松永天馬殺人事件から

(下手なタイトルをつけるのをやめました)
おかげさまで松永天馬殺人事件事件を乗り越え、3回も見ることができました。そこで感じたことなどを少しまとめようかと思いました。

初めてみたときはとにかく衝撃しかなかった。
自主映画を見たのは初めてで、本当に訳が分からなかったです。
でも初めて見た時から映画であるということを利用したストーリー展開で面白かった。
登場人物のセリフが全部松永天馬で本当にオナニー映画ですよね。
って自主映画ってそういうことか。
天馬とALiさんの掛け合いのところは私には長ったらしく飽きてしまった。
初めて見た時の感想はインスタに書いてるからこのくらいにして。

正直天馬さんの作る映画は苦手で、
何が苦手って場面の切り替えが急で伏線なんてくそくらえっていうスピード感で進んでいくところ。
私はもともと伏線を最後にきれいに回収するようなストーリーが好きで、
「桐島、部活やめるってよ」を見た時もラストに混乱して号泣したほどだ。
初めて松永天馬殺人事件を見た後は、相関図を書いて登場人物と関係性を整理しようとしてた。(結果できなかった)

だけど今回池袋シネマ イン ロサで二日連続で鑑賞できたことで少し考え方は変わった。映画館でみんなで同じ映画を見るって大事だ。
いつも映画を見るときはひとりで、しかもこんな田舎じゃ私が見たい映画ってメインカルチャーではなかったので共有する人がいなかったし、
私が見る映画はぽつぽつとしか人がいなかった。
だから映画を見ててもお客さんの感情の波を感じたことがなかった。
今回映画館でみんなに囲まれて見れたことで、この場面で笑っちゃう人がいるのかとか、ここが良かったよね、あそこの場面が好きとか言い合えるってすごいことだなと思った。

私は視界も知識も狭くて映画で伝えたいことの1%も感じ取れてないと思う。
その残り99%の少しずつをみんなが埋めてくれた。
「急にカラオケになるのやっぱり意味が分かんない」と言ったら
「あれは夢の世界なんだと思う」って言ってくれて
確かに枕投げられて寝てるわ!ってなったし、
映画についての解釈を聞いたりしてとても世界が広がった。
あと話してるうちにこういうことでは?って新しい自分の言葉が生まれるからおもしろい。※1
プラス今回はトークショーもあったからそこでも埋めてくれるわけですね。
私は本当に物事を知らないから、ポリコレって言葉も知らなくて解説を友人伝えで聞けたのが本当に良かった。伝えたいことが分からないままなんて悲しいよね。知識のない私が悲しい。
ある程度の知識がないと解釈って持ってこれないじゃないですか。その知識をこういう機会で教えてもらっている感じです。

そして今回ハッとさせられたのは「論理的なものだけではなく、映像や音にも文脈がある」ということ。※2
まさに私が苦手としていた部分だ。
私はすべての事象を論理的に考えたり、理由をつけたがる癖があることに気づかされた。
だから相関図なんか書いたりして互いの関係性に理由をつけて意味あることにしたがった。
初めて松永天馬殺人事件を見て半分キレてたのはこのせい。楽しめてなかった。(理解ができなかったという意味です)(詰問シーンも論点ずれてきてるのが気になって気になってイライラしてたw)
もともと映画は無声だから論理的なストーリーがあってこそ成り立っていたと考えられるので、それこそが映画だ!と思ってる人が松殺に批判的になるのも分かる。
もっとフラットに目の前の出来事を受け入れることができるようになればこの事件はおもしろいはずだ。
初めて連続で映画を見れたからこそフラットに見れるようになってきたのだと思う。
みんな「もう一回はじめての気持ちで松永天馬殺人事件を見たい」って言うけれど、私のはじめては意味わからなすぎて半分キレてたので今のほうがずっと映画が楽しいです。
分かってても理由をつけて生きていけない部分は大きく、今も天馬くんに会いたいので!と理由をつけて呼吸をしているわけですべてをフラットに見るのは無理。
だけど、論理だけじゃない流れがあるということに気づかせてくれた松永天馬殺人事件は私にとって本当に事件かもしれない。


犯人はわたしですか?




※1 最後「射精」と「写生」のダブルミーニングだと思うんですけどって言いたかっただけの注釈です

※2 この話を聞いてワンピース心中PVの裏話?を思い出した。
古賀学監督の「オセロ」を見た天馬がもう少し短くしてこういうの作れないか?となった時に、刀や銃などのアイコンを統一することでポーズが違っても一体感のあるようにしたという話

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