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私は旅に出るとき、「広角レンズ」を必ず持ち歩く

特に何もテーマを決めずに撮影に出かけるとき、私は自然と広角レンズを手にしていることが多い。広角レンズは自分から使おうと思わない限り、なかなか手が出しにくい存在だと思う。

私もはじめて広角レンズを使った日まで、標準レンズで十分だと考えていた。しかし、広角レンズは一度手にすると自身の表現の幅というのが大きく広がる実感があった。

今では私にとって広角レンズは機材において欠かせない存在になっている。

旅のスナップは一生の想い出に

どこか旅に出かけたとき、写真に収めることはとても大切なことだと考えている。

「絶景は生で見る」という気持ちも大切だが、同じくらい写真に収めることは大切だ。

人間どれだけ印象深いシーンに出会っても時間とともに記憶が薄れていく宿命がある。

しかし、写真に残してみるとどうだろう。

どんな記憶も完全になくなることはなく、その時撮影した写真を見返すと、その場にいた瞬間に感じた衝撃がまるで生き返るように頭をよぎるだろう。

私は普段写真を撮るために旅へと出かけるが、そのとき撮影した写真を見返すと、写真の良し悪しよりも、そのときの感動というのを思い出す。

一生鮮明な想い出として感動を生き返られてくれる存在なのだ。

広角レンズの素晴らしさに気がついた日

思えば私が一眼レフをはじめて手にしたのは高校3年生の秋、「Canon EOS Kiss X5」というカメラだった。

写真撮影自体は小学生の頃から続けていたが、はじめての一眼レフを手にするまでは高倍率のコンデジを長く使用してきたが、いずれにしても広角のアングルというのは経験のない話であった。

広角レンズに興味を持ったのは私が「写真で仕事をしていきたい」と感じた瞬間からだ。

21歳のとき、はじめてイギリスへと単独で行った際、海外で写真を撮影する面白さに気づいた。小さい頃から飽きることなく続けてきた飛行機撮影はもちろん、様々な場所で撮影を行ってきたが焦点距離に不満を感じることも少なくなかった。

帰国して広角レンズについて調べた記憶は鮮明に残っている。そこで見つけたレンズこそ「SIGMA 12-24mm F4.5-5.6IIDG HSM」だった。

当時フルサイズセンサーを搭載したカメラは保有していなかったが、いつか役に立つと感じたその感性は間違いでなかった。

やがて今も主力機材として使用しているCanon EOS 6Dを購入することになったが、フルサイズセンサーを使用して魅せる広角のアングルというのは、これまで自分では撮ることのできなかった領域を可能とするものであった。

EOS 6DにSIGMA 12-24mm F4.5-5.6IIDG HSMを取り付けてファインダーを覗いた瞬間は忘れることのない瞬間だ。そこからは私は広角レンズを使用する機会が大幅に増えた。

表現ができる自分の写真が好きになった

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art, 1/400秒, F8, ISO-400, 焦点距離 22mm, 那覇空港

広角レンズはどんなシーンでも活躍する。

旅におけるスナップ写真の中でも広大な自然、乱雑とした都市の様子、室内の雰囲気、広角レンズが活きる場面は無限だ。

しかし、広角レンズが実現する写真というのは広角レンズ以外では表現することができない。

キットレンズには存在しない、自分で揃えなければいけない機材だけに遠い存在のような気もするが、広角レンズで撮影すると、今まで気づくことのなかった自分の可能性に気がつくだろう。

私は広角レンズを通して自分の写真が好きになり、あらゆる撮影ジャンルにおいてアイデアの広がりを感じている。

写すことのできる範囲が広い分、頭を使う

Canon EOS RP, Tokina opera 16-28mm F2.8 FF, 1/15秒, F8, ISO-400, 焦点距離 16mm, 東京国際フォーラム

広角レンズは写真において表現の幅を広げてくれることは間違いないが、画角に写り込む対象が増えることで考えなければいけないことも増える。

写真においてバランスというのは重要で、被写体をどの位置に配置するのか、メインの被写体と画角に写り込む他のオブジェクトとのバランス感など、写真撮影を行う上で考えなければいけないポイントは多い。

しかし、「写真は考えるもの」だと私は思う。

経験を積んで瞬時にアングルを決められるようになったとしても、どのタイミングでもアングルを考える瞬間が存在する。

考えなければ良い写真を撮ることはできない。

考えるべきポイントの多い難しい撮影というのは写真撮影の技術向上において重要であり、広角レンズはその成長を手助けしてくれると言えるだろう。

広角レンズを使った想い出のショット

ここからは私がこれまで広角レンズを使用して撮影してきた中で、いくつか想い出のショットをご紹介。

SONY α7 III, FE 16-35mm F4 ZA OSS, 1/1250sec, F11, ISO200, 16mm, 沖縄 波照間島

2019年7月に訪れた沖縄では、石垣島から気軽に行くことのできる波照間島を訪問。

広角レンズで写す美しい波照間ブルーは、抜群の色味とコントラストでかつてない作品へと仕上がってくれた。

Canon EOS RP, Tokina opera 16-28mm F2.8 FF, 13秒, F10, ISO-200, 焦点距離 16mm, 東京ミッドタウン

暗いだけが夜の写真ではない。

華やかにライトアップされる「桜」も、広角レンズで写すことでその場の雰囲気と美しさを伝えることができる。

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art, 1/320秒, F10, ISO-800, 焦点距離 12mm, オランダ アムステルダム

天気の悪い日になるとモノクロ撮影が捗る私だが、曇りのどんよりとした日でも広角レンズを使用して被写体を画角に多く取り込むことで、写真において難しい悪天候を克服した。

Canon EOS RP, Tokina opera 16-28mm F2.8 FF, 1/25秒, F11, ISO-1600, 焦点距離 16mm, 東京駅KITTE

おしゃれな構造が施された建造物の中においても広角レンズは大いに活躍する。

吹き抜けが存在する東京駅KITTEの上層階から見下ろす形で撮影した1枚は、標準レンズでは表現することのできない、空間の雰囲気を残すことができた。

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art, 50sec, F4, ISO3200, 沖縄県小浜島

いつかは撮影してみたかった星空

沖縄・小浜島に訪れた際、ペンションのオーナーさんのご厚意で連れて行って頂いた星空観賞で見た星空は忘れることのない時間だ。

定期的に写真を見返すことでその時の記憶というのは色褪せることなく残り続けるのだ。

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6IIDG HSM, 1/320sec, F10, ISO400, 富士芝桜まつり

広大な景色を写す際にも広角レンズは重宝する。

一面に広がる芝桜に富士山がワンポイントとなって入ったことでその土地らしさも表現することができた。

おすすめの広角レンズ

世の中には様々な広角レンズが存在する。私はこれまでRentio PRESSにおいて様々なレビュー記事を担当してきたが、その中でもおすすめの広角レンズをご紹介。

SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art

先ほどご紹介した私が広角レンズに魅了されるきっかけになったレンズの最新モデル。

ズーム全域で開放絞り値F4を実現し、SIGMAが誇る高品位Artシリーズとして抜群の解像力も実現。

TAMRON 17-35mm F/2.8-4 Di OSD

焦点距離は17mm始まりと広角レンズとしては画角に自由が利かないものの、独特の描写性は風景写真を撮影する場面において最適。

絶妙なコントラストと「青」「緑」の発色は個人的にも感動したタムロンの傑作。

Tokina opera 16-28mm F2.8 FF

かつてより広角や標準系のレンズを中心に開発するトキナー。

最新のoperaシリーズより発売されているこちらのレンズはトキナーの未来を感じさせるクオリティの高さが魅力だ。

他メーカーのレンズにも劣らない描写力、解像力、更に抜群のコストパフォーマンスも誇る。

私はこれからも旅の相棒として広角レンズを使いたい

気づけばいつも持ち歩いている広角レンズ。

仕事においてもプライベートにおいても広角レンズというのは私の中でも重要な存在で、風景写真を中心にこれからも使い続けたい。

写真撮影において行き詰まりを感じる方にはぜひ広角レンズを愛用して頂きたい。

写真撮影において想像の幅は広がり、悩みから脱出する良い手段になるだろう。広角レンズには写真を変えてくれる大きな力がある。

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Atsushi Yoshioka

写真家Atsushi Yoshioka。25歳。WEBメディア「Rentio PRESS」ではカメラ系のレビューや作品撮影を担当。また、航空機の写真撮影をメインに雑誌での連載・執筆も。国内のみならず海外での撮影も得意としており、その土地らしい風景を絡めた作品が特徴的。
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