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『ある男』がオーディオブックに。著者・平野啓一郎×朗読・速水奨の対談公開

福山雅治さん主演で映画化された小説『マチネの終わりに』。その作者・平野啓一郎さんの最新長編小説『ある男』のオーディオブック版を、2019年10月からaudiobook.jpで配信開始いたしました!

オーディオブック版では、人気声優・野島裕史さんが主人公の城戸役、同じく人気声優の速水奨さんが全編の朗読を担当するなど、計14名のキャストが出演。その世界観をじっくりと味わえる音声ドラマに仕上がっています。

(サンプルが聴けるのでぜひ聴いてみてください。一気に!!引き込まれます……)

また作品中では著者・平野啓一郎さんも特別出演(どんな役なのかは聴いてみてのお楽しみ!)されています。本編の重要な場面に登場する平野さんの声の演技にもぜひ注目してみてください。

著者・平野啓一郎さん×声優・速水奨さんによるスペシャル対談

オーディオブック配信を記念して、著者・平野啓一郎さんと、朗読を担当した声優・速水奨さんのスペシャル対談動画を公開しています。

「本作で思い入れのあるシーン」「『小説』と『朗読』でお互いの表現から受けた刺激について」「日常で『ある男』になることはあるか?」など、オーディオブック化における感想や原作から発展したテーマに関して、小説家・声優それぞれの分野で活躍されているお二人にたっぷり語っていただきました。

audiobook.jpで特設ページを公開中です↓


今回、動画から対談の一部を抜粋してお届けします!
※完全版は、平野啓一郎さんのnote( https://note.mu/hiranok )にて公開しています。

ある男_対談写真_平野様05

”小説の朗読”にあった、特別な想い

速水奨 平野さんのチョイスされるワードを音声(声)にするとき、難しいことがあって。今まで考えてきたり、発してきたりした言葉の順列とちょっと違っているんですよね。あとはいわばワンセンテンスが長い。

平野啓一郎 やはり小説は基本的にほとんどの人が黙読するだろうというリズムで書いていますね。ただ速水さんが朗読されたのを拝聴しまして非常に落ち着いた立派な朗読で、自分が書いた文章じゃないというような感じがするくらい(笑)大変素晴らしい朗読で感銘を受けまして。

僕は森鴎外がすごく好きで、小説家になるときに彼の文章のリズムを何とか自分のものにしたいなと思い、新潮社さんが出していた朗読テープをずっと聞いていたんです。もちろん読むという方法もあるんですが、音から自分の中でリズムを作っていったので、作品の朗読というものに対して特別な思い入れもあります。

なので、自分の作品が朗読されるというのも楽しみでした。実際に拝聴していて…世の中いろんなことが起きていて忙しいし、本を読むときに心静かに落ち着いた気持ちで読むことが求められているんじゃないかなということをいつも思っていて。そういう僕の願いにぴったりの、広がりある雰囲気の朗読でとても感動しました。

速水 上手に読もうと若いころは思っていましたが、今は全く考えないんです。活字、言葉、文章の流れ…それをいかに邪魔しないで読むかということしかないです。美辞麗句という言葉があるように、演じるときにも少し増し増しなことがあるんです。でも、今は増そうという気持ちが全くないですね。

平野 だんだんそうなるんですかね。

速水 上手にならないといけないな、という気持ちもあるんだけど、上手になるというのはそもそも何だろうと思うんですよね。自分が目立つんじゃなくて、その言葉だったり色だったり風景だったり…そういうものを想起する言葉を発することができればそれがベターなんじゃないかなと。

平野 声優のお仕事の時には会話を発声されると思うんですが、小説だと会話じゃない部分のほうが圧倒的に多いですよね。朗読だとそうじゃないところも多いと思うんですが、違いはありますか?

朗読と小説の共通点はコンダクター(指揮者)的視点

速水 地の文って、朗読する人間がオーケストラを想定するんです。城戸だったら第一バイオリン、香織だったらビオラ…という配置がある。朗読する人間がある意味コンダクターなんですよね。地の文は最も饒舌に音楽を奏でるピアノなんだなと思っています。音色とかリズムとかを考えながら感じながらやってます。

平野 小説を書く時も近い発想で、登場人物を何人くらいでどういう配置でというのは楽器編成みたいに考えていますね。主旋律を主人公が歌っている、演じているイメージでそれに対して、もう少しバスをきかせたような人物がいたり、小見浦みたいな不協和音がいたり…物語の中でどういう風に配置していくかというのを考えているので今お話を聞いてびっくりしました。発想とかなり近くて。

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作り手たちのこだわりが細部にまで詰め込まれた『ある男』オーディオブック版。audiobook.jpでぜひその世界を堪能してください。



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