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「業務委託者」は、割り切って仕事をこなさなければならないのか?

副業解禁元年と呼ばれる2018年が過ぎ去り、「複業」「パラレルキャリア」といったワードを耳にすることも多くなった。

その時代の変化は、耳だけでなく肌でも感じるようになり、去年会社員だった私は、担当プロジェクトの業務を個人事業主の方に外注させていただく機会があり、今年にいたっては自分自身が個人事業主となった。

そんな「発注する側」と「される側」の両方を経験して抱いた感情がある。「業務委託者は、与えられた業務を割り切ってこなす以外に道はないのか?」という疑問だった。


ー 目次 ー

【1】業務を依頼して思う「もったいなさ」
【2】業務を委託されて感じる「もどかしさ」
【3】両者の壁を乗り越える活路


【1】 業務を依頼して思う「もったいなさ」

前職で業務を依頼させていただく立場だったときは、複数のプロジェクトでそれぞれ異なる方に業務を依頼していた。どの方も、こちらが求めていた以上の経験・スキルがある方で、概要をお伝えするだけで仕事がどんどん進んでいく。当時いろいろな案件が同時並行で動いていて手いっぱいだった私にとって、本当にありがたい存在だった。

そんなときに、彼らからこう言われた。「もっとできることはないですか?」

これはおそらく、物理的な仕事”量”を求めているのではなく、「もっとプロジェクトに深く入り込みたい」そんな意味合いが強かったように思う。

それもそのはずで、目の前の方々は今依頼している以上のキャパがあり、ただ報酬を得るために割り切って業務をこなしたいわけではなく、このプロジェクトに関わることで成長も得たいと考えている方々だったのだ。

「こんな良い方に、このお仕事だけをお願いしていてはもったいない」そんな想いが頭をかすめながらも、お互い捻出できる時間には限りがあり、一緒にすりあわせながら進めることは不可能、これ以上型にして切り出せる業務もない。

結局は、彼らの声に応えきれず、当初依頼していた業務のみを遂行いただき、契約は終了となってしまった。


【2】業務を委託されて感じる「もどかしさ」

そうして2月から私は個人事業主になり、今度は業務を委託される立場になった。どの企業様からお仕事をいただく時にも、決められた仕事があってそこに入るというよりは、会社側の状況を聞き、私の状況も話した上で、相談しながら進めていくことがほとんどだ。

なのでその時点で、いったん「ここまで」という業務範囲は決まる。だけどやればやるほど目の当たりにする。「目の前の人が困っているのは、こんなことだけじゃない」と。

たとえばプレスリリースの作成を依頼いただいて事業の話を聞くと、今抱えている課題はこのプレスリリースだけでは解決できなさそう、と気づく。同行したアポの行き返りの電車で、相手がポロっとこぼした一言から、「もっと別の問題がありそうだ」と感じる。

だから提案する。「一緒にこんなことしませんか?」「新しくこれ、やらせてもらえませんか?」。それで役割が増えるのは嬉しい。でも目の前の一社だけにすべての時間を費やせるわけではない。東京・富山の二拠点生活をしているので、物理的に離れてしまうことも多々ある。

どこかで線引きをしなきゃいけない。でも目の前の課題は喫緊で、誰かがやらなきゃいけない。「業務委託という関わり方では、もうこれが限界なのかも。ちゃんと割り切らなきゃ」そんなもどかしさを感じることが多かった。


【3】両者の壁を乗り越える活路

そんな私のもやもやに気づき、向き合ってくれた会社があった。株式会社オンリーストーリーだ。

ここで私は「OUR STORY」という去年うまれたばかりのサービスを担当させていただいている。時には売り方を考え、時には取材に行き、お客様の声からサービスの価値を見つめなおすこともある。

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そうして働く中で、こう聞かれる。「ぬっこさん(私の新しいあだ名笑)、これってできますか?」「これとこれだと、どっちがやりたいですか?」「ゆくゆくどうなりたいですか?そのためにここで何を得られたらいいですか?」

この言葉だけを見ると、なんだか詰められているようだが(笑)決してそんなテンションではない。それに、この質問の背景には、専門性の高さを謡いづらいキャリアである私自身が、自分にできることを言語化しきれていないことも理由の一つにあるので、むしろ聞かせてしまって申し訳ないと感じている。

だけどそれ以上に、この問いかけをありがたいと思えるのは、「一人ひとりのオンリーストーリーを実現する」という、会社のスタンスが根底にあることを知っているからだ。

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私が今どんな働き方をしたいのか?ゆくゆくどうなるためにどんな経験を積みたいのか?を一緒に考えてくれる。現に、行きたいときに富山に行かせてもらっているし、その時々の業務内容によって出勤日数や時間帯も調整させてもらっている。その器の大きさに助けられている。

もちろんまだ、もどかしさを感じる部分はあるし、感じさせてしまっている場面もあるだろうから、「なんの問題もなく順調です!」なんてことは言えない。けれど少なくとも、私が今まで感じてきた「業務委託としての壁」を、突破できる活路が見出せるのではないかと感じている。

きっと私は性格的に、「業務委託」という形態が向いていない。個人事業主を初めて3ヶ月目で、そう感じるようになってしまった。でもだからと言って、「あってませんでしたね。はい、終わり!」と諦めることもしたくない。

業務委託という立ち位置でどこまでやれるのか。自分なりの働き方を模索し、実験していこうと思う。


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