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完璧主義より最善主義を目指そう

突然ですが、あなたは自分が「完璧主義」だと思いますか?

たとえば、仕事を全部最初に決めたやり方でやろうとする。必要な資料は隅から隅までじっくり目を通す。やろうと思ったことは全部終えないと気が済まない。重たそうな仕事は、他の仕事を済ませて十分な時間を確保してから始めたいと考える。資料をまとめる時間が足りなくなってくるとひたすら焦るが、きちんとした形で提出したいので結局は時間でカバーする。

‥‥‥書いていてダメな感じが満載ですが、完璧主義傾向のあった私自身も以前はこんな感じで仕事していました。

正直これでは続かないし、考え方や仕事の進め方を変えた方がいいなと思っていた時に役立ったのが、オーディオブックで聴いた古川武士著『力の抜きどころ』という作品です。

ビジネスパーソンは「最善主義」を目指そう

完璧主義であること自体は、別に悪いことではないと思います。本書の中でも、スポーツや職人的な分野で自分のこだわりを追求する仕事なら、完璧主義は結果につながると書かれています。

しかし、たくさんの異なるプロジェクトを抱え、日々限られた時間の中でプロセスの最適化をしなくてはならない一般のビジネスパーソンには、むしろ過剰な完璧主義は悪影響を与えてしまうようです(p.22)。

ではどうすればよいか。本書では、「完璧主義」ではなく「最善主義」という考え方を紹介しています。

最善主義とは、「力の入れどころと抜きどころを見極めて、より無駄をなくし、限られた時間で最大の結果を出す」ことです。(p.6)

これこそ、ビジネスパーソンが仕事をしながら日々考えなくてはならないこと、そのものずばりを言い当てた言葉だなぁと思います。

最善主義だと、全体の質は落とさず時間を短縮して、メリハリのついた仕事ができます。そして、仕事をする中で「一つミスしたから全部だめだ」と必要以上にへこむことがなくなることも利点です。

本書では、33のポイントに分けて「完璧主義」と「最善主義」の人の考え方や行動の特徴を比較しながら、どのようなことが最善主義への第一歩になるかをわかりやすく紹介しています。

「習慣化コンサルタント」のアドバイスは的確!

著者の古川氏によれば、完璧主義は「性格」ではなく「習慣」なので、日々の仕事の中で行動をきちんと変えていけば、変えることが可能です。

でも、なかなかその「習慣を変える」ということが難しい。自分なりの「完璧」を目指してやっていたことについて「完璧」を手放そうとするのは、なんだか手を抜いてるような気がしてモヤモヤしてしまいそうです。

でも、そんなあなたでも本書なら大丈夫です!

本書の著者・古川武士氏は早起きやダイエットなど、様々な習慣を変えることのプロである「習慣化コンサルタント」。挫折して元通りになってしまわないようにしながら、ちゃんと習慣を変えていく方法が紹介されています。

詳しくは本書を聴いていただきたいのですが、たとえば「1週間続けて習慣化しようと思ったことが2日目でできなくても、最善主義の人は白黒で考えずグレーゾーンを持っているから、その時点で失敗したという挫折感を持たずに次の日から再チャレンジできる」という話が紹介されていますが、完璧主義を直したい方だけでなく、習慣化にいろいろと失敗している人には特におススメの考え方だと思います。(p.195~199)

意外とみんな完璧主義!?

ここまで読んでもあんまりぴんと来なかったけど完璧主義な気もするし、どうなんだろう‥‥‥?と思う方は、本書の冒頭にある「完璧主義診断チャート」を使えば、自分が完璧主義かどうか簡単に診断ができます。

完璧主義にもいろいろな傾向の違いがあって、自分はどういう傾向なのかを知ると改善への第一歩になります。ぜひ、最初だけは手元にノートやメモ(もしくはスマホのメモでもいいです)をもって、オーディオブックを聴いてみてくださいね。

この「完璧主義診断チャート」は、時間をあけて何度か試してみることをお勧めします。スコアが改善していくと、自分がだんだん「最善主義」に近づいていることがわかりますよ!

一度聞くだけでなく、ちゃんと上手にメリハリを付けられているか?という定期チェックのためにも使える、何度も聞きたいオーディオブックです。完璧主義と聴いて心当たりのある方は、ぜひ聴いてみて下さい!




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