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魚料理は、ワンプレート皿と共存していこう

妊娠・出産を経験し、我が家の台所事情として大きく変わったことは「魚料理が一切登場しなくなった」ことかもしれません。

決して胸を張れる発言ではありませんが、私の場合は①妊娠初期〜中期のつわりで魚臭がNGとなったのと、②そもそも胎児への影響を考慮して魚を控えるよう指導されること、③息子の奴隷と化す0才育児の中で「魚の焼き加減」に目を配らせる余裕は存在せず、自然と魚料理と縁遠くなったことが背景にあります。

我が家の場合は、そんなライフイベントが大きな要因となりましたが、恐らく「魚は好きだけど、自宅では出さないな」と感じている人って増えているはず。実際統計的にみても減っています。その理由と、そこに向けたひとつの視点をお話できればと思ってます。

\目次はこちら/
・ 魚料理は、昔よりも食べない&作らない。
・「回転すし」で魚食のアウトソーシングに成功した日本人
・ 魚料理が食卓に登場するのが「火曜日」である理由。
・ そもそも、なぜ魚料理は作られなくなったのだろう。
・ コスパ悪。旦那受け悪。洗い物増。皿と副菜問題という五重苦。
・ これなら作りたい。ワンプレート皿の魚料理。
・ 家庭料理は、時代と共に変わるべき。

魚料理は、昔よりも食べない&作らない。

下記のグラフは水産庁の動向データで、魚を食べる頻度は着実に減少傾向。これはみなさんも実感できるのではないでしょうか?
b)のグラフが驚きで、家庭で肉類を食べる頻度のポイントがかなりリフトしていることがわかります。オレンジページやESSEなどの主婦系月刊誌も主役食材は決まって「豚こま」「鶏むね/もも」だったりしていて、魚類の出る幕はありません。


「回転すし」で魚食のアウトソーシングに成功した日本人。

とはいえ、魚料理を全く欲しないわけではないと思います。
和牛で雲丹を巻いた「うに肉」のような食トレンドも生まれますし、つねに流通されている肉食にはない「季節感」を、日本人は自然と魚料理から感じ取っているように思います。
また、子供を持つと脳裏によぎっては消えてゆくのが「食育」視点で、その役割を担っているのが週末の「回転寿司チェーン」なのでしょう。

そう。いつの間にか日本人は、魚料理をアウトソーシングするようになり、ハンバーガーと同様に「外で食べるもの」になっているように思います。


魚料理が食卓に登場するのが「火曜日」である理由。

そんなアウトソーシング化が進む中でも、辛うじて魚料理が食卓に登場するのは、何曜日は多いかご存知ですか?それは、火曜日の夕食とされています。
火曜日は主婦の重大イベント「火曜市」という特売セールの日。「生鮮食品を特売で大量に買い、鮮度が大切な魚料理をその日に出す」という主婦の習慣が背景にあるとかないとか。
また、可燃ゴミの前夜に魚料理を作る人も多いのだそう。
魚のゴミを自宅内に置いておきたくない、主婦の強い想いが感じられます。

そもそも、なぜ魚料理は作られなくなったのだろう。

冒頭でお伝えしたように、私はライフイベントを言い訳に魚料理を作らなくなってしまったのですが(この冬ぐらいには復活したい)、その理由はなんでしょうか。考えれば考えるほど課題の闇は深そうです。

コスパ悪。旦那受け悪。洗い物増。
皿と副菜問題という五重苦の魚料理。

私が考えるに、やはり魚は肉と比べて単価的にコスパがあまり宜しくありません。鮭や鯖などの切り身もそれなりの値段になります。

それでも意を決して買ったとしても、濃い味が好き&たくさん食べたい男性からすれば、焼き魚はケ料理の中のケ(日常)で、なかなか心が躍らない人が多いのではないでしょうか。高いのに買って、良い反応が返ってこないのに、臭った魚焼きグリルを洗わなくてはならずで、主婦のフラストレーションは高まるばかり。

勤労後、子育ての合間に手の込んだ魚料理が作れるわけもありませんし、素早く作れるほど、現代女性の料理スキルは高くありません。
(現代の働く女性は、巧みなお料理スキルを身につけるより、稼げる女になったほうが合理的で男性にもモテることを潜在的に知っています。)

また、焼き魚を作った際、のせる皿で悩みことはありませんか?
普段の肉料理で使う皿だと余白があって寂しい印象になるし、焼き魚専門の長皿なんて持っていません。
魚料理と一緒に出す副菜についても「ちょっといつもよりボリューミーなものが良いかな?」と思うと、自身の作り慣れたレパートリー外から探すことになって、手間と気苦労で負けそうになります。

そんなことを無限ループで考えるぐらいなら、回転すしで手っ取り早く「魚注入しとくか!」という発想になって当然でしょう。

これなら作りたい。ワンプレート皿の魚料理。

そんな魚料理の闇を感じていた私ですが、インスタグラムで素敵な写真に出会いました。
tofuko0611さんはフォロワー数2万の正真正銘のインスタグラマーで、いつもワンプレート料理をピックされています。

ため息が出るほど美しいお写真。
登場する魚たちも、なんだかとても嬉しそうです。
彼女の投稿から学んだことは、新しい魚料理の表現方法

課題の余白はワンプレートで解決。彩りも食べ応えもまとめ盛りでクリアし、洗い物も減らせる。

ワンプレートだと、焼き魚周辺の余白を小皿に入れた副菜が解決してくれて、彩りもアップ。全体的にボリュームが出てまとまります。ワンプレートなら洗い物も減らせるし、一石三鳥レベル!
時短の焼き魚も、これなら胸を張って家族の前に出すことができます。


家庭料理は、時代と変わるべき。
凝り固まることが、料理文化を絶滅させる。

締めとして言いたいことは、家庭料理は変化して当然です。
調理者(主婦)の環境が変われば、
調理することの価値が変われば、
食材や調味料の値段や流通が変われば、
当然、皿の上の作品が変わっていくことでしょう。

時には男性のように働くことが価値とされ、
”母性”という呪縛の中で育てることからは逃れられず、
七変化しながら生きることを”強いられている”現代女性を、これまでの既定路線で縛るのは、辛すぎます。

だから、魚料理は面倒ならば回転寿司で解決させればいいし、離乳食も毎日は作らなくていいのです(急に自分擁護)。

また家庭料理は自由に作ればいいと思います。
凝り固まったメニューやレシピへの執着、皿数への意識が、いつの間にか本来の家庭料理の魅力を、すり減らしているのかもしれません。

自由にならなければ新しい発想は生まれません。
そんなことを、ワンプレート皿の上でなんだか嬉しそうな表情をしている魚たちが教えてくれているよう。

自由ってやっぱり正義だわ、、と思う深夜のポエムでした。



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