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1時間で聴ける!濃厚な学びを得られる、おすすめ講演オーディオブック13選

最近、家事をしながらオーディオブックを聴いていて、スキマ時間の使い方を工夫したいなと考えているイトウです。

オーディオブックを使えるのは「耳のスキマ時間」ですが、その長さは様々。普段の生活習慣だけでなく、気分によっても長さが全然違ってきます。そのため最近では、場面によって聞きたい作品を選ぶのを楽しんでいます。

短いスキマ時間には講演オーディオブックがおすすめ

ときには、短いスキマ時間のみしかない場合があります。そんな時にちょうどいいものはないかな、と思っていろいろ聴いてみたのですが…ちょうどいい長さで、かつ聴いていて満足感があるなぁと最近気づいたのが、

1時間くらいの講演のオーディオブックでした。

講演を聴くメリット

・講演=専門知識を持つ講師が話している音源なので、会場にいる聴衆と同じように、耳からの情報だけで内容がすっと頭に入る

・初心者に向けてわかりやすく話しつつ、1つのテーマを導入から実践的なところまで深めていくものが多いので、短い時間とはいえ、密度が濃くてとても面白い

聴いているうちにあっという間に1時間経ってしまう、気になってもっと知りたくなる、という講演もたくさんありました。1週間にビジネス書1冊は難しいような忙しい方にも適していると思います。

今回は、これまで私が実際に聴いた中でもおすすめの講演オーディオブックをいくつかご紹介します!

とにかく面白い。聞き逃せない名講演

■わたしにとっての戯作
 講師:井上ひさし

小説家・劇作家として知られる井上ひさし氏が1970年代に行った講演音声。岩波書店による文化講演会での講演音源なのですが、大学に行かずに江戸の黄表紙(一種の絵本)を読みふけっていた学生時代の話が面白くて、聴衆が爆笑している場面もちらほら。自分の書いたものの話はせずに、井上ひさし氏がいろいろな江戸時代の黄表紙の話を楽しそうに語っているこの講演、実際に参加した方がとってもうらやましいです。


■シェイクスピア戯曲の台詞に見る人間の本質
 講師:河合祥一郎(東京大学大学院総合文化研究科教授)

シェイクスピア研究者として知られる河合祥一郎氏が、戯曲内の名台詞からシェイクスピアの人間観を紐解きます。いつの時代も変わらない人間の本質に迫る内容の面白さに加えて、まるで舞台の上で物語っているかのような朗々とした講師の声も聴きどころ。戯曲の文章を朗読される個所もあるので、ぜひじっくり聴いてみてください。


■ウニはすごい、バッタもすごい、人間もすごい
 講師:本川達雄(東京工業大学名誉教授)

ウニやヒトデ、ナマコ等をはじめとする棘皮動物を専門とする生物学者が、人間、昆虫、そしてナマコについて「すごいところ」を中心に紹介した講演音声です。どの生物もそれぞれの環境に適応した進化を遂げていることがわかる、聴くだけで勉強になる講演なのですが、実はもう一つ、「歌う生物学者」としても知られる本川氏の歌声も聴きどころ。audiobook.jpでも歌が入っているオーディオブックはなかなかありません。ぜひ聴いてみてください!


「え、そうなの?」と誰もが思う、生活に役立つ講演

■免疫力を高める生き方―病気は低体温から始まる!
 講師:安保徹(新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)

医師不足が深刻化している日本社会。自分の健康を自分で守るために必要な免疫の知識が身につく講演です。自律神経と体温の関係、自分の体をちょうどいい状態に保つための暮らし方など、自分のために今からできる健康習慣を考えるきっかけになる講演です。


■食品添加物から考える食の安全性と真の豊かさ
 講師:安部司(食品ジャーナリスト)

ベストセラー『食品の裏側』の著者として知られる講師は、以前は食品添加物の専門商社でトップセールスマンとして活躍していた専門家。食品メーカーが簡単便利、安くておいしい加工食品を作るためにどんなものを使用しているのか、その実態をありのままに紹介し、世のお母さんお父さんに「子供に何を食べさせるかを自分で考えよう」と提言する、衝撃的な講演です。毎日コンビニに行っているという方にも、一度ぜひ聴いていただきたい講演だと思います。


■「怒り」に振り回されない豊かな人生
 講師:安藤俊介(日本アンガーマネジメント協会代表)

アメリカでは多くの人が講習を受けて学んでいるという「アンガーマネジメント」。一体それは何なのか、そして普段の生活の中でどうしても怒りが湧き上がってきたときにどう対処すればいいのか等、「怒り」という感情の正体と付き合い方ががわかる講演です。


「へえー!」連発。身近なものの起源にせまる講演

■その日本の伝統、本当に古くから伝わるもの? 伝統リテラシーと伝統ビジネス
 講師:藤井青銅(作家兼脚本家・放送作家)

新刊『「日本の伝統」の正体』が注目される藤井青銅氏が、「古くから伝わる日本の伝統」とされているものについてその起源を紹介します。「バレンタインデー」がなぜ日本で流行っているのかはなんとなく知っている方が多いと思いますが、実は初詣や恵方巻も、日本全国に知られるようになったのは最近なのだとか。伝統とは何か、そして伝統を生かした「伝統ビジネス」の成功の秘訣とは何かがわかる講演です。


■知られざるアジア・アフリカの納豆を追う
 講師:高野秀行(ノンフィクション作家)

世界の様々なところを実際に訪れ、執筆をされている高野氏による世界の「納豆」の話。納豆は日本独特の食べ物ではありません。実は日本がワールドカップで戦ったあのアフリカの国の人たちも納豆を食べているって、知っていましたか?世界の様々な納豆文化を知ると、世界のいろんな国が「納豆」でつながる仲間のような気がしてきます。


■和菓子の七変化
 講師:青木直己(虎屋文庫 顧問)

和菓子の老舗である虎屋には、貴重な菓子資料の収集・保存・整理等を行っている「虎屋文庫」という資料室があります。この虎屋文庫で長年和菓子の研究をされてきた講師が、和菓子や羊羹の歴史、社会の中での和菓子の役割について考察してきたことを紹介する講演です。和菓子がお好きな方にはおすすめの講演。ぜひお茶を飲みながらお聴きください。


国際情勢・歴史・思想など、教養が身につく講演

■ふしぎなキリスト教 イエスとパウロの不思議な関係
 講師:橋爪大三郎(社会学者,東京工業大学名誉教授)

宗教に関する著作の多い講師による、初歩から学ぶキリスト教入門です。すでにある程度キリスト教のことは知っているという方も、イエス、パウロという二人の人物像にせまるこの講演ではきっと新たな発見があるはず。解説がとても分かりやすくて、もっと知りたい気持ちになる講演です。


■西洋とイスラームに共存の道はあるか
 講師:内藤正典(一橋大学大学院社会学研究科教授)

中東地域の研究者である講師が、イスラム圏に対して持っているイメージと実際の人々とのギャップ、イスラムの人々の行動の背景にある考え方などを紹介。さらに、EU各国が抱えるイスラム圏からの移民問題にも言及した講演です。この講演で提言されている通り、外国人労働者の受け入れを検討する段階に入ったいま、日本においてもどのような社会の変化が起きるのか予測するためにも、知っておくべき内容が詰まった講演だと思います。


■歴史をもとに日本民族を自覚しよう
 
講師:三浦朱門(作家・元文化庁長官)

作家としても知られ、文化庁長官として日本の教育の課題にも直面してきた三浦氏が、歴史というものが民族のアイデンティティにどのようにかかわっているかを紹介。諸外国との関係の中でなぜ「歴史」が問題になることが多いのか、その根本的な原理がわかる講演です。


■語学と文学の間
 講師:大野晋

岩波新書のベストセラー『日本語練習帳』の著者としても知られる国語学者の大野晋氏による貴重な講演音源も配信中です。
語学と文学という2つの学問のつながりという話から、大槻文彦、上田万年、本居宣長の研究分野とその人の人生について紹介したこの講演、一見固そうな内容に見えるのですが、大野晋氏による本居宣長論がとても面白いのです。文学、言語に興味がある人には特におすすめです。


約1000もの講演が聴ける人気公演シリーズ「暦日会」

今回ご紹介した講演の多くは、「暦日会」というシリーズで専門家の先生をお招きし、講演いただいた音声です。

「暦日会」ではこれまで約1000タイトルの講演を配信。現在も週1本のペースで新しい講演が配信されています。

今回取り上げたのはその中のほんの一部。これ以外にも経営者、NPO代表、科学者、コンサルタント、歴史学者、TVプロデューサー、哲学者、放送作家、文化人類学者、芸術家、宗教学者、ベストセラー作家、医師、僧侶、政治学者、書店員などなど、多彩な講師の方に登壇していただいた講演音声をお届けしていますので、ぜひ「暦日会」のサイトも見てみてくださいね!

なお、audiobook.jpでは出版社主催の貴重な講演音声を集めた講演シリーズも配信中です。1960年代に行われた、今ではもう聴くことができない講演も多数。こちらの中からも気になる講演をぜひ探してみてくださいね。

岩波書店 講演音声

文藝春秋 文化講演会


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