」でしかないのか? 

そんなことを考えるモラトリアムのような時間でもありました。


▷「子育て時間」を人生の”リカレント時間”と捉える。

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まだ子育てを経験していない女性にとって「妊娠・育児」による職場からの離脱は恐怖でしかないと思います。
キャリアが途切れる、同期から遅れる‥、昇給できそう出世できそうだったチャンスが消えてしまう‥。もう戻れる場所はないのではないか‥?

そんな恐怖心を和らげ、子育てで獲得したスキルがどのように母親のキャリア形成に好影響が与えられるのか?が整理できれば、働く女性の妊娠・出産問題は、もう少し論点がかわってくるのではないかと一人思ったりしています。


そこに対しての私の現状の回答は「子育て時間は、リカレント(学び直し)時間」としての収穫がある。ということを提示したいなと思っています。


▷子育て期間を「ブランク(空白)」ではなくて、キャリアの(余白)にできるか?

子どもと向き合っていると、これまでの人生の中で取りこぼしてきた多くの知識や仕組みと触れることができます。

子どもと公園や森林に行くたびに生物の名前や空の色について学べますし、美術館を通じてアートに関心がもてて
絵本を通じて、躍動感のある国語に触れられます。
もう少ししたら、子どもと一緒に英語をやりなおしたいと思っています。

もちろん、上記のような学びによって今年度の給与はアップしませんが、
10年後の私はもっと広い視野で物事を構造的に理解し、どんな時代になっても反応できる人材になっているような気がします。

今子どもと向き合っている時間が、なんらかの形でキャリアにも価値がありそうと思えた時、私は少し安心することができました。

産前のキャリア形成が、縦軸に積み上げたスキルとしたら、
産後のキャリア形成は、横軸にスキルを拡げさせる。

キャリアの振り幅(余白)領域を少しずつ伸ばしていく中で、自身の対応面積を増やしていく。

子育て期間をキャリアのブランク(空白)ではなくて、キャリアの(余白:伸びしろ)に変えていく。それは意外に考え方次第なのかもしれないと思います。

当然ながら、これは母親に限らず子育てと向き合う父親にも同様のことが言えるはず。一直線のキャリアで歩留っている人は、改めて視野を広げる時間をつくったほうがいいと思います。


▷意外に短い「子育て期間」を、私は大切に紡ぎたい。

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色々悶々と語っている背景には、子育ての時間に意味をもたせることで、子どもとの時間を大切にしたいからです。


日々変化し、成長する息子を見ていて飽きることはありません。
こんな幸せな息子との時間も、思春期が始まる前が終わりとするなら10年弱しかない。だからこそ、私は子どもとのこの時間を味わい尽くして、心に刻みたいです。

ブランクではなく、キャリアの余白が作れた子育ての時間をともに共有できたことを息子に感謝するおばちゃんになっていたいです。


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「子育て」というのはデリケートなトピックだなと思っています。
環境も違いますし、色々な方向性で向き合っている人がいる。その考えを否定したい気持ちは毛頭ないことを事前にお伝えしておきます。

私が願うことは1つ。
会社にいる優秀な後輩たちが「妊娠した」ことを私に告げるときに不安げな表情ではなくて
「ランチしに行ってきます!13時に戻ります!ぐらいのテンションで
「一旦、出産と子育て楽しんできます!来年ぐらいに戻りますー!と言えるような時代になること。

そのために、先輩であるリアル子育て世代が発信するべきこと、考えることは山程あるなって、思うのでした。


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