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2024年の目標について“本気だして”考えてみた

はじめに

 親愛なるフォロワーの皆様、あけましておめでとうございます。なんと一年の1/4が過ぎようとしている旬を過ぎた時期に、こんなタイトルの記事を投稿してすみません。2月初旬くらいからちょっとずつ進めていたのですが、思った以上に時間がかかってしまいました。

 皆様は、年間目標みたいなものを立てますでしょうか?(こういう問いかけは大体自分のためにしています)僕はというと(ほらね)、昨年の正月に、気まぐれで始めてみただけの、目標設定初心者ではあるのですが、年間目標を立てる側の人間です。これがあるとないとでは、毎日の生活の心構えが違うような気がします。2023年の一年間は、3×3の9マスのビンゴ方式で目標を設定していました。そのビンゴ数で、ご褒美がもらえる(自分で購入したりするだけだけど)仕組みを考えました。

 その結果は、9個中の6個を達成したにもかかわらず、なんと0ビンゴで終わるという惨憺たる結果となりました。目標設定をすることで怠惰な自分を奮い立たせるという目的は、ある程度は達成することができたのですが、ビンゴを達成できなかったことに結構落ち込んでしまいました。もう少し時間があれば、達成できたのに…。
 そこでふと、なぜ一年という単位で区切る必要があるのか?という疑問を覚えました。

時間感覚は文化に規定されている

 そう思ったのも理由があって、台湾で暮らしていると、日本で感じる年末感みたいなものがほとんどないからなのです。台湾では、明代に始まったという旧正月の文化が根強く、2月の初旬にやっと年末長期休みがあります。そのため、2023年は12/29(金)まで仕事をして、土日を挟んで、1/1(月)は(流石に)祝日、2024年は1/2(火)には普通に仕事を再開しています。あの年末特有の、忘年会とか、仕事納めとか、M-1/紅白/ガキ使/格付けを見るなどという恒例行事がすっぽり抜けて、ただの三連休に成り果てた年越しを過ごしてしまうと、あれ?ほんとうに年を越したのだろうか?と不安になるほどです。

 もちろん台湾人も、年越しのおめでた感はあって、年越し時には「新年快樂!」とメッセージを送り合います。でも、日本のあのバカ騒ぎ(中にいた時は気づかなかったけど、外から見たら異常な食料/お酒/衣料/生活用品の消費量だと思います)に比べたら、あってないようなものです。台湾で2度目の年を越して思ったのは、12/31と1/1の違いは、そこまで重要ではないのかもしれない、ということ。

 そうして、年またぎの切れ目が分かりにくいここにいると、「年末にやり残したことがないように」「新規一転ことはじめ」「仕事納め/初め」「初詣」などの概念が希薄になってしまい、「2024年の目標」も一緒になって消えてしまうような気がしました。じゃあ、目標を立てることをやめようか?とも思ったのですが、先に述べたように、人参を鼻先にぶら下げることの効用も、よく知っています。

 そこで、台湾ver.(年で区切らない)の目標設定の仕方を、考えてみることにしました。

昨年の目標設定のどこに問題があったのか?

2023年の目標ビンゴ

 上の画像が、去年一年間部屋に貼っていた目標ビンゴです。達成した日付を書いて、バッテンをつけています。裏には、ビンゴ数に応じたご褒美を書いていたのですが、写真を撮り忘れたまま捨ててしまいました。ただ0ビンゴは、「自分にめちゃくちゃ軽蔑される」と書いた記憶があります。もちろん達成できなかったのは自分のせいなのですが、目標の立て方にも問題があったように思っています。このビンゴの問題は、①達成目標しかないこと、②目的がはっきりしないこと、③年内目標しかないこと 、④他人に依拠する目標を真ん中に据えていること、の4点だと思います。

 それらを改善し、新たな目標を立てるための改善点を考えてみました。

①-1 達成目標だけでなく、継続目標も定めてみる

 一つ目は、目標を達成(クリア)するものから、継続(慣らす)するものに変えることです。昨年の失敗として、中文映画鑑賞100本、ランニング30回、水泳30回という3つの達成目標を立てました。結果的にはどれも達成できたのですが、一年のバランスが悪くなってしまったのです。この三つとも、9月ごろにクリアしてしまったため、10-12月の3ヶ月の間、全くこれらを行わないという事態が発生しました。それどころか、映画を見たいなとか、ランニング行こうかな、という気持ちにストップをかけて、他にまだ達成していないものに時間を使うために、やめてしまうくらいでした。これでは本末転倒です。

 ランニングと水泳の本来の目的は、「仕事と創作のための体力づくり」であり、それを具体的な数字にしてみただけなのですが、30という数字をクリアした途端に、やる気がプツンと切れてしまったのです。映画も同じで、中国語の勉強と、幅広く文化・歴史を知ることが目的だったのですが、100という数字を「クリア」することが目的化してしまっていたのです。

 これを解消する策として考えたのが、目標設定にできるだけ「回数」を用いずに、「時間」を用いることです。例えば、ランニングについて言えば、年に30回を、「週に5km走る」というものに変えてみる。内容はあまり変わらないのですが、このように目標を立てることで、よりばらつきがなくなります。昨年の中国語の発音練習100回という目標も、「1日30分の発音練習」というものにしてみるなど、回数が目的にならないようにするのが、一つの解決策だと考えました。継続目標を書いてみると、2025年になっても、そのまま続けられそうな気がします。

①-2 「やめること」も目標にしてみる

 昨年の目標は、どれも達成することが目的化してしまっていた問題があったと述べましたが、他にも、「やめたくてもやめられないこと」が、生活している中で結構あります。例えば、youtubeの過剰な視聴とか、無意味な夜ふかしとか、過度な飲酒とか。それらを「やめるということ」も、一つの目標だと気づきました。成りたい自分に成るためには、禁煙や禁酒が目標になるように、禁youtubeや禁twitterも目標になり得そうです。

② 目標の目的を可視化する

 先ほども書いたように、昨年のランニング30回、水泳30回の目的は、「仕事と創作のための体力づくり」であり、達成すること自体は実はそこまで重要ではありませんでした。しかし、部屋に貼ったこの紙にはそれらが書かれていなかったため、次第に目的を忘れてしまい、回数をこなすことが目的化してしまいました。そこで、目標を書くときに、目的と方法を併記するようにします。

③ 年内目標だけでなく、期限のない目標も立ててみる

 昨年は、9個のビンゴの真ん中を「仕事場で正式な社員として採用されること」にしてしまいました。理由は、一番重要で、一番達成しがいのある目標だったからです。でも、それを「2023年以内に」達成する目標としてしてしまうと、達成できなかったとき(実際できなかった)にかなり落ち込むことになってしまいます。なぜ2023年の12月までに採用されなければいけないのか、という理由は殆どないのにも関わらず、です。勿論早いに越したことはないのですが、期限があるわけではないです。

 そこで、今回は、期限のない(あるいは、一年以上の)目標を立てることにします。「人生でやりたいこと100個のリスト」的な感じで、もう少し長いスパンで目標を考えてみます。

④ 他者に依拠する目標を減らす

 先ほどの、採用という目標は、個人の頑張りだけでどうにかなる問題ではなく、会社の経済状況、他者からの評価、運、なども大きく絡むものです。こういう不確かな要素を持ったものを目標にしてしまうと、達成できなかったときに反省する方法が見つかりにくいです。また、それら他者に依拠しているという事実を忘れて、「自分のせい」という感情が大きく働いてしまいます。これは精神衛生上あまり良くありません。なので、自分でどうにかなる範囲の目標を書くことを心がけます。今持っている仕事をできるだけ素早く質良く進めて、できる仕事を増やして、中国語能力を伸ばしていけば、自ずと先に道はあると思っています。

目標を立ててみたものの…

 以上のことに気をつけながら、今年(だけじゃないけど)の目標を立ててみました。

【やりたいことリスト】
◎大目的:楽しく自由な人生にする
 ◯小目的1:単純に楽しいと感じることをする
  ・海外旅行をする
  ・たくさん泳ぐ
  ・台湾の本屋を巡る
  ・ギターを沢山弾く
 ◯小目的2:今後の人生を豊かにするために
  ・台湾史を厚さ1m分学ぶ
  ・プリツカー賞受賞者47組の作品集を読む
  ・植物の名前を知る

【やるべきことリスト】
◎大目的:建築家として独立するための土台を作る
 ◯小目的1:仕事を頑張る
  ・できる仕事を増やす
  ・中国語の発音練習 30分/日
  ・週に5kmのランニング
  ・毎日の筋トレ
 ◯小目的2:創作を続ける
  ・noteを月2本ペースで書く
  ・本を読み続ける(100冊以上/年)
  ・ZINEを作る
  ・作品集を作る(web?、製本?、作品?)
 ◯小目的3:時間を創出する(やめることリスト)
  ・Youtubeは一日一本以内にする
  ・お酒を一人では飲まない
  ・SNSは投稿するために使う

 以上が、階層化して整理した目標リストです。やりたい/やるべき、という大きな区別と、それぞれの「大目的」、それを実現するための「小目的」と、それを達成するための「箇条書きリスト」です。一見整理されてまとまっているように見えるけれど、あまりしっくりきていません。しっくりこない理由として、人生目標を“やりたい/やるべき”という2項目だけにしてしまい、「理由はわからないけど好きなこと」とか、「よくわかっていないけど興味があること」を切り捨ててしまっていることが原因だと考えました。つまり、余白がないのです。

 もう一つ、例えば「単純に楽しいと感じることをする」の中の「たくさん泳ぐ」は、「小目的:仕事を頑張る」のための体力作りにも繋がるはずなのに、この書き方だと分断されて、繋がりがないように見えてしまいます。「やるべき」ことリスト内の「創作を続ける」ももちろん「やりたい」ことだし、建築家になるという目的抜きにしても「中国語の勉強」は成りたい大人になるためには重要に思えます。(今働いている設計事務所の公用語が中国語だから)

 このように、本来は混在していて曖昧でありうるものを、システマチックに切ってしまっている感じがして、どうもやっぱりしっくりきません。

また、上に書いた要素以外にも、入れたいものをあげることができます。
・映画の感想/記録を中文で書く
・中国語で本を読む
・スケッチを書く
・TOCFLテストC1達成
・早寝早起き
・人と積極的に会う
などなど…。これらは、大目的、小目的という括りを作ったせいではみ出してしまったはぐれものたちなのです。

人には人の目標設定

 以上を踏まえて、もっと柔軟に考えるべきだと思い直しました。人から与えられた方法や、どこかで見たやり方や、世の中で分かりやすいとされていることに、迎合する必要なんて全くないじゃないか、と。これはあくまで、自分のための目標設定なのです。

 そこで、紙のノートを前にうんうん唸りながら、色々なまとめ方を考えてみました。以下にその記録を掲載しておきます。知ってる人はすぐに気がつくかもしれませんが、曼荼羅(マンダラ)のような形が頻出しています。これは、僕が最近曼荼羅にハマっていることが一つの要因なのは間違いないのですが、先ほどの「一つの目標が二つの目的を有していること」「ものごとを二極化せずに幅を持って考えること」などを踏まえると、円形で表現することが理に適っているように思えたからです。でもどうしても、うまく纏まりません。

苦悩のスケッチ群

 曼荼羅型以外にも、マインドマップみたいな形で、ゆらゆらとした線で表現し、繋がりを強調する方法も考えてみました。それぞれの目標の関係がわかりやすく、目的も目に入りやすいため、本来の意味を思い出すことは、できそうに見えます。
 ただ、あまりにも格好悪いです。確かに書いている最中は、自分はこういうことがしたいのか!と全体としての自分の興味が見えてくるような快感がありましたが、書き上げてから冷静に見ると、完成品として優れたものとは言えません。毎日目に入れるものですし、もっと格好良くないとテンションが上がりません。テンションが上がらない=続かない、という可能性が大なので、目標リストとしての役割を果たせません。これが最後だと思っていたので、頑張って丁寧な字で書いたのですが、またもボツとなってしまいました。

マインドマップっぽいやり方

ついに完成、自分だけの「目標曼荼羅図」

 しかし、先ほどのマインドマップ型を書き出したことにも意味がありました。まとめようがないかのように思えていた沢山の項目を、自分の中で整理することができたのです。満を辞して作図ソフトを起動して、文字と図形をこねくりまわすこと5時間、ついに納得のいくものが完成しました。今まで書いたものを整理しただけなので細かな説明は省きますが、いろんな要素や軸が入っていて、さまざまな見方ができる図にしたつもりです。箇条書きにした時には分断されているように見えた項目たちが、図の中の位置関係や大きさから、重要度や繋がりが分かるようになったと思います。

2024年(に作成した)目標曼荼羅図

 目標を作ることが一つの目標になってしまう、目標パラドックスに陥りましたが、ひとまずこれにて完成としようと思います。今日から3年くらいは、この図を眺めながら自分に鞭を打っていきたいと思います。

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