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ダンエレクトロとアート・リンゼイ

ラウンジ・リザーズというバンドを知っているだろうか。
ジム・ジャームッシュの映画ストレンジャー・ザン・パラダイスに出ていたジョン・ルーリーのバンドで、そこでギターを弾いていたのがアート・リンゼイである。12弦ギターに11弦を張り、チューニングをしないで演奏したという。

こちらがラウンジリザーズ。これは懐かしい、でも全然古臭くない。


1985年僕がまだ静岡に住んでいた時にファイブダラーという箱でアート・リンゼイを観た。ジョン・ゾーン、近藤等則、レック、山木秀夫と一緒にファイブハンドレッドスタチューズというバンドを組んでツアーをしたとネット上にある。その時はアート・リンゼイやジョン・ゾーンよりも近藤等則やフリクションのレック観たさに足を運んだのではないかと思う。ただ、ニューヨークからスゴイミュージシャンが静岡のライブハウスで見られるなんて、と興奮したはず。
ほとんど記憶はないが、それでもギタープレイはカッコ良かったのを微かに憶えている。とにかくノイズギターである。闇雲にギャンギャン鳴らし続ける訳ではない。どうしたらカッコいい音が鳴るのか、計算し尽くしている。偶然に任せていない気がする。いいところでギャビ、ジャキ、ギギギと鳴る。
その後、アンビシャスラバーズというバンドを組み、少しポップでファンキーでエレクトロな音に、そしてブラジル音楽に近づいていく。カエターノ・ベローゾのプロデュースをしたり坂本龍一とコラボしたり。まさに今日知ったのだが、ちょうど逝去のニュースが伝わったガル・コスタのプロデュースもしたそうだ。

こちら、もはやアート・リンゼイ出てないけれど坂本龍一があまりにもカッコいいもので。(ただこの曲はアート・リンゼイがプロデュースしたカエターノ・ベローゾのアルバムCIRCULADOの最後の曲)

ネットでインタビューを見つけて読んだのだが小山田圭吾とも知り合いだそうだ。どうやって知り合いになったかというと、アート・リンゼイが来日した時にちょうどコーネリアスのファンタズマが発売になった時で、渋谷のタワーレコードに大きなポスターが貼ってあり、そこで自分と同じダンエレクトロのギターを持っている小山田圭吾を見て誰だろうと興味が湧いて自分から連絡をとったとのこと。全く違う音楽をミックスして新しい音楽を作るところに共感を感じたのだそうだ。アート・リンゼイがまさにそうだ。古きも新しきも国もジャンルも超えて色々な音楽をミックスして聞いたことのない音楽を作ってきた。

Youtubeで検索するといまだにダンエレクトロのギターでアバンギャルドなギターを弾き続けている。よく見ると12弦だ。もっとよく見ると6コースが一本しか張られていない。11弦だ。同じギターをずっと使い続けているのだな。
僕もダンエレクトロのギター欲しくなった。

こちら師匠の店Tailors Guitarの在庫商品、Danelectro ‘64 or '65 カッコいい。近く師匠の店の商品もサイトで販売したいなと思う。

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