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スポーツ観戦の『CX(顧客体験)』

 日経電子版の記事【オリックス、成績低迷でも売上高倍 2軍でファン獲得 球団経営で勝つ(上)】は、成績低迷でも売上高はパ・リーグ2位集団に入るオリックスを通して、球団経営とは何なのか、ひいてはプロのスポーツチームの経営について考えさせてくれる好記事だと思います。



 そもそも、ファンがスポーツチームと関わる、という『顧客体験(CX)』を最大化しようと思えば、それは、狭義のスポーツ観戦に止まらず、普段から選手の成長を見守り、日常において選手と触れ合うことで、選手とファンとの絆が強まった状態で、非日常の試合に臨む、そして、試合の後にはイベントがあり、触れ合いがある、という広義のスポーツ観戦をデザインしなければならないはずです

 それが出来てこそ、ファンの『CX』を最大化することこそが、スポーツチーム経営のトッププライオリティーであり、売上向上の施策へと繋がるのではないでしょうか。つまり、今はまだ優勝候補ではなくても、ファンが選手の成長を見守り、選手がそれに奮起していくプロセスにこそ、広義のスポーツ観戦の真の醍醐味、『体験価値』があるのであって、今はBクラスであっても高い売上を上げることが出来るのはまさにその為、チームがファンに愛されているが為なのです。



 そのような『CX』重視のチーム経営のポイントを記事から拾ってみると――

▶『CX』重視のチーム経営

(1)『ファンクラブ』・・・ファンと選手の距離を縮め、ファンが選手の
  人となりに触れ、その成長を見守れるような場を作り、施策を打つ

  例えば、2軍から始めるファン作り、試合後のハイタッチ、
  バーベキュー大会を初めとした様々なイベント、本拠地以外でも
  2軍の試合を開催する、など。

(2)『データ分析』・・・ファンの動向をデータによって把握⇨分析⇨
  販促
。例えば、ECサイト・ポイントカードなどの購入履歴を活用して、
  レコメンドする、など。

(3)『AI』・・・AIによるダイナミックプライシングで、需給に価格を
  最適化させることで、売上を向上させる


(4)『飲食・グッズ』・・・入場者数の大きな成長が見込めないなかで、
  チケットにプラスして、飲食・グッズなどをどう打ち出すか


(5)『優勝への道』・・・球団が稼ぐ力は、最終的には、チームの勝利、
  優勝への道のりにある
。すぐに優勝せずとも、または、連続して優勝
  せずとも、常に優勝に絡んで闘う姿が感動に繋がる。



 球団経営における『顧客体験(CX)』重視の施策の数々は、そのまま、一般の企業における『UX(ユーザーエクスペリエンス)』のあり方に繋がるものがあり、とても参考になりました。



#COMEMO #NIKKEI

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