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1年前はREADYFORの誰とも会っていなかった

最近、社内で楽しみな告知があった。
今月下旬に開催される花見イベントの案内だ。

READYFORのメンバーとはじめて会ったのは去年の花見のシーズンだった。
当時は自分のキャリアについていろいろ考えていたのだけど、前職の森・濱田松本法律事務所の同期(岩崎弁護士)がCEOの米良さんの幼なじみだった縁で、米良さんやCFOの元田さんとREADYFORの会議室で会ったのだった。

なんだか空気が合って、そのままみんなでビールを飲みに行って盛り上がった(COOの樋浦さんも後から来てくれた)。
何を話したかはあまり覚えていないけど、深夜1時過ぎに解散する頃には、READYFORにジョインすることになっていた。

当時は、弁護士としていろいろな会社に関与できることにおもしろみやメリットを感じていたので、もともと一社にコミットするつもりもなかったのだけど、ありていにいえばピンと来たのだと思う。

そういう背景があって、まだジョインする前だったけど、READYFORの花見に呼んでもらった。
メンバーからすれば、社内イベントに突如として謎の小太りの弁護士が紛れ込んできて戸惑ったと思うけど、優しく迎え入れてくれた。
若いメンバーが多いことと、あたたかいメンバーばかりだったことが印象的だった。

READYFORに移籍するといったときの周囲の反応は、概ね否定的だった。
事業サイドに転向するというならともかく、弁護士事務所を辞めてスタートアップの中で法務をやりたいというのは意味不明だと言われた。
専門性を失い、弁護士としての成長は止まると言われたし、3年後には何の市場価値も持たない人間になるとも言われた。

年収が下がることも心配されたし、READYFOR以外に会った会社もなかったので、「もっといろいろなスタートアップをみるべきだ」とも言われた。
また、READYFORは当時は資金調達もしていなかったので、「ベンチャーに行きたいというが、READYFORはNPOみたいなものであって、ベンチャーではないのでは?」とも言われた。

事務所の内外を問わず、いろいろな人がいろいろな観点から止めてくれたが、もはや引き止めというよりは、「道を誤ろうとしている若者の目を覚まさせる」という親心から止めてもらったように思う。
みんな自分の行く末をまじめに心配してくれているのだとわかっていたし、参考になる指摘もたくさんもらえたので、ありがたかった。

とはいえ、当時は、経済産業省の報告書を契機として戦略法務に関する議論がかなり盛り上がっていて、「法務は企業価値の向上に不可欠な経営要素だ」とピュアに信じていた。
また、弁護士がスタートアップにジョインする流れができることは、スタートアップのエコシステム構築のために必要であるとも信じていた。
そのような自分なりの信念もあって、READYFORへのジョインを決めたときの直観に従った。

ちなみに、「まずは留学に行ってから考えたらどうか」というアドバイスもあり、たしかに留学に行きたい気持ちはあったが、「今のREADYFORは今しかない」と思ったことが大きかった。
また、リスクが高すぎるともいわれたが、もともとかなりの楽観主義だし、スタートアップにジョインした経験は大きな財産になると信じていたので、あまり気にならなかった。

そうして去年の7月1日にREADYFORにジョインしたわけだけど、率直にいって、想像していたよりはるかに刺激的だし、楽しい。
信頼できるメンバーと背中を預け合いながら、自分たちのつくる未来にワクワクしながら仕事に取り組めている。
仕事のやりがいについていえば、「READYFORを社会に実装することは社会を前進させることだ」と信じられていることが大きいと思う。

会社ではだいたいふざけていて、他のメンバーに助けられてばかりだけど、READYFORのCLOとして仕事できていることで、主観的には視野も広がったと思うし、少しは成長できているように思う。
前職での執務を続けていれば得られた何かは失ったけど、READYFORにジョインしていなければ得られなかったものも確実にあり、その価値を信じられている。

日々が濃いからか、自分自身、READYFORにジョインしてからまだ8か月しか経っていないとはにわかに信じられない。
けれど、去年の花見にはたしかに社外の者として参加したし、もっといえば、1年前はREADYFORのメンバーには誰一人として会っていなかったのだ。
このことを思うと、なんだかとても不思議な気持ちになる。

今年の花見には、READYFORのメンバーとして参加する。
READYFORの組織は急拡大しているから、自分のように、去年の花見の時点ではまだジョインしていなかったメンバーも少なくないが、そんなメンバーには、「おれのジョイン秘話を聞けー!」などとウザ絡みして、酔っ払ってクダを巻こうと思う。

去年の花見にも参加していたメンバーに対しては、きれいな桜を見ながら、1年前を思い出しながら、社外の人間だった自分をあたたかく迎えてくれたことのお礼を言いたいと思う。


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