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美少女戦士と夢を観た

「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal」の前編後編を観てきました。

※ネタバレ注意です

美少女戦士セーラームーンは自分のバイブルのひとつです。


 と、思っています。

 家に「全巻揃っている」漫画のひとつであり、何度も読み返している作品。
原作のコミックスと新装版が全巻、アニメを本にしたフィルムコミックスが一期分。バイブルという割に、我が家のセーラームーン作品はこれだけしかありません。

※特装版はいずれ揃えたいですね
※実家に当時のアニメのおもちゃやカードダス、ガチャポンフィギュアなども少しばかり。

 今となってはなぜこの作品に触れたのか記憶は定かじゃないです。きっと当時放送されていたテレビシリーズがきっかけだったのだろうけど、当のテレビシリーズの内容は最早覚えていません。ラストのスターズ編がどのように終わったのかよりも、その後のキューティーハニーの方が鮮明に記憶に残っています。
数年前に放送がはじまっていたCrystalも観ておりませんでした。実写版ももちろん未視聴です。
 原作のコミックスはなぜ集めだしたんでしょう。中古書店で探し回っていた記憶があります。新装版だけは少しずつお小遣いを貯めて揃えていました。

 好きだという割に、この作品に触れたきっかけが思い出せない。不思議です。

 今回この映画を観に行こうと思ったのは、テレビシリーズで自分がリアルタイムで見ていた最古の記憶の「SuperS」シリーズが再映像化ということで、思い入れのあるシリーズだったから、という理由です。
 カレイドムーンスコープ、クリスタルカリヨン、おそらくまだ実家にありますね。小さな頃これで良く遊んでいたのでしょう。
 そしてもう一つの理由として、当時の劇場版「ブラック・ドリーム・ホールの奇跡」を観に行った記憶があるからです。内容はこれまた朧げにも覚えていないのですが、実家にパンフレットがあったのでよく眺めていました。

「SuperS」シリーズである4期目「デッド・ムーン編」は原作のシリーズの中でも好きな話で、「サーカス」「ペガサス」のようなファンタジックな要素が散りばめられているので今でも惹かれます。
 3期目でセーラー戦士に覚醒→あっという間に物語が終わってしまった、「セーラーサターン」が今作でセーラー戦士としてたくさん活躍してくれていたのも個人的に嬉しい要素のひとつ。
 ですが原作では少々グロテスクなシーン(と個人的に思っている)もちらほらあったので小さい頃は見るのをためらう箇所も。色々な意味で印象に残っているシリーズなんです。

映画の感想です。

 せっかく久々にセーラームーンの映像化作品を観るのだから、内容を予習しようと思って、あらかじめ原作を読んでおきましたが、これが良かった。
 過去のアニメ作品はだいたいオリジナルストーリーを挟んで展開が変わっていますが、Crystal→Eternalはほぼ原作準拠だったんですね。
 3期目である「デス・バスターズ編」から自然に展開を引き継ぎ、主人公や4戦士のエピソードを余さず、もちろんちびうさとエリオスの「まさに夢のような物語」も色濃く描いてくれていました。

 前編の個人的な見どころは2箇所ありました。
 ひとつはやっぱりエリオスがはじめて人間の姿に戻ってちびうさと対面するシーン。あのキスシーンは大人になった今だからこそキュン……としてしまいますね。ちびうさの回想で何度もこのシーンが出てくるので、その度に甘酸っぱい思いをさせてきます。
 ちびうさのメンタル面も非常に繊細に描いてくれていました。苦悩、決意、成長(心も体も)、色んな表情のちびうさが見られて、自分もちびうさの感情につられて心揺さぶられていました。

 ちょっと話が逸れます。
 セーラームーンのアニメシリーズは、主人公うさぎ役の三石さん以外の声優さんの声の印象というのがほぼほぼなくてですね。確かキャストが主人公以外一新されているのでしたか。
 正直、三石さんのうさぎちゃんがどう周りに馴染んでいくのかちょっとドキドキしながら見ていたんですが(うさぎちゃんの声は非常に子供っぽい印象があるので)、高校生として、恋する女の子として、セーラー戦士たちのメインとして、プリンセスとして、ムスメに接する母として、すべての顔を違和感なく、周りの声優さんともイメージが違うことない「月野うさぎ」だったので非常に安心しました。
 ちびうさちゃんの声優さんも子どもらしさや愛らしさがキャラクターにとても合っていましたし、外部太陽系戦士の中でも比較的セリフが多かったはるかさんもイメージにぴったりの声で、Crystal3期が放送されていた当時、話題に上がっていたのも納得でした。

 前編の個人的な見どころふたつめは、アマゾネスカルテットの4人の活躍です。


 原作でも好きなキャラたちだったので、どう描かれているかとても楽しみにしていました。前編から後編にかけて満遍なく登場してくれて、ラストのシーンの驚きももちろん余すところなく。
 特にパラパラは原作でたくさんの術を披露してくれるのですが、どこまで収録されているのか……と思っていたところ、ほぼ全部収録。しかも喋る喋る。アマゾネスカルテット・パラパラ推しの自分としては非常に有り難かったです。

※声優さんを知ってなおのこと興奮しました。パラパラはアイドル。

 前編はヴィーナス覚醒のエピソードが終わったあたりで切り替わりかなーと思っていたのですがこれもドンピシャで、エンディングからのほたるちゃん独白のシーンの繋ぎ方はわくわく感を煽ってきましたね。
 外部太陽系戦士くるぞ……くるぞ!!!という。
 やっぱりあの4人は特別感があります。強い・綺麗・カッコいい・ミステリアス。Crystal3期が見たいです。

 と、ドキドキが止まらないままで終わった前編でしたが、間髪入れずに後編も見たため感情が跳ね上がったままラストまで突っ走りました。

 後編はもう全編見どころといっても過言ではないのですが、
外部太陽系戦士の覚醒である序盤〜合流してからの必殺技ラッシュ〜アマゾネスカルテット戦の(最早何分かも覚えていない)流れはずっと鳥肌立ちっぱなしでした。
 中盤からはジルコニアが立ち塞がり悪夢を見せて仲間が窮地に陥ってしまいます。このシーンが先述した「少々グロテスクなシーン」で、どう表現されるのか気になっていましたが、マイルドな感じにアレンジされていて「なるほどなあ」と思わず頷きました。
 確かに劇場には小さなお子さんもちらほらいましたし、原作の表現をそのまま映像化は非常にグロテスク。

※原作なら顔が溶けたり爛れたり、骸骨になったり。今作は吐血のシーンが多く出てきますが、一部を除いて霧のような飛沫の表現で表したりしていました。

 このジルコニア、スタッフロールで渡辺直美さんが声優やっていたと知って驚き。非常にお上手です。

 舞台をエリュシオンに移し、ネヘレニアとの決戦。プリンセス・セレニティとネヘレニアの因縁の回想シーン(クイーン・セレニティの落ち着いた声色が非常に心地良かった……)から物語は佳境へ、最終的に全戦士が新たな力を解放してエターナルセーラームーンの覚醒に繋がる……実に流れが王道。ストーリーを知ってはいれど、改めてとてもスッキリする展開だなと思います。
 セーラー戦士たちのドレス姿も全部カラーですよ。コミックスだと黒白ですからね。色鮮やかで、とても綺麗。
 ネヘレニア戦後の「まるで戴冠式」のシーンでずらりと並んだドレス戦士たちとプリンセス、プリンス、エリオスたちとネコちゃんズの並びは圧巻。あのシーンをタペストリーにして欲しいくらいです。
 ネヘレニアはラスボスにしては若く高い声だなと感じました。自らを「美しい」と言っているから若い感じで行きたかったのだろうか。もう少しドスがきいていても良かったのかと……菜々緒さんですし。

※クイーン・セレニティではなくプリンセスとの対比ならこんなものなのか。
※途中からネヘレニアが某チャンのルルナに見えてしょうがなかったのはここだけの話にしておきます

「デッド・ムーン編」のラストページに出てくるうさぎの独白ですが、映画のエンディングでも同じポーズで、空を仰ぐうさぎを映すシーンで見事に締められていました。

 スタッフロールの後半で流れた「“らしく”いきましょ」は、「ムーンライト伝説」以外に唯一覚えている主題歌でした。メロディーを聴いた途端、懐かしさで思わず涙腺が緩んでしまった……。

 そして「To be continued」の文字が。
 これは「シャドウ・ギャラクティカ編」を、そう遠くない未来に期待してもいいのでしょうね。

まだ夢がみれる

 半ば勢いで観にいった今作ですが、この作品に対する想いがぶわっと溢れ出した時間になりました。前後編が近かったこともあり、1日でどちらも続けて観れたのは非常にラッキーです。前編の興奮と想いが冷めやらぬまま後編に雪崩れ込むのも悪くないですね。

 小さい頃はセーラームーンになるのが夢でした。

※正確にはセーラーマーキュリーだったか、セーラーサターンだったか。

 そんな想いがあったからかどうかは分かりませんが、今でも色んな魔法少女ものの変身シーンを見ると、総じて心が躍ります。この気持ちは例え自分がもっともっと歳を取ったとしても、忘れたくないな、捨てたくないな、と感じます。
 逆に大人になった今だからこそわかる、登場人物たちの想いや決意があります。その大きさや使命の重さを理解できるようになったからこそ、いつまで経っても、自分より彼女たちが大人に見えるんですね。

 自分に夢を見せてくれた作品のひとつに、こうしてまた触れられる機会が与えられたことをとても嬉しく思います。
 そんな時間でした。セーラームーン大好き!

 おしまい。


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