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イーロン・マスク氏の傾聴すべき一言

 日経電子版の記事【ゲームの祭典「E3」閉幕、イーロン・マスク氏も登場】は、ゲームの祭典「E3」に関するリポートですが、登壇したマスク氏のゲームとは直接関係のない 「余談」にキラリとしたものを感じます。



 そのくだりを引用すると――

 開発中のピックアップトラック型EV(電気自動車)についても「万人受けはしなくても自分自身がほれぼれするものをつくりたい」と言及し、会場を沸かせた。



 この発言に秘められたスキーム、プロダクト(モノ・サービス)についての基本的な考え方を私なりに抽出してみると――

▶プロダクトとは……

(1)万人受けを狙ったモノではない。
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(2)特定の人にとっては惚れ惚れするようなモノである。
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(3)そして、作り手自身が惚れ惚れしてしまうモノである。



 マスク氏の発言に込められたメッセージは、極めて分かり易く、そして極めて重要なポイントだと思われます――ユーザーが所有より使用を重視する、そのプロダクトによってもたらされる『体験』そのものを重視するコト消費の時代には、ユーザー一人ひとりの『体験価値』を徹底的に探究することが不可欠で、そのためには、万人受けする中途半端な『体験価値』を模索する従来の手法は通用しないからです――。

 スモールマスな特定のユーザーが熱烈に支持するようなプロダクト、そして、SNSの投稿者やインフルエンサーが惚れ惚れするようなプロダクトこそが、ユーザーに刺さって共感を呼び、その共感の輪が広がることによってスモールマスからマスへと大ヒットするのだと考えられます。

 その際重要な事は、作り手自身が、誰よりもそのプロダクトの創造過程を楽しみ、そのプロダクトに惚れ込んでいる事ではないでしょうか。


 



#COMEMO #NIKKEI

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