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フレンドリーなマシン~人間を観察して反応するパーソナライズド・インターフェース~

 日経電子版の記事【三菱電機、双方向型の車載システム開発】は、人間と機械を繋げるHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)が、ユーザーの状況に関わりなく画一的な反応をする『気の利かない』インターフェースから、ユーザーを観察して的確な反応をする『気の利いた』インターフェースへと進化していく状況を予感させます。


 そもそも、人間と機械の相互作用、インタラクションを考える時、人間の側には、その体調・気分・感情などが常に変化しているという現実があります。それに対して機械の側が、常に判で押したような反応しか出来ないとすれば、人間と機械との関係は、常にある種の緊張感をはらんだストレスを伴うものにならざるを得ません。

 それは、気分屋の主人と気の利かない執事のような関係です。主人がご機嫌の時もイライラしている時も、判で押したように単調で慇懃な対応をしていては、とてもいい関係は築けないでしょう。もし、機械が空気の読める執事のように振る舞って、その時々のユーザーの状況に合わせたユーザビリティーに変化できるとすれば、状況は全く変わってきます。

 記事の例では、危険を察知したクルマ(運転支援システム)は、ドライバーが注意散漫な状態の時は警告音などで強い注意喚起を、ドライバーが周囲に気を配っている時にはLEDライトを点灯する程度の通知を、とフレキシブルに対応するのです。


 各種のセンサーを備えた人工知能AIが、人間の状況を観察して、インターフェースのユーザビリティーをフレキシブルに変化させることが出来れば、人間と機械との関係は、より親密で安全なものへと変化していくと考えられます。AIによって知能を獲得した機械は、ストレスフリーな、いわばパーソナライズド・インターフェースとでも呼べるものによって、フレンドリーなマシンへと進化していくのです。

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