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異世界金融機関は九段下に

この記事はFinatextグループ10周年記念アドベントカレンダーの2日目の記事です。昨日はミヤカワさん( @ayumiya_live )が「Finatextグループ10周年記念アドベントカレンダー、スタートします!」という記事を公開しています。

異世界Finatext

九段下駅は東西線7番出口を出てすぐ、私は青海珈琲でワンコインカレーを待っていた。一緒に昼食を買いに来た業務部のワタナベは、真剣な眼差しでカレーによる表面張力の限界に挑戦している。

青海珈琲はお会計からコーヒーを淹れるまでセルフサービスだ。そのため、200円で驚くほど美味しいコーヒーが飲める。コーヒーの他にもソフトクリームやサンドイッチなどの軽食があり、カレーもそのひとつだ。お店の奥には大きな鍋が置かれていて、ミニチュアサイズのお賽銭箱に小銭を入れたら自分で炊飯器から米をプラスチック容器へ詰めカレーをかける。「まだ、入るかな?いけるかな?」と、ワタナベが目を輝かせている。

私は証券会社の営業から独立を経て、2022年1月にFinatextグループで証券会社を営むスマートプラスに入社した。それまでの私は典型的な金融機関の営業マンだった。
それは例えるならば、絞りきってカラカラに乾いた雑巾から、一滴の水を得るためにもう一度雑巾を絞るような仕事だった。ドラマ『半沢直樹』が放映されていた際は、およそ自分の知っている現実から乖離したぬるま湯のフィクションに思わず笑ってしまうような、そんな日々を送っていた。

過去の組織の中で、私は何かに突出することもなく、かといって他人を蹴落とすことに徹することも出来ず、いわばRage Against the Machine化した証券リテールの世界に絶望していた。金融という手段をもとに何かを変えたかったはずの想いも、いつからか消えてしまっていた。いつも頭にあるのは手数料から生まれるエトセトラの他になかった。

ところが、どうだろう。
一般的に証券営業が他部署と関わる機会といえば限定的だ。例えば、売買履歴をもとにコンプライアンス部門と関わることはあった。けれど、その他の部署との交流は今をもっても思い出せない。

でも、今はどうだ。今日はこの後、業務部のワタナベと共有スペースでカレーを食べながら取扱銘柄の確認をし、新規案件をPMと対応し、契約書に不備がないかコンプライアンスに依頼を、既存プロダクトの施策案をマーケティングと相談する。そうだな、夜は社長と飲みに行こう。

そうか、異世界に来たんだな、と私は思った。
Finatextの共有スペースの壁にはミッションが掲げられている。
『金融を”サービス”として再発明する』
その言葉は今もなお、私の胸の中で瑞々しさを保っている。

Reinvent Finance as a Service

明日は…

明日は森田さんによる「Connect/goでRESTとgRPCに対応したAPIを作ってみる」についての記事です。お楽しみに!

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## この記事を書いた人 新川 敦史 株式会社スマートプラス BizDev
静岡県浜松市出身。映像制作会社のプロデューサー、証券会社のリテール営業、IFA会社の起業と売却を経て、2022年に株式会社スマートプラスに証券ドメインのBizDevとして入社。フィンテックソリューションドメインのBizDevも兼務。料理と映画が好きです。
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