天気予報では晴れなのに
昨日からの雨が　時々空から落ちてくる
窓の外に見える景色は
白い雲と白い海
ちょうどその境目だけが
淡い青のラインとなって
天と地を分けている

早咲きの桜はとうに散って
雨に濡れた葉桜だけが青々と光って
まだ冬の気配を纏った残りの木々たちは
褪色した姿のまま　もう少し先の春を待つ

ここからの景色は名残惜しい
空や雲が大好きな私にとって
ここでの暮らしはとびきりの特等席だ
東に海が見えるこの家から見た風景を
私はきっと忘れない

ただただ感傷的なのではなく
次に出会える景色を楽しみにしている
この景色が見たくなったらいつでも来ればいい
この家の窓から見える景色とは違っても
どこに行ったら同じように見えるのかを
もう私は知っているから

そんなふうに思いながら
この記事を書いている途中でも
刻々と空模様が変わって海の色も変わる
柔らかな薄水色の空が広がり始める
日が差して　鳥が鳴いて　船が進む

とても静かな土曜の午後