実は、日本人はまだ靴に慣れていません。え?毎日履いてるけど?

いえ、いえ、そういう意味ではなく、歴史が浅いのです。2019年10月の今、私は今51歳ですが、私の母世代が小学校に父兄参観(当時は保護者参観ではなく、確か父兄参観でした。時代ですね〜)

その頃は和服で草履を履いていました。もちろん普段着は洋服でしたが。正装は和風が主流でした。

そして何より靴の種類が少なかったと思います。足に良い健康的な靴の研究もほとんどされていなかったでしょう。

私が会社員だった頃、ヒールの高いパンプスを痛い思いをして履いていました。ほとんど拷問です。 ペタンコ靴で会社に行くという発想自体がありませんでした。ましてやスニーカーやウオーキングシューズなんて、あり得ませんでした。スーツを着てスニーカーは考えられませんでした。

ニューヨークではそれが流行っていると知って驚愕でしたが、自分が履く事は考えもしませんでした。

外反母趾といって、親指付け根が変形した友人もいました。

日本の女性にとって、痛いパンプスを履くのが当然だと思わされていたんですね。

ドイツでは幼稚園時代から靴教育が行われているそうです。

家の玄関には、靴を履く時用のスツールがあり、座って靴を履きます。

なぜかというと、足のカカトを靴の踵に合わせるために、とんとんとんとカカトを床に落とすためです。立ちながらカカトとんとんはできても、紐は結びにくいでしょう?

そうして足先が前に滑って、爪先を痛めたり変形させないようにする工夫が、生活に根付いています。

そうした生活習慣が、靴を長年履いて着た歴史を持つ欧米の靴教育の賜物なのでしょう。

でも欧米は家の中でも靴を履いていますよね。よく紐タイプのウオーキングシューズに、ファスナーが付いていて、開きやすくなっている靴がありますね。

あれは、家の中でも靴を履いていると窮屈なので、ファスナーで足が圧迫されないように開いて楽にさせるそうですよ、とドイツの靴について学んだ靴屋さんから聞いた事があります。

私達は、靴文化を持たなかった、その知識をどこからも教えてもらえていないけれど、とりあえず買って履いていた両親のもとで、とりあえず売っていた靴を与えられて育ちました。

ですから、当然、私達親世代も靴の事を知っているようで、実は全く知らないのです。

靴教育を受けた事なんて、無いですから。

でも、やっと日本人も靴教育を受けなければいけない、という意識が芽生えてきていると思うのです。

自分の足の特徴を知り、

歩行癖を知り、

自分の足に合った靴を選べ、

歩行癖を修正してもらえる時代になりました。嬉しいですね。

私達より後に生まれて育つ後世の方へ、1つでも役立てたなら嬉しいですね。