スタートアップ、飛躍と破綻の分岐点
日経電子版の記事【スタートアップ4社の破綻から学ぶ4つの教訓 】は、スタートアップが飛躍を遂げるか、破綻に陥るか、その分岐点、破綻へと至る落とし穴を浮き彫りにしたリポートで、投資の観点からもとても参考になります。
さっそく、記事からその要因をピックアップしてみると――
▶スタートアップが破綻してしまう落とし穴
(1)『持続可能な差別化戦略がない』・・・どんなに潜在的な市場規模が
大きかろうとも、それだけでは成功は保証されない。その市場を開拓
していく戦略が、他社にはない圧倒的かつ持続可能なシステムである
かどうかが問われる。
(2)『コスト・ロス面での課題が解決されないまま多額の投資』・・・
システムのコスト面・ロス上の課題がクリアになっていないにもかか
わらず、シェア最優先で多額の投資を継続してしまう。
(3)『不適切なビジネス手法』・・・システムの根幹にかかわる部分に、
人員的、取引的に不適切なビジネス慣行、手法が含まれているリスク。
(4)『シナジー効果のない統合』・・・実際にはシナジー効果の望めない
ものを無理に統合させようとすれば、双方の持ち味が損なわれ、
マイナスの結果しかもたらさない。
(5)『他社のテクノロジー・プラットフォーム・APIへの依存』・・・
このような依存は、システムの更新・サービス規約の変更などに
よって、たちまち立ち行かなくなるリスクがある。
このような要因から、逆に、スタートアップの最低条件を整理してみると――
▶スタートアップの条件
(1)『事業の独立性』・・・その新規事業は、他社のシステムに依存し、
自社ではコントロールできない基盤を持ったビジネスモデルでは
ない。
(2)『事業の独自性』・・・その新規事業は、全く新しい、他社の追随を
許さないビジネスモデルである。
(3)『事業の採算性』・・・その新規事業は、開発が十分に進捗した後には
コスト的・ロス的な課題を十二分にクリアできるビジネスモデルで
ある。
(4)『事業の社会性』・・・その新規事業は、コンプライアンスはもとより
社会的に不適切な取引慣行等を含んでいないビジネスモデルである。
(5)『事業の連携性』・・・その新規事業は、その事業拡張の過程で、
シナジー効果のない要素との連携は排除した、無駄のない
ビジネスモデルである。
ポイントはまだまだあるかも知れませんが、一番怖いのは、そのスタートアップのリーダー自身が手遅れになるまで、本当に破綻するとは思っていない、というような状況かも知れません。
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