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リユースのラストワンマイル

 日経電子版の記事【中古品、近所で売れる マンション玄関や喫茶店】では、2018年10月に施行された改正古物営業法によって、買い取り場所の規制が緩和され、車両型移動式店舗・大規模マンションのエントランスなどでの買い取りができるようになった状況がリポートされています。



 この状況は、記事にもあるように、リユースを巡る環境を著しく改善するのではないでしょうか。

 リユースを巡っては、積極的に不要になった中古品を売り出す人がいる一方で、消極的な人が多数存在するのは間違いない、と考えられます。そして、その理由は、中古品に関して何らかの主義主張がある、と言うよりは、単に『面倒だから』だと思われます――部屋をスッキリ片付けたいのはやまやまだけど、『面倒だから』まあいいか――という訳です。

 ちょうど、宅配便のラストワンマイルの仕組みが、顧客の利便性を大きく左右するのと同じように……いや、それ以上に、リユースのラストワンマイルの仕組み、『面倒なく簡単に売り出せる』仕組みは、決定的に重要だと思われます――自宅マンションのエントランスに業者が出張してきて買い取ってくれるなら、それほど簡単な事はありません――。



 この事例を巡って浮かび上がってくるのは、『面倒なコトをやってくれる(=面倒なシステムを使ってくれる)顧客はほとんどいない』という現実、そして、その『面倒』という不便性が、市場のボトルネックになってしまっている場合がある、という事です。法改正による規制緩和を含めた『面倒』除去の取り組みは、社会の風通しを良くして持続可能性を達成するためにも、避けて通れない課題かも知れません。


#COMEMO #NIKKEI

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