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人気店から学ぶ、ベトナム料理の再定義 (東京ベトナミーズ巡礼 #3)

今回の東京ベトナミーズ巡礼報告
代々木八幡にあるベトナム料理店「ヨヨナム」に行ってきました。エルグルメの2018年上半期人気レストランで1位に輝いた話題のお店なんです。

コンセプトは「パリで愛される食堂っぽいベトナム料理店」。お料理はすべて無化調で作られています。
オーナーは人気のフレンチビストロ「aruru」「urura」「mimet」を営むオーナーシェフのヤマモトタロヲさん。

予約は18:00。一軒家の隠れ家的お店の中には、すでに20代の女性客でいっぱいでした。


最初にいただいたのは、パパイヤとタコ、セロリのレモングラスのマリネ。

最初にいただいたのは「パパイヤとタコ、セロリのレモングラスマリネ」。熟したパパイヤの甘みと香り高いレモングラス、セロリの香味がばっちり。タコとフライドオニオンの食感も気持ちよかったです。
美しいベトナムの伝統的なバッチャン焼に盛られて、自然を笑顔になってしまいます。

生春巻きと蒸し春巻き。心地よいヌクチャムとパクチー。

蒸し春巻きは、まるで「雪見だいふく」のようなモチモチ食感。チリソースやナンプラーで作られたタレ(ニョクマム)は、クセがなくて初心者でもOKな味わいでした。また、パクチーの風味が豚肉の油っぽさを和らげて、さっぱりといただけました。

待ってました! クリスピーバインセオ。

バインセオはベトナムのお好み焼きと言われていて、具材は豚肉と海老、もやしが中心。サイドには香味葉物がたっぷりと。パクチーと紫蘇とレタスと一緒に食べると、むしゃむしゃとウサギになったような気分。
皮は卵?と思われがちですが米粉生地にターメリックを入れて焼き上げています。ニョクマムをかけてガブッといただきます。

メインはベトナム風鶏手羽中煮込み

レモングラスで煮込まれた手羽中。揚げなすと一緒にいただきます。
手羽中がどんな風にベトナム化しているか不安でしたが、ナンプラーとレモングラスの香りが立っていました。

デザートもしっかり抜かりなし。プリンとチェー。

ベトナムプリンはハード系でコンデンスミルクを使った、懐かしい味わい。ベトナムのぜんざい、チェーは、パッションフルーツを絞って。


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【訪問後記】
ひとまとめにされる東南アジア料理の中で、日本での”ベトナム料理”をどのように定義するか。

誰かとベトナム料理トークになった時、だいたい冒頭に言われてしまうのが「ベトナム料理ってフォーと生春巻きぐらいだよね?なんだかお腹にたまらないイメージ」という実に的を得た一言。

そうなのです。ベトナム料理は野菜たっぷりで味も軽めだから女性にぴったり!とも言えますが、男性をはじめタイ料理ぐらいのインパクトを求めるシーンにおいてベトナム料理は負けてしまいます。(だから、インパクト大なブームにならない)

でも、その視点を逆手または軸点を少しずらして言うと、「野菜を思い切り食べれられて、重ための白ワインにぴったりあう料理」だと言うことができそう。言い方をもう少し変えて、ワインにあうアジア料理はベトナム料理。と言えば、受け取り方も少し変わりそう。

ベトナムはフランスの植民地時代があり、東洋のパリと言われているという歴史的資産も活かせます。屋台/宮廷料理とも違う、ビストロ感のあるベトナム料理店って今の私たちの気分にあっているような気がします。


これまでの東南アジア料理は、日本での知識が追いついていなくて一緒くたんにしたレストランが多く散見されました。生春巻きやナシゴレン、ガパオライスもフォーもまとめてメニュー表に登場する”エスニック料理店”って、どこにでもあるわけで。
そんな中で改めて、アジアの他国料理と混在させないで、正しく各国の魅力を整理して発信すること。アジア料理の再定義(再構築)が必要になっているのかもしれません。現在のアジア料理ブーム後、そんな時代になっていくのかな?


客単価1万ぐらいという庶民年収の我が家としては、かなり贅沢した時間でしたが学ぶことも多く、本当に素敵なお店でした。

ランチの合え麺(注:夜はメニュー外のため予約時に合え麺が食べたいと言う必要があります)が有名なので、ぜひランチでみなさんも参戦してみてください!


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