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囲碁HotWeek(2023年11月19日)

今週位から急激に冬の訪れを感じる肌寒い日が続いている中、今週の囲碁界について振りかえってみたい。

1.棋戦

1-1.名人戦

2023年の第48期名人戦は、芝野虎丸名人の4勝2敗という成績で井山裕太王座の挑戦を退けた事が記憶に新しい。既に名人戦では、来年2024年の第49期名人戦のリーグ争いが熾烈な戦いとなっている。

第49期名人戦のリーグ戦争いは、
1.富士田明彦七段 - 横塚 力七段  11月16日対局
 
富士田明彦七段が勝利して、脱落即復帰を達成した。

2.結城 聡九段 - 関 航太郎天元 11月16日対局
  御年51歳で昭和の囲碁界の歴史を支えてきた結城九段が10期ぶりの名人リーグ復帰をかけた対局は、中盤まで際どい半目勝負だったが、関天元の中盤から後半における収束能力(読みの精度、計算能力、手厚さ)の高さが発揮されて関天元が初の名人戦リーグ入りとなった。

3.張 栩九段 - 河野臨九段  11月20日(月)
 
若手の成長が著しい中、昭和の名棋士である張 栩九段 (43)と河野臨九段の2名が名人戦リーグ入りを掛けた大一番が展開される。張栩九段は脱落即復帰を目指しているし、河野九段は今年ご結婚されて嫁さんへの結婚祝いとして意地でもリーグ入りを果たしたい所でしょう。

4.志田 達哉八段 - 沼舘沙輝哉(ぬまだて さきや)七段  11月23日(月)
志田(32)八段といえば、中堅棋士の筆頭で寄せが強く序盤の布石で崩れる事が無く、終盤の強さに定評がある棋士です。この勝負に勝てば初の名人戦リーグ入りとなります。志田(32)八段は、志田八段と同級生であり勿論名人戦リーグ入りも初挑戦となる。

第49期名人戦リーグが既に凄い事になっています。

1.井山 裕太王座・碁聖
2.一力 遼棋聖・本因坊
3.余 正麒八段
4.山下 敬吾九段
5.許 家元九段
6.関 航太郎天元(新)
6.富士田 明彦七段(復)
6.張栩九段 or 河野臨九段
6.志田達哉八段 or  沼舘沙輝哉八段 

となり、芝野虎丸名人・十段を除いた全タイトルフォルダーが集合している恐ろしく厳しいリーグ戦となっています。来年も挑戦者争いが楽しみです。

1-2.王座戦

井山裕太王座に余 正麒八段が挑戦している第72期王座戦は、井山王座からみて1勝2敗の崖っぷちとなりました。
次回のLive配信は、11月30日(木)に放送されます。井山王座が意地をみせて最終局に繋げるのか?そして、余 正麒八段が勢いを維持して奪取するのか面白い対局です。

1-3.天元戦

関 航太郎天元に一力 遼棋聖・本因坊が挑戦している第49期天元戦は、1勝1敗の五分と熱戦です。11月22日(水)に開催される第3局が天王山の一局となります。 

1-4.女流本因坊戦

第42期女流本因坊戦において、藤沢里菜女流本因坊に対して姉妹でのタイトル保持が期待された上野梨紗二段との戦いは、3勝2敗の激闘の上に藤沢女流本因坊が防衛を果たした。上野梨紗二段は、今回の挑戦は敗れはしたものの内容で引けを取っていた訳ではないので、何れ女流タイトルに名を馳せるのは時間の問題でしょう。

1-5.三星火災杯
 
井山 裕太九段、許 家元九段、依田紀基九段、本木克弥八段が世界戦である三星火災杯に挑戦したが韓国の厚い壁に阻まれて1勝もできず。

2.今週のアマチュア大会

年末になると、大型大会は見受けられず地域に根付いた小口のイベントが多いですね。

1.虎丸カップ子ども囲碁大会 11月26日(日)

2.【有楽町】「お楽しみ囲碁大会」2023年12月17日(日)

参加費3000円の5級~七段までの恐らくクラス別のハンデ戦。
大会参加者には、勝敗によって商品がもらえるそうです。
今年、大きな大会やイベントに参加できなかった方は、年内の打ち納めに良いかも知れません。

3.その他

2023年11月18日(土) 世界ふしぎ発見(TBS)において、本能寺の変で討ち取られた信長公の首は何処にあるがテーマだったのですが、本因坊算砂(法名:日海)が信長公との囲碁付き合いから、関係していたのではという説を追っていました。非常に丁寧に作り込まれた番組で、井山裕太王座、西川貴教さんの共演が素晴らしかったです。

このツイートは、この番組の撮影過程だったのですね。女性の囲碁大使として有名な戸島花さんもおりますが、男性の囲碁大使として西川貴教さんに就任して欲しいですね。
この番組を見逃した方は、「TVer」のアプリから来週24日(土)まで視聴できますので、見逃した方は是非視聴してみて下さい。

色々と囲碁を取り扱うTVは、数十年の歴史の中で、自分が出演した高校囲碁選手権を含め、藤沢秀行棋士の人生を纏めた「クレイジージャーニー」、そして今回の「世界ふしぎ発見」も全て視聴させて貰いました。

TBSの制作者は本当に囲碁に対するリスペクトを感じます。七冠制覇時に井山先生が某ジャニー系グループの番組に参加した時は、制作側が井山先生にリスペクトが無くてモブ扱いしていたのには、ガッカリした事を覚えています。

制作者側に囲碁そして囲碁関係者へのリスペクトがあると、良質な映像に伝わってきますね。是非、TVerで確認して下さい。

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早いもので、囲碁界も年末です。
読者の皆様のお蔭で、囲碁関連のnoteを半年程度継続できました。
大きなタイトル戦も後少しですが、推し棋士を年内全力で応援しましょう。

iLEAGUEの構想・製造が体調不良のためストップしています。こちらは気長に考えて下さい。

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