いい年のとり方をとると渋くなるという話を、夢か現実か忘れたけれど、どこかで聞いたことがある。

いい歳の取り方をしている人は、いい意味でシワが多いような気がする。

これまでたくさんの困難を乗り越えて、まるでこの世界を達観したかのような、あの感じ。

この僕が言うのはめちゃくちゃどうかとは思うのだが、おそらく順風満帆だけの人生だけでは、あのような雰囲気は醸し出せない。

そうした人をテレビで見たり実際に会ったりすると、なんだか圧倒的な雰囲気に威圧されてしまう。と、同時に、その人のことを知らないにも関わらず、勝手に尊敬の念が生まれてしまう。その人自身の魅力に、どんどん吸い込まれてしまう。

あの圧倒的感はいったいなんだろう。何が来ても「どうぞどうぞ」と言わんばかりの、あの泰然自若っぷり。

自分がこれからどういう人生を生きているのだろうか。どれだけ徳を積めるのだろうか。

そんなことを今考えてもどうしようもないのだけど、ただひとつ、わかっていることがある。

いいシワを増やしたいのであれば、ただ刹那的に生きるしかないということ。その積み重ねでしかないのだということ。

いくら止まってほしいと願っても、時間はまったく同じリズムで淡々と進む。

だからやりたくないことや退屈だと思う人生を生き続けるほど、人は暇ではない。

ありたい姿に向けて、楽しむ心を忘れずに。ときには落ち込んだりしながらも、人生と向き合っていきたいな。