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『万人受け』vs.『個性派』~ネット通販の隙間戦略~

 日経電子版の記事【アマゾン対抗の個性派通販、カギは安さ・手間・地域性】は、ネット通販におけるアマゾンのように、ガリバーがいる市場でどうやって闘ってゆけばいいか、一つの明確な方向性を示してくれているように思えます。



 そもそも、ガリバー、巨大であるということは、『万人受け』するシステムで多くのユーザーを集めている、ということの裏返しでもあります。そこからは、『万人受け』するニーズでは満足できない、多様化する消費者のニーズが抜け落ちているのです。

 記事で紹介される事例は、まさに、そんなニーズを拾い上げた、『個性派』のネット通販です――

▶『個性派』のネット通販のコンセプトの例

(1)配送時間の短縮などの利便性よりも、圧倒的な安さにプライオリティ
  を認める。
 ⇨ 急ぐ必要がなければ、安い方がいいに決まっている。

(2)あえて、便利なカテゴリー別サイトデザインを排し、発掘型サイト
  デザインで『宝探し』の体験価値
を演出する。
 ⇨ 閲覧時間が長時間化し、見ているうちに安いから買おう、となる。

(3)ニセモノは御免だ、というニーズに応え、AI+検査員(マニュアル
  化され効率的・低コストな検査)で真贋鑑定を徹底
 ⇨ サイトが品質を担保することで、メーカーから個人まで誰でも出品
  できることから、珍品も。 



 『体験価値』に重みのあるコト消費の時代には、その『体験』というものの本質的な性質から、そもそも『体験価値』には『多様性』があるのであって、コト消費の時代の市場は、次第に『マス』が解体して、『スモールマス』へと分散していくと考えられます。『万人受け』するサービスでは拾いきれなくなり、こぼれ落ちているニーズは、文字通りチャンスがいっぱいのニッチという名のブルーオーシャンではないでしょうか。



#COMEMO #NIKKEI

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