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北の達人コーポレーション 企業分析

企業と事業の概要

会社概要
 本社は札幌市中央区北1西1に位置し、昨季年商100億円の東証1部に上場する企業である。従業員188名(21年2月末)。設立は2000年5月、資本金約2.7億円のEC企業である。企業理念などは上述の通りです。

【戦略1】あえて「ブーム」を避ける

「継続的な安定成長を目指すために現在の健康食品、化粧品においては、あえて「ブームとは無縁のジャンル」の方向性」に絞って商品を開発。
従って、「コエンザイムQ10」「レスベラトロール」など一気に売上がでる商品ではなく「オリゴ糖」「ポリフェノール」といったブームと無縁のジャンルのベーシックな商品を開発し販売

【戦略2】売上の約7割が定期購入
(サブスクリプションコマース)

売上の約7割は「定期購入」。商品は大体1ヵ月くらいで消費、継続的に使用するタイプの商品が多く、利用者の多くは定期購入に加入。従って理論的には売上が下がることはない。ただし、解約率が売上に影響し全く同額の売上がでるわけではないが、定期購入会員が新加入するたびに、毎月の売上が伸びる仕組み。売上が毎月積み上げられれば安定成長できる。

上記の2つの戦略が「安定成長し続ける仕組み」、2011年3月は新規プロモーションが自粛傾向にあったにも関わらず、震災等の影響を受けず当時の最高月商記録だった。

収益率構造
 一般的な企業に比べて収益率が高い。「安い原料」、「サービスを疎か」ということでははなく、商品品質・原価は同業者に比べると高い。

 「顧客満足を最優先」、「必要は人に必要なだけ販売」を方針

 「より多くの人に売り、より多くの売上を上げる」という考えを捨て、他社と競争するため業務パワーやコストをかけ「必要以上に売らない」。その余力と余ったコストを顧客満足度向上に費やす。
 そのため、色々な広告媒体で広く告知せず、顧客分析に基づく正確なターゲットセグメントに対するインターネット広告をメイン。
顧客フォローできる範囲で少数の商品を販売
 これにより商品開発、商品生産ライン管理、受注や物流等のバックヤード負荷を軽減、余ったマンパワーを顧客満足向上にむける。その効果として、

 ・リピート率向上
 ・クチコミによる新規客増加

となった。「多くの人に売るのではなく、本当に必要な人だけに売る、買ってくださった方とは一生付き合うつもりで顧客満足を重視する」という方針で運営していると、北の達人HP「IR」にはある。

 また、配当性向などは下記リンクを参照してください。

https://www.kitanotatsujin.com/ir/dividend/#anc_02

業績の概要

 株価(月足)推移です。昨年初めにはカップを完成しハンドルをつくりかけたところで感染爆発となりトレンド変換。再度カップを形成しつつあります。直近の高値である794円が当面の目標となります。

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売上の推移です。*バフェットコードを参照

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昨季まで順調に売上を伸ばし最高益を毎年更新していたが、今期は昨季をしたわまる予想としている。ただ、利益率が20から25%と高めである。

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 剰余金やFCFなど健全な財務状況であり、自己資本比率は昨期は約80%であり、毎年しっかりと設備投資を実施し、今後の成長への投資をしている。

 直近の決算は21年2月期3Q累計(3-11月)の

 経常利益(非連結)はの15.8億円(前年同期比27.6%減)

 しかし、通期計画の20億円に対する進捗率は78.8%に達し、5年平均の70.7%も上回った。減益となった背景は広告投資により採算性悪化が原因である。ただし四半期ベースでは前年同期比では売上が伸びている。

その他

 広告宣伝費による新規獲得客など独自の指標をもって、売上などを管理する興味深い会社です。また、剰余金が積み上がり、その資金をもって買収をすすめるなど意欲的な戦略を持ってます、また、国内拠点や海外への進出などを進める計画を持っている。
 そのため社内体制を見直すなど、業務と組織が乖離しないよう、社長以下の指導力・経営力も見逃せない。特にEC事業に関する事項はまだまだ分析の余地があり、今後記事にさせて頂きます。決算補足資料のリンクだけ置いていきます。

https://www.kitanotatsujin.com/wp/wp-content/uploads/2021/01/rep_20210114a.pdf

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。