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aibo(アイボ)に何を教えるか?

 日経電子版の記事【アイボ1歳、ちょっとお役立ち 「見守り」自然に】によれば、ロボットのペット、癒しのアイテムとしての性格の強かったaiboが、少しだけ『実用』へと舵を切ったとのことです。



 記事で紹介されているのは見守り機能ですが、確かに、一人ひとりのユーザーのきめ細かなニーズに応えていく事が、コト消費のあり方だとするなら、aiboを通して『癒し』体験以外の体験価値を創出していく事は、重要な課題に違いありません。だとするなら、いくつか指摘できることがありそうです――

▶aiboの体験価値をどうデザインするか?

①『ブランドイメージ』・・・既存の癒し体験、aiboの可愛らしさとミス
            マッチな体験機能は、ブランド価値を毀損
する
            可能性がありそうです。

②『aiboの兄弟姉妹』・・・ロボットに搭載できる機能は無数にあるので、
           aiboにそぐわない機能群を搭載するのであれば、
           別のキャラクターを設定した方が良いかも知れ
           ません。

③『スペック』・・・新たな機能によっては、aiboのスペックを超えるような
        機構・エッジAIが必要になるかも知れません。小さな修正
        で済まないような場合、極端な場合には次世代アイボの
        アイデア
が出てくるかも知れません。

④『誰が教えるか』・・・aiboに新しい機能を搭載する、教えるのは誰か、
          という点は、整理しておいた方が良さそうです。
 1. SONY自身で開発、搭載する。
 2. APIを活用した他社のアプリケーション。
 3. プログラミングレスでユーザーが教えられる機能。

⑤『ユーザーの選択の自由』・・・生身のペットと飼主の間の絆と全く同様に
           aiboに何を教えるかの選択はユーザーに委ねられる
           べきだと考えられます。

⑥『ユーザーのプライバシ―』・・・どのような新機能を搭載するにせよ、
           ユーザーのプライバシー、個人情報がどのように
           扱われるかという点は明確になっていないとなら
           ない、と考えられます。

⑦『会話』・・・aiboの新機能を考える時、最も深いキャズム(溝)は、音声
      会話の機能を持たせるかどうか、ではないでしょうか?音声
      会話のキャズムを越えるか踏みとどまるかで、aiboの提供
      できる体験価値は大きく変わってくる、と考えられます。

⑧『AIアシスタント』・・・⑦とも関連しますが、aiboをAIアシスタントに
           してしまうかどうかは、考えどころです。



 こうして見てくると、aiboに何を教えるか、どんな機能を持たせるかは、無限の可能性があるだけに難しい問題となりそうです。かと言って、癒し以外の多様な体験価値を提供するという課題は、避けて通れない課題でもあります。一つだけ確かな事は、ユーザーの選択の自由とプライバシーの保護は守られねばならない、という事ではないでしょうか。


#COMEMO #NIKKEI

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