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佐藤優氏に学ぶ、本物の知識が身につく読み方

読書週間だから…ということで毎週本のイベントに行っているイトウです。読書週間は今週末9日までとなりましたが、皆さんは読書の秋を楽しめていますか?

読書にまつわるオーディオブックの紹介も今回で3回目。

『遅読家のための読書術』で「読むのが遅い・頭に入らない」という悩みが解消され、『本を読む人だけが手にするもの』で「なぜ本を読むのか」も腑に落ちて、読みたい気持ちが高まってきたら、ひたすら実践あるのみ!とにかく自分の人生に役立つ本、読みたい本をたくさん読んで、日々の生活や仕事に本の力を活かしていきたいものです。

そこで今回は、忙しいビジネスパーソンの読書法の最終形ともいえる「本物の知識が身につく」読書法を学べる一冊をご紹介します。

熟読の技法と、熟読すべき本を選び出すための速読法

今回ご紹介するのは、佐藤優著『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』(東洋経済新報社)。

元外務省主任分析官であり、ロシアをはじめとする国際情勢の情報収集・分析を中心に、文筆活動を幅広く行われている佐藤氏の読書量は、なんと月平均300冊!本書は、佐藤氏の読書の技法を体系的にまとめた貴重な作品です。

「知の巨人」とも言われる佐藤氏は、最低でも1日4時間の読書時間を確保しているということですが、ビジネスパーソンがそのまま真似するのはおそらく難しいでしょう。それでも、膨大な量の情報をどのように処理し、自分の血肉に変えているのか、ということは非常に参考になります。

まず、なぜ月300冊も読めるのでしょうか?1日4時間読書にあてたとしても、ものすごい速さで読まないと間に合わないような気が……。

その秘密は読書速度の使い分けにあります。佐藤氏は、「熟読」「普通の速読」「超速読」の3つの速さを使い分けて読んでいるとのこと。月に熟読する本は300冊の中でも数冊程度で、それ以外の本は1冊30分で読む「普通の速読」か、1冊5分で読む「超速読」で処理しているのだそうです。

最初に「超速読」で全ての本の内容を確かめた上で、「普通の速読」か「熟読」で読むべき本を選り分けていく。もう読まなくていい、という本は超速読だけ、つまり1冊5分の読書だけで概要を把握して終わりにする、という方法です。

単に全ての本を猛烈な速さで読んで頭に入れているわけではなく、全ての本の内容を掴みつつ、読むべき本を選んで、本当に欲しい情報だけにじっくりと時間をかけて読むという読書スタイルならば、元の読書スピードがそこまで速くない人でも参考にできそうですね。

具体的な「熟読」「普通の速読」「超速読」の方法は、ぜひ本書を聞いてみていただきたいと思います。特に、日々仕事のための勉強を続けている、大量の資料を読み込む必要がある、これから新しい仕事を始めるために急いでキャッチアップしたい、という「深めたい」分野がある方は、参考になる部分がたくさん見つかると思います。

理解できないのは、基礎知識が足りないから

また、本書は「本物の知識」をつけるために「何を読むべきか」についても多くの示唆を与えてくれます。

実は、勉強するために読んでいる本が「読んでも頭に入らない」「身につかない」という場合、記憶力や集中力が足りないのではなく、「基本的な知識に欠損がある」というところに原因があるケースもあります。その本を読むために必要な基礎知識がない本を背伸びして読んでいるから頭に入らない、というわけです。

そして本書では、ビジネスパーソンが各分野の基礎知識をどうやって身につけていけば良いかを、具体的な書籍・教材名を紹介しながら解説しています。

特に重視されているのが高校レベルの教科書と学習参考書の活用です。

歴史なら、『詳説世界史 改訂版』(山川出版社)の世界史Bの教科書。また、近過去の歴史を知るなら『現代の日本史 改訂版』(山川出版社)。

この他にも政治、経済、国語、数学の基礎知識をどのようにして身につけるか、それがその後の知識の獲得にどのように役立つかを丁寧に解説しています。

忙しくて勉強する時間がないビジネスパーソンにとって、各分野の確かな教科書を教えてもらえるだけでも非常に貴重な1冊。本書で紹介されている教科書や学習参考書なら、「本物の知識」を獲得するための土台となる基礎知識を、効率よく身につけて行くことができるでしょう。


忙しい中でもたくさんの本に触れて、気になっている分野について他の人が真似できないような確かな知識を身につけたら、今度はそれを仕事や生活に活かして、成果を高めていく。そんな風に、本の力を上手に借りながらステップアップして行きたい方に、ぜひ一度は聴いていただきたい一冊です。


〜読書週間のおすすめ3冊おさらい〜

・もっと気軽に、もっと速く、たくさんの本に触れたい人に!
 印南敦史著『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』

・「本を読むと何がいいの?」と思った時に聴くと、読書意欲がアップ!
 藤原和博著『本を読む人だけが手にするもの』

・忙しくても大量の本を読み、本物の知識を身につけたい人に!
 佐藤優著『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』






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