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フランスでコロナワクチン打った話

フランスでコロナワクチン打ったので記念に文章にして記録に残そうかなと思います。

フランスでは若者もとっくにワクチンが打てるようになっていたのですが、「めんどうくさい」「注射がこわい」という理由で僕は放置していました。先日、マクロン大統領が演説で「ワクチンを義務化はしない」と言いました。しかしその後に続けて「ワクチン未接種者はレストランに行ってはだめ、美術館や映画館に行ったらだめ、電車に乗ったらだめ」と続けました。それって実質的な義務化やん!とフランス人はみんなテレビの前でつっこんだと思います。

どうやらワクチン未接種者は人権がはく奪されそうな感じなので、僕も重い腰をあげてワクチンを打つことにしました。

ワクチン接種会場

僕はストラスブールというフランスの東のドイツとの国境に住んでいるので、他の都市のことはわかりませんが、ストラスブールではワクチンはインターネットのDoctolibというサイトで簡単にとることができます。いくつかの病院から選べますが、僕は一番大きいワクチン接種会場みたいなところを選びました。時間を選んで予約をとってあとはその日に会場に行くだけです。

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ワクチン会場は川の近くにあるこぎれいで大きな建物でした。人はそこまで多くありませんでした。入口にセキュリティのおじさんが二人いて、予約の確認と鞄の中身をチェックされました。

建物の中に入ると多分アルバイトと思われる若いスタッフに紙を渡されました。「表の質問に答えて、裏面は医者が記入するところだから何も書かないでください。書き終わったら看護師に渡してください」と言われました。紙の質問は「妊娠していますか?(いいえ)」「重大なアレルギーがありますか?(いいえ)」「コロナになったことがありますか(はい)」などでした。

看護師は3人か4人くらいいて、大柄な男性の看護師に書いた紙を渡しました。すると特に待たされることもなく医師の問診を受けてくださいと言われて、診察室に案内されました。

おじいちゃん先生の問診

診察室には優しそうな、ゆっくりしゃべるおじいちゃん先生がいました。「フランス語はわかりますか?」と英語で言われました。見た目がアジア人だとたまにこういうことがあります。「フランス語でいいですよ」と僕が答えるとおじいちゃん先生はゆっくりとした口調で「コロナになぅたことがあるんですか」と僕に聞きました。僕は去年の3月くらいに高熱が2週間くらい下がらなかったことがあったので、確証はないけれど多分コロナにかかったことがありますと伝えました。「検査はしてないんですか」「当時は軽症者は検査してもらえなかったんです」「ああ、そうでしたね」という会話を交わしました。

「ワクチン一回分か二回分か決めるので、抗体検査をします」とおじいちゃん先生は言いました。「抗体検査?」と思っていると、おじいちゃん先生は「指を出してください」と言いました。指を出すと、先生は小さなオレンジ色の直方体の箱を取り出しました。「えっ、それは痛いですか?」「これは針ですよ」「じゃあ痛いじゃないですか」という会話を交わしているとピッと箱を指に押し当てられました。「別に痛くないでしょう?」とおじいちゃん先生は言いました。「はい、痛くありませんでした」と僕は言いました。

僕の指からは血が出ました。おじいさんは小さなスポイトのようなもので僕の血をとって、それをプラスチックの検査キットの上にたらしました。10分ほど待ってくださいと言われたので、10分ほど待合室で呼ばれるのを待っていました。僕は注射が大嫌いなのでこれから打たれるワクチンのことを考えて、気分を落ち着けるために深呼吸していました。僕の横には浅黒い肌の女性が何かわからない言語でスマホで話していました。特に注射のことは怖がっていなさそうでした。フランス語が不得意な外国人もけっこういるらしく、看護師が英語で質問をしているのを何度か見ました。

10分ほどしておじいちゃん先生から呼ばれました。抗体検査の結果、僕はコロナの抗体を持っていないということでした。コロナにかかった(かもしれない)のは1年以上前のことなので、抗体があったかもしれないけど、もうなくなったのかもしれません。いずれにせよファイザーのワクチンを2回打つことになりました。

おじいちゃん先生が紙に記入した後、パソコンがいっぱいある部屋に通されました。係の若いアジア系の男性と目があったのでその人に紙を渡すと、PCに情報を入力しているようでした。かなり暇らしく、アジア系の男性の横の若い女性スタッフは本を読んでいました。その後すぐに通路を奥に進んでワクチンを接種するところに行ってくださいと言われました。

ワクチン打つ

いよいよワクチンを打つ時が来ました。無意味なことですが、こわいのでなるべくゆっくり歩きました。ワクチン接種部屋には小部屋がたくさんあり、背が高くて金髪の女性の看護師さんが僕にワクチンを打ってくれるようでした。

小部屋の中には小さい机と腰かけるための長椅子がありました。長椅子の上には飴がたくさん入っている容器がありました。「どちらの腕にしますか?」と聞かれたので「普通はどちらですか?右利きなんですが」と言うと「じゃあ左に打ちましょう」と言われました。看護師さんは注射を取り出しました。こわくなったので「痛いですか?」と聞くと「めちゃくちゃ痛くて腕がもげます。あとは自分で確かめてみてください」と言われました。「エーッ!」と言っているとプスッとやられて、「どうでしたか?」と言われました。「えっ、もう終わりですか?もっと長くて痛いかと思っていました」と僕は言いました。「よかったら飴をどうぞ」と言われたので、「parfum mystère (謎味)」と書かれているやつをひとつもらいました。

ワクチンを打った後は、別の待合室で15分ほど待たされました。この15分は重大な副反応がないか見るためのもののようです。15分経つと、ワクチンを打った証明書とワクチンの詳細情報が書いた紙を渡されました。これでワクチンを打つすべての工程が終わりました。後は二回目の打ちにくるだけです。

ワクチンを打ってから数時間しか経っていませんが、左腕に違和感というか、力が入らないような変な感覚があります。特に痛みはないんですけどね。あとは発熱などの副反応がないことを祈るばかりです。

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帰り道に撮った写真。赤十字の創設者の銅像らしい。

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