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英語がわかり始めた日本人学生がスタンフォード大学のD.schoolで大切なことに気づかされた話

タイトルのとおりアメリカに来て約5ヵ月が経ち、やっと英語が少し聞き取れるようになってきた。

そして自分自身のビジョンとプロダクトが定まってきたので、今日はスタンフォード大学のD.schoolで行われた Launchpad Venture Hub というイベントに参加することにした。

控えめに言って最高のイベントだった。

内容は、自分のプロダクト案を発表したらスタンフォードの教授2人を筆頭にみんなからフィードバックがもらえるというもの。

会場には学生はもちろん一般のおじさんなど、全体で20人弱ほどの人がいた。


教授は自己紹介を終えると、なれたようにホワイトボードに何かを書き始めた。

・Your Target (あなたのターゲット)
・Their Pain Point (彼らが抱える問題)
・Your Product's Key Function (カギとなる働きかけ)

教授「じゃみんな、そこにある付箋にこの三つを書き出してみてくれ!」

おぉ、いきなりだなと思いながら僕も自分のプロダクトについて書き始めた。

そして一人づつ自身のプロダクトについての説明が始まった。

「海外旅行者が利用するWi-Fiのシェアリングエコノミー」「中国人に向けたリモート英会話スクール」「BtoBの企業を繋げるオンラインコンサルタント」「ヘルスケアのデータが集まったプラットフォーム」など

ものは様々だった。


そしてついに僕の番が来た。

以前より進化した英語力と自分が信じるプロダクトでこの場を虜にできる!

と思っていたが、そんなにうまくいかなかった。

ターゲットが抽象的なのと、英語がうまく伝わっていなかったことから少し認識のずれが生じたのだ。

教授のアドバイスのお陰で少しづつ具体的になっていったが、僕の中で何か違和感が残っていた。


そして次の男性が話し始めた。

彼はとても早口でエミネムかと錯覚するぐらい早かったが、教授が返したフィードバックが的確過ぎてちょっとした事件が起きた。

教授「ターゲットが抽象的すぎるかな。」

男性「抽象的と言われても、このプロダクトには大勢のターゲットが存在するんだ。」

教授「それでも特定のターゲットを設定しないと誰にも刺さらない。」

男性「俺が言っているのは抽象的か?具体的ってなんだ?」

教授「さっきの男の子(僕)と共に書いていったこんな感じだよ。そのターゲットの説明で30ワード使ったって構わない。あなたのは2ワードだ。」

この辺から空気が重くなりはじめ、他の人は互いに顔を見合わせて少し微笑むような感じだった。

男性「とはいっても潜在顧客がたくさんいるんだ。絞るも何もたくさんだよ。」

そしてさらにもう一人の男性も加わってきて、ちょっとしたカオス状態になった。

アメリカ人のディベイトは本気で誰も引かない。自分自身に本気だからだろう。最後は教授が相手の意見を尊重してなんとか終戦した。


実はこのディベイトの中での教授の言葉が、違和感が残った僕にあることを気づかしてくれた。

僕が考えるプロダクトは実現したい世界観が強いため、市場規模が小さく、資金調達を意識していた僕は潜在顧客(別のターゲット)をメインのターゲットにして考えていた。

ようするに潜在ニーズである大きな市場をメインのターゲットに置き換えていたのだ。

でもその教授が言ったのは

「潜在顧客は誰のプロダクトにもいる。その中で誰を一番に助けたいのか順番をつけなくてはいけない。そこは小さなマーケットでもいい。多くの人に薄い感動を届けるのではなく、誰か1人でもいいからその人の人生を変えるような感動を与えることに価値がある。」

マーケティング論でよく言う「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」を頭の中ではわかっているつもりだったが、何も理解できていなかった。

自分が本当に解決したい問題は何なのか

叶えたい実現したい目標に対して簡単な道を選ぶのではなくて、真っすぐに向き合うべきだった。

そして改めてこの教授のエモさに感動した。


貴重な時間を使って読んでいただけるだけで嬉しいです!!ありがとうございます!