コモディティ化の呪縛~誰も何も考えなくなった時にチャンスが~
日経電子版の記事【感動体験を売る バルミューダ社長、家電ヒットの極意】は、コト消費の時代のモノづくりのあり方を見事に言い当てていると思います。
そもそも、第4次産業革命の時代は、テクノロジーの進歩によって、モノの高度化+均一化+低価格化というコモディティ化が進行すると同時に、消費者の体験重視のコト消費が進行する時代です。
そこでは、消費者は、自らの生活の大部分はコモディティ化したモノの利用で満足しつつ、ある部分では徹底的に体験価値にこだわる、と言う現象が起きてくる、と考えられます。
当然、体験価値にこだわる消費者にとって、コモディティ化したモノでは満足の行く体験価値は得ることが出来ず、そこに、全く新しい体験価値を提供できるようなモノ、というチャンスが生まれるのです。
コモディティ化の呪縛によって思考停止に陥っているところこそ、実は広大なブルーオーシャンな訳です。コモディティ化=レッドオーシャンという型にはまった捉え方をしていては、みすみすチャンスを取り逃がすことになるでしょう。
そんなコモディティ化したブルーオーシャンで、消費者に刺さるプロダクトを開発する際に重要なポイントが、記事からは浮かび上がってきます――
▶消費者に刺さるプロダクトを開発するには……
(1)『体験をデザインする』・・・コモディティ化したモノから脱皮した、
ユーザーの心に刺さるプロダクトを開発するには、単なる付加価値、
追加機能を考えていても駄目。全く新しい体験をデザインしなくては
ならない。
(例)コト消費の時代のトースター≠パン焼き器
=素晴らしい朝食体験
(2)『ニーズは自分に聞け』・・・ニーズを探るのに、もちろんモニター
調査なども必要かも知れないが、人の本当の気持ちなんて分からない。
自分こそが最も信頼できる消費者。自分自身の生活の夢や不満に耳を
傾ける。
どこにでもあるモノにこそ、大きなチャンスがある――まさにコト消費の本質を捉えている、と言えるのではないでしょうか。
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