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刺激。素敵、博識。


「太陽光発電に賛成?反対?」

阿蘇から大分に向かう途中
太陽光パネル設置予定の土地を眺めていたところ
牛飼いの彼にふと聞かれた。

わたしは「もちろん賛成」と答えた。
だって
太陽光発電って再生可能エネルギーで、太陽の光を利用して電気を作り出すから環境にも優しいじゃない

学校の社会の授業で
「太陽光発電は自然エネルギーのひとつ」
そう教わって、太陽光発電のプラスの面しか知らなかったわたしは「反対」する人がいることすら知らなかった。

「太陽光発電に賛成か反対か」
質問してきた相手は反対派の1人であった。
なぜ反対派なのか
彼はわたしに考える時間を与えてくれた。

これまで考えたこともなかったけど、
わたしなりに考えてみて出した答えは

「景観が損なわれるから」

確かにそれもある。
否定はされなかった。でもそれが本当の答えではないと感じた。
「答えはみっちゃんに聞いてみて」
そういって教えてはくれなかった。

その後も考えてみたけれど
思い浮かばなかったから、みっちゃんに聞いてみた。

みっちゃんはとても自分の考えを持っていて、博識。
彼女はこう答えた。

「太陽光パネルにも寿命がある。いつ壊れるかわからないのに、壊れたらそれが廃棄物となる。
しかも太陽光パネルを設置した土地は、地力を失い、その地力を回復させるのに時間がかかる。

山を切り拓いてまで太陽光パネルを設置したとして、私たちが将来世代に残すのは太陽光パネルの残骸と地力の失われた土地。

だったら太陽光パネルを設置するんじゃなくて
その土地で放牧して地力を高めたほうが
将来使える土地を残すことができ、
よっぽど利益がある。」

衝撃だった。

「地球温暖化を防ぐ」そう言った意味で太陽光発電は
将来世代のためになると思っていた。

  • 太陽光パネルの寿命

  • 土地の地力

  • 将来世代にのこされるもの

わたしはこれらのことを全く考えていなかった。
浅はかだったと痛感した。


次の日
彼に答え合わせをすると
太陽光パネル設置予定の土地は
もともと彼が自然放牧をする土地として利用したいと考えていた土地だったらしい。

しかし権力にかなうはずもなく
泣く泣くその土地を諦めたのだそう。



いろんな価値観の人、自分とは違った視点を持つ人たちと、もっとたくさん話したい。
そして知見を広げて、いつか彼やみっちゃんと対等に議論できるようになりたい。


『みんなは太陽光発電に賛成?反対?』 


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