アジャイルで大企業が「鬼に金棒」に~日本型モノづくり企業のパラダイムシフト~
日経電子版の記事【パナソニック、デザイン経営で変わるか 存在問い直し】は、第4次産業革命の時代に『イノベーションを起こし続けられる会社』への脱皮を図る大企業に関するリポートです。一般論として、「テクノロジーはあるけど、アイデアがない」、そんな大企業病から脱却するにはどうしたら良いのでしょうか?
『モノづくり』の厚いインフラ・質量ともに豊かな技術リソースがありながら、ユーザーの心に刺さるアイデアを見い出せず、イノベーティブな尖ったプロダクト(モノ・サービス)を生み出せないとしたら、とても残念な事です。どんなプロダクトも、リアルの世界で稼働するには現実としての『モノづくり』のテクノロジーが不可欠で、その優位性が生かし切れていないことにまさる企業資産の無駄遣いはない、と言って良いでしょう。
記事からは、その状況、つまり大企業病からの脱却のための処方箋がいくつか描けそうです――
▶大企業病からの脱却のための処方箋
(1)『デザインドリブンな経営』・・・プロダクトのデザインは、機能
ドリブンな、テクノロジーありき、高機能ありきの発想ではなく、
ユーザーに寄り添った、ユーザーの体験価値のデザインから出発する。
(2)『スモールマスな市場』・・・記事にある「みんなの最高ではなく、
あなたの最適を」というコピーに象徴されるように、ユーザーの最大
公約数的なニーズに焦点を当てたマス市場ではなく、スモールマス
に刺さる尖ったプロダクトを目指す。
(3)『アップデートするプロダクト』・・・ユーザーの体験価値に寄り添い
コト消費に密着すべく、プロダクトはアップデートされ続けなくては
ならない。
(4)『アジャイル開発』・・・スピード感を持ってユーザーのベネフィット
を追求するには、アジャイルにユーザーの要望を吸い上げながら
プロダクトをブラッシュアップしていく必要がある。
『モノづくり』の圧倒的なポテンシャルを持った大企業が、その経営の方法論において大企業病と決別して、『デザインドリブンな経営』・『スモールマスな市場』・『アップデートするプロダクト』・『アジャイル開発』に舵を切ったならば、それはまさに「鬼に金棒」、日本型モノづくり企業のパラダイムシフトとなるのではないでしょうか。
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