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タピオカティーが流行った3つの理由

行列の先にタピオカありーーー。
”平成最後の食ブーム”といっても過言ではないほど「タピオカティー」が爆発的な勢いで盛り上がっています。

タピオカブームを「映え」でくくるのは、お粗末である。

流行の背景を「映える」でくくるのは薄っぺらいです。
「タピオカティー」のヴィジュアルを見てもらうとわかりますが、ドリンクの構成要素としては茶色の液体+黒い玉
華やかなパッケージによっておしゃれな存在になりますが「映える」という要素だけで言えば、この世にはもっと美しいドリンクがたくさんあります。(最近人気のいちごみるくは映え一色ですね)


そもそも、タピオカティーブームのきっかけは?

タピオカミルクティーが本格的に日本に上陸したのは、2013年。
台湾の春水堂の初出店がきっかけです。

タピオカ(タピオカミルクティー)は1990年代に平成初期に一度流行っていますが(だから平成はタピオカで始まり、タピオカで終わったわけです)、当時のタピオカミルクティーと今日のタピオカティーは全く別の飲み物であり、別の背景で愛されていると認識されたほうが良いかもしれません。

<タピオカティーの歴史>
2007年 日本初の「パールレディ」が誕生
2013年 タピオカミルクティー発祥の台湾の店「春水堂」が日本上陸
2015年 台湾のティーカフェ「ゴンチャ」が登場
2017年 「THE ALLEY」が日本上陸

なお、現在のようなタピオカティーブームを加速させたのは「THE ALLEY」だと言われています。
新宿ルミネ店がオープンした時のメディアプロモーション、宣伝戦略もターゲット層にはまったのでしょうね。


では改めて。
なぜタピオカティーは社会的ブームになったのか?
その背景を3つの理由でご紹介します。

***

〈理由1〉 若者の”フラペチーノ離れ”。

現在のタピオカティーのポジションに永く君臨していたのは、スターバックスのフラペチーノです。

日本のスターバックスの売上の約30%を占めていると言われる「フラペチーノ」
誕生したのは2006年ですが、メニューの知名度を格段に上げたのは2007年発売の「抹茶フラペチーノ」と整理して良いでしょう。
抹茶フラペチーノから、フラペチーノの人気は爆発。つねにシーズンにマッチした新フレーパーを展開し10代の女性たちはこぞって愛飲するようになりました。

ただし、近年では、その人気にも陰りが。
新フレーバーを投入されても、どんなに美味しそうに見えても、飽きてしまったのか…既視感を感じていることも事実です。

フラペチーノの価格600円に対する価値は、何よりもニュース性です。
よって、フラペチーノの新味よりも、もっと新しくてニュース性がある存在が誕生
すれば、必然的に彼女たちはそっちへ向かう先を変えていきます。

スタバのフラペチーノで形成された「高価なドリンクを10代女性が購入する習慣」が育まれた結果、次なるポジションの「タピオカティー」がこれほとまでに盛り上がることができたと言えるのではないでしょうか。


〈理由2〉 タピオカティー=黒糖とお茶で構成=和菓子=日本人は好きな味。

上記は、タピオカティーは盛り上がりを見せる2017年発行のHanakoの表紙です。「本当は、お茶が好き」が全てのインサイトを表現しています。

主なタピオカティー店の商品を分解すると、台湾茶+タピオカになります。この台湾茶は半発酵の茶種が多くて烏龍茶と同じカテゴリーのため日本人に馴染みやすいお茶だと言えます。完全発酵の紅茶だと好き嫌いが分かれますし、コーヒーも胃もたれしてしまうことも。
台湾茶だとそれがありません。

そしてタピオカはタピオカ粉+黒糖でできているものが多いです。

タピオカティー = 緑茶のような台湾茶+黒糖でできたタピオカ
タピオカティー = もはや和菓子!

日本人が嫌いになるはずがないのです。
スターバックスのティバーナがあまり盛り上がらないのは、シアトル的お茶文化だからかなと思っています。完全発酵の紅茶より、日本人は酸味がない弱発酵のお茶にほっとしてしまうのですよね…。


〈理由3〉  オッサンが介入しにくいから、
ずっと”ティーンのアイコン”でいられる。

(私もおっさんの一員として言いますが)
インスタグラムやTikTokのようなサービスは誰でもログインすることができます。どんなにティーンの間で盛り上がっていても、翌日には大量のおっさんたちが流入してきて、自分たちの秘密基地に土足で入ってきます。そうなると、しらけるというか、自分たちの秘密基地の場所を変えようとします。

タピオカティーのブームを支えるのはもれなく10代〜20代の女性たち。行列の中にスーツ姿の男性は存在しません。

ちょっと太めのストローでタピオカを吸う。派手めのパッケージ…。そんなタピオカティーはおっさんにはハードルが高く、なかなか突破できないものです。

よって、タピオカティーはいつまでもティーンのもの
ティーンの世界観が持続し、電車に乗ってでも行きたいホットスポットとして、タピオカティーは鎮座しているのです。


同時期に大衆が熱狂する”社会的食トレンド”。
そこには必ず、社会的背景が存在する。

食ブームを私は「局所的ブーム」と「社会的ブーム」に分類しています。

局所的ブーム(一部の世代/地域/志向性の中でのブーム)が台風の目のように成長して社会的ブームとなるわけですが、社会的ブームに成長する背景には、比較的大きな変化が起きているような気がします。
今回の場合は、それがフラペチーノへの飽和感とか、飲料へ求める嗜好の変化とか…。

簡単に定量的に裏付できないことばかりですが、
このような背景がない限り、大きなブームに成長しないとも思います。

ぜひぜひ、そんな視点でタピオカティーを飲んでいただき、感想や意見などいただけれたら嬉しい限りでございます。





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渥美まいこ/食トレンド研究

フードプロデューサー/家庭料理ジャーナリスト 1986年生まれ。食トレンドをマーケティング、社会学、心理学あたりから観察して提案する楽しい仕事をしています。 ベトナム料理が大好きです。

食トレンドメモ

フードに関する謎を自由奔放に解いています。 どうしてケーキが丸いのか、ご存知ですか?
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コメント18件

タピオカはもともと台湾の春水堂(多店舗の説もあり)が80年代に売り出して台湾全体に広まったのが発祥だと思います。90年代後半、もしくは2000年頃には横浜中華街などでタピオカミルクを販売する店舗がありました。(購入した記憶あり)
最初のブーム時でもポッポ(ヨーカドー系ファストフード店)あたりでもタピオカの取り扱いがありました。
今のブームは春水堂からだとは思いますが、台湾で下火になりつつあるため、日本に進出してきたという側面もあると思います。あとティンダイフォンやアイスモンスターの日本進出の成功もあと押ししてるかも。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%94%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC
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