見出し画像

コト消費への対応を迫られるネット通販~プロシューマーの時代のネット通販~

 日経電子版の記事【米ネット直販、アマゾンも揺るがす SNS駆使で台頭】は、①SNSを通じて消費者とコ・クリエーション(価値共創)しながら、②自社で企画・製造(ファブレスも)したプロダクトを、③中間流通をなくした自社サイトで直販する(販売価格を抑えられる)『D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)』に関するリポートです。



 そもそも、消費者一人ひとりが各々の体験価値を追求するコト消費の時代に、細分化されるスモールマスな市場を見極め、ユーザーのインサイトに肉薄したイノベーティブなプロダクトを作ろうとすれば、それは、プロダクトアウトな『モノ』の売りっ放しであろうはずはなく、プロダクトの入口である消費者のインサイトと、出口であるフィードバックにおいて、消費者との密接な関係性のあるエコシステム=コ・クリエーションのエコシステムが不可欠になってきます。

 その意味で、『モノを売るだけのネット通販』には避けられない限界があり、3Dプリンティングなどのテクノロジーの進化によって出来る事の幅が広がりつつあるカスタマイゼーションや、消費者が積極的にプロダクトの開発に関与するコ・クリエーションなどの『プロシューマー(生産消費者)』の潮流への対応がきわめて重要になってくると考えられます。

 SNSなどによって消費者との双方向性を担保した『D2C』は、まさにその一例だという事が出来ます。

▶『プロシューマー』への対応

① コト消費の進行

② 消費者のプロシューマー化

③ コ・クリエーションのエコシステムの形成

④ D2Cの台頭

⑤ モノを売るだけのネット通販の停滞(?)



 ロングテールに膨大な品揃えを誇る、旧態依然とした『モノを売るだけのネット通販』は、もちろんそのような存在も必要ですが、かつてリテールの世界でデパート・スーパーが下降トレンドへと向かったように、その存在感を希薄にしていくのかも知れません。モノ消費からコト消費への変化に対応してビジネスモデルの転換を迫られるのは、ネット通販の世界も同じであると考えられます。



#COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?