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買う前にARで試すというUX

 少し前に出た日経電子版の記事【リクルートキャリア、ARで就活生のメイク支援】は、一読して「なるほどな」と思ったものの、そのままスルーしていました。しかし、しばらくして気付いたのは、『ARで試してみる』というUX(ユーザーエクスペリエンス)のポテンシャルの大きさです。



 そもそも、AR(拡張現実)とは、実在する視覚情報とバーチャルな視覚情報を重ね合わせて表示するテクノロジーです。その本質は、『あるモノ』と『ないモノ』をマッチングさせることだ、と言えそうです。そのテンプレートを買物というUXに持ち込んだらどうなるでしょうか?

 まだ買ってないモノを、バーチャルに試してみる、という事に他なりません。

 
 この『ARで試してみる』というUXには、『ARメイク』だけに止まらない大きなポテンシャルがありそうです――

▶『ARで試してみる』というUX

『ネット通販での有用性』・・・買う前に現実のモノを確認できないネット
 通販では、販売するモノをバーチャルな視覚情報として、ユーザーの
 実在する視覚情報と重ね合わせて表示することで、バーチャルに試す
 UXを実現できる。

『応用範囲の広さ』・・・ARメイク以外にも、ARコーデ、ARインテリア
 コーディネイト、AR引越(家具の配置確認など)等、応用範囲が広がる。

『リアル店舗でも有効』・・・リアル店舗であっても、試着が面倒な人、
 化粧品のレコメンドなど、活用できそう。

『大きなモノにチャンスか』・・・あくまで想像ですが、買おうと思って
 いる洗濯機が自宅の洗濯(防水)パンに入るかとか、車が駐車スペースを
 どの位ふさぐかとかの用途が考えられます。

『高額商品のネット通販でUX向上』・・・今後、返品を前提とした高額商品
 のネット通販が伸長すると予測されますが【下記の拙稿参照】、ARで
 試せることは、買い安心感に直結すると考えられます。


 買う前にARで試すというUXは、様々な場面でストレスレスな買物体験を実現し、買物の満足度を向上させるポテンシャルがありそうです。そのことは、逆に言うと、『ARで試せる』システムを導入している店舗(オンライン、オフライン含めて)のストアロイヤルティを高め、競合との差別化へと繋がると考えられます。


 

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