見出し画像

3月21日(木)鈴本演芸場下席夜の部 寿真打昇進披露興行

花ごめ  やかん 
 後輩ふたりに抜かれたが、今日のお披露目の場が「楽しい」と言う。そんな彼女も秋には真打に昇進する。

勝丸  太神楽
 今日はやたら落とすね。

天どん  テレビショッピング

菊之丞  長短

にゃん子・金魚  漫才
 金魚さんの頭飾りにつる子師の写真が…。

一之輔  鮑のし

市馬  長屋の花見

 銭湯で上野の花の噂かな

二楽  紙切り

「つる子師匠」を切って頂いた。


三三  狸賽
 狸「バクチはよくないですよ。だって、通訳が…」
男「おい、止せよ!」

ー仲入りー

(高座向かって左より)【司会】三三・天どん・わん丈・つる子・正蔵・市馬・馬風  口上
 幕が上がり、新真打ふたりが顔をあげると、つる子師の眼はすでに潤んでいる。もらい泣きする。
 三三師の手練れの司会ぶり。おなじみの馬風ドミノ、市馬会長の「手を取ってともに登らん春の山」、そして、つる子師の師匠・林家正蔵落語協会副会長は「タカザカラ…」を言えずに噛んでしまう。ズコーッ。今泣いたつる(子)がもう笑った。

猫八  動物ものまね
 ウグイス・つる・東天紅

正蔵  新聞記事
 つる子師の中央大学落語研究会での高座名は「中央亭可愛」だった。

 バカじゃないの?

わん丈  寿限無の夜〜星野屋

 尾崎豊『十五の夜』にのせて『寿限無』を歌い上げる。『星野屋』は落語版『わるいやつら』。

橘之助  浮世節
 宝船(?)・両国風景
 
つる子  紺屋高尾
 大初日に凄いカードを切ってきた。得意中の得意ネタで勝負というわけだ。ごっつい色気たっぷりの振り袖でトリを取る。
 回想シーンでは三味線が入り、高尾=つる子師が堂々たる花魁道中を魅せる。ゾクッとするほどに美しい。真打昇進による自信がそうさせるのか?
 後朝の別れ。高尾が「ウソじゃない」と叫ぶあたりから口調が変わる。ありんす言葉から自分の言葉へ。
 
ウソってのはつきとおしてはじめて嘘になるんだ

 自分が「上州のお大尽」ではなく、「紺屋の職人」である事を明かした久蔵と、小さな嘘を見逃し大きな真(マコト)に殉じた高尾。ふたりが結ばれるのは必然である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?