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事業承継、BtoCへのビジネスモデルチェンジがカギか

 日経電子版の記事【家業継ぎつつ新事業 「アトツギ」承継で廃業防げ】は、中小企業のアトツギが、本業承継と新規事業立ち上げをセットで引き継ぐ『ベンチャー型事業承継』に関するリポートで、とても参考になります。



 引き継ぐ主体がアトツギであるかどうかは別として、最大のポイントは、中小企業の埋もれた技術リソースを商品の価値へと繋げていく新規事業のあり方である事は間違いありません。

 そもそも、OEMや下請けを生業とする中小企業の場合、自社にどんな素晴らしい技術リソース、匠の技があっても、自身が開発主体でない以上、その最大限の活用には限界があります。OEM、下請け故に自身のポテンシャルを最大限発揮できない、というもったいない状態にある訳です。

 その状況を一気に打開するのが、ユーザーと直接繋がる自社ブランド、工場ブランドの立ち上げである、と考えられます。自身が開発の主体となって、自社の技術リソースとユーザーのニーズをがっぷり四つでマッチングさせる試行錯誤は、自社の技術リソースの再発見、有効活用、そして技術の進化を促すに違いありません。

 そして、そのような自社ブランドの開発、新たな価値の創造は、コモディティ化の回避となり、会社で働く人のモチベーションを著しく高めて、最終的な企業ブランドの向上へと繋がっていくと考えられます。



 中小企業がビジネスモデルをBtoCへと衣替えし、自律的な成長エンジンを構築することは、事業承継の大前提かも知れません。

(追記:『工場ブランド』については、下記の拙稿でも考察しています。)


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