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【書き起こし】国内初!一般向けEDR/CDR(事故データ抽出・解析)セミナー [オートアライアンス・チャンネル]

国内初となる、一般向けEDR/CDR(事故データ抽出・解析)セミナー。政府が自動運転車への装着義務化を検討しているEDR(イベントデーターレコーダー)のデータ読取装置のクラッシュデータ・リトリーバル(CDR)。そのCDRの国内の第一人者とも言われるCDRジャパン株式会社ブリッジ 代表 藤田隆之氏とCDRのアジアパシフィックの責任者をされているボッシュ株式会社 セクション・マネージャー 里 廉太郎 氏をお迎えし、今話題の先進運転支援システム搭載車に関するエーダスビジネス最前線について大いに語っていただきました。

スピーカー

・CDRジャパン 株式会社ブリッジ 代表取締役 藤田 隆之 様
・ボッシュ株式会社 オートモーティブ事業部 テクニカルサービス&サポート部 セクション・マネージャー 里 廉太郎 様

ナレーター それではCDR セミナーを始めていただきたいと思います。本日の講師を務めますのは CDR ジャパン株式会社ブリッジの藤田隆之氏です。

藤田隆之氏(以下、藤田氏)CDR ジャパン藤田と申します。今日短い時間ですけども皆さんと共に新しい技術、CDRを上手に伝えてまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。

ナレーター ボッシュ株式会社より、里廉太郎氏です。

里廉太郎氏(以下、里氏)東京のほうより、今回の講習に参りました。CDRジャパンさんからご依頼を受けましてボッシュの方から参りました。CDRのアジアパシフィックの責任者をしております里と申します。よろしくお願いいたします。

2018年にも法案化?EDRとは

藤田氏 それではですね、CDRとはどういうものかということで簡単にご説明をすると、飛行機が飛んでるときにフライトレコーダーというのをつけていると思うんですけれども、そのフライトレコーダーの自動車版みたいなイメージしていただければイメージが湧きやすいんじゃないかなと思います。

車が走ってるデータをエアバックモジュール(ACM)の中にデータを記録をしている。あるイベントが起きた時にそのデータを吸い出して、 後々解析できるようにする、という仕掛けでございます。

内容はちょっと難しいんですけども基本的にレポートに出てくるものは英語で出てくるいうことで、これから簡単に概要を説明をして行きたいと思います。それではまず映像を見ていただければと思います。よろしくお願いします。

藤田氏 はい、というわけで CDR ですね、今から簡単に国内の動きと米国の動きと含めて説明をして参りたいと思います。このCDR、実は米国生まれの仕組みでございまして、米国では実は17年前からこのデータを基に事故解析をしてるということになっています。

今アメリカでは市警さんと通常事故も含めて、ほぼ100%に近いぐらいの割合でCDRのデータを抽出して事故の解析をしているという実態です。日本はまだまだEDRを搭載してるメーカーが少ないというか・・・。

里氏 少なくはないんですが読み取りをしていないと。

藤田氏 ということが今の状況でございます。こちら参考資料として政府が打出してる大綱の位置づけと今後のスケジュールです。

実は2018年に法案を検討してます。将来的にEDRが米国のように法規化される日がやがてやってくると思います。ちなみに米国では2012年の9月から法規化されてますので、現在米国で発売されている車両につきましては、全てEDRが搭載されているということになります。

EDR、イベントデータレコーダーとは?

CDR/EDRの内容なんですけども、実はこの2018年1月26日、里さんがボッシュとして発表されてる内容なんですけども、順番に簡単に説明をしていきたいと思います。アジェンダとしては、EDR、CDRなどがあります。

まずEDRとは、イベントデータレコーダーというものになります。どういうものかと申しますと、事故が発生した時ポストクラッシュとありますが、ここを0として考えた時にマイナス5秒前からの車両のデータですね、ハンドルをどれくらい切ってとか、ブレーキを踏んでたのか、アクセルがどれぐらい踏んでいたのかとか、シートベルトをしてたのかとか、お手元の資料の中にクラッシュデータ・パラメータ例とあると思うんですけれども、このような内容がデータとして吸い上げられると。

これは車のタイプによってデータの吸出しのパラメータが違いますので、最近の車両はすごくパラメータが増えていると。詳細なデータが取れるということになります。事故ですねマイナス5秒前から記録をして、前後衝突ですね、250ミリ秒(0.25秒)まで記録をしています。

里氏  一例ですね。長く取ってる場合もありますし、大体250ミリ秒です。

藤田氏 側突ですね、横転、その記録も常にとっています。プリクラッシュデータ、ポストクラッシュデータとありますが、プリクラッシュデータとは事故発生時までの状態を記録するものであると。 一方、ポストクラッシュデータというのは事故発生時からエアバッグの展開・終了までの状態を記録をするというものになっております。

CDRの90日ルールとは

EDRとはということで、実はですね米国で法規化されている49 CFR Part 563という法規がこのように示しているものなんですけども、EDRで記録を取る場合に、ここに書いてあることは絶対に守ってくださいよ、というそういうレギュレーションがここに示されています。

上から定義ですね。スコープ、目的、範囲、データの読み出しツールということで項目がありますけども、アメリカの場合、自動車メーカーが車を販売したと同時にですね、このCDR、ツールですね、90日以内に一般に市販で買えないといけないとルールがありまして、新車が発売された90日後には確実にCDRのデータが抜き出せる機械が手に入るようにしてるということになってます。

日本もやがてEDRの搭載が義務付けされて作業として行われるようになれば、この90日ルールというものが主流になってくると思っております。

クラッシュデータ・リトリーバル、内容なんですけども、ここに今展示をしてございますACM。こちらがエアバックコントロールモジュールです、エアバックコンピュータといいますね。この中に16進のデータで記録される。データは車両を動かすために使ってるモジュールとセンサーを使いまして、キャンのデータをこの中に書き込んでいると。イベントがあった時にそのマイナス5秒前からのデータをキャプチャーする、抜き出してくるというような仕掛けになっております。

エアバックモジュールがありまして、各専用のケーブルを全部入れると100本近くはあると思います。色んなメーカーの設定がございますので、ケーブルですね、それとモジュールがあって、パソコンを接続してデータのレポートするという仕掛けになっております。

これも今直接エアバックモジュールからデータを吸い出しているんですけども、通常であれば皆さんが診断機を繋ぐ16ピンのポートですね、こちらからもデータが抽出できるようになっています。ただし事故なんかで、車に損傷があった場合、電源が確保できないとか、 回線が切断されてるという場合においては、キャンの通信網が遮断されていますので、データが取れない場合もある。電源がなければデータが取れない場合もございますので、その場合は直接ACMでデータを抜き出すような仕掛けを持っています。

そしてこれちょっと分かりにくいんですけど、時系列ですね、どういう状態でデータにデータを取ってるのかいうことになるんですけども、(立ち上がって説明)

マイナス5秒4、3、2、1というイメージですけども、このポイントでイベント記録トリガーが開きます。モニター後、エアバックを展開させようかどうしようかと言う時系列になっているんですけども、全部英語で書いてあるのでちょっと分かりづらいと思うけど、皆さんが診断機で色んな故障コード・データを取られる時に実測値のモードがあると思いますが、フリーズフレームデータというものがあります。

最後のサンプル点のところで、実はフリーズフレームデータというものを一回取っています。取った情報を最後のサンプル点で取って、それからホストクラッシュ移っていくんですけど、イベントが終了した後にですね、全てその情報を書き込んでいますので、事故の前の状態、故障があったのかなかったのか、隣に助手席に人が乗ってたのか乗ってなかったのか、シートベルトをしてたのか、とかいう情報も全て後から確認することができるということになっています。下のグラフはクラッシュした時の加速度変化、これをグラフとして表してるということになります。

99.3%のメーカーが米国ではEDR搭載車両を販売

このクラッシュデータサンプルですね、色々パラメータがあるんですけれども、世代によって取れる間隔だとか取れる項目が変化をしております。これからはどんどん新しい機能が車に備わってきますので、クラッシュデータのデータのパラメータがどんどん増えていくということを聞いております。

そしてアメリカのUS市場のEDR搭載メーカーなんですけど、2018年1月現在の情報によると2017年度新車販売台数における99.3%のメーカーが米国ではEDR搭載車両を販売をしているということになりました。ほとんどついてます。

そのうちCDRツールの法規ですね、49 Part 563という米国のニッツァというところが法規をしているレギュレーションがあるんですけれども、そこで対応しているメーカーは何と86.9%になります。右側を見ていただければ分かると思うんですけど、GM、フォード、下がっていただいてトヨタ、ホンダ、日産、マツダ、メルセデス・・・、あれ?ほとんど日本で入っている車ですね。

実は自動車メーカー、EDR搭載している準備をしておりますが、日本ではまだ法規化をされてないので、日本で現在吸い出せる車というのはトヨタ車、レクサスを含めてですね、フォード、クライスラー、フィアット、アウディ、ボルボ。17メーカーの51ブランドということになっております。

里氏  アメリカで17メーカー51ブランドで、今藤田さんが言われた6メーカーというのが日本で今現在読める車両メーカーになります。

藤田氏 そしてですね、海外での動きはどうなのか、というところになってるんですけども、CDRの対応状況は米国では2012年の9月から法規化をされておりますので、常に販売する車についてはEDRが搭載されているということになります。そしてお隣の韓国も実は法規化がされております。

トレーニングの内容がここに書いてあります。実はこのCDRのモジュールなんですけれども、元々99年ですね、GMのべトロニクス社ということろが作っておりました技術なんですが、2003年にボッシュがそのべトロニクスを買収しまして、それからEDRの活用が始まってきたんですけども、このモジュールがなかなかわかりづらい内容になってまして、トレーニングと一緒に米国でも販売を開始して、現在もそういう形をとってます。

日本でもこのモジュールだけの販売じゃなく、トレーニングもセットで販売をしているということになっております。

日本におけるCDRの今後について

日本での今後の活動なんですけども、一応CDRアナリスト認定トレーニングというのを設けておりまして、これは東京の渋谷ボッシュ本社で2ヶ月に1回アナリストトレーニングをやっています。車両の基礎知識を学ぶためのトレーニングも2ヶ月に一回開催をしておりまして、多くの方に受講をしていただいています。

トレーニングの制度ですね、実は米国と全く同じトレーニング資料を使っておりまして、米国と同じトレーニング内容で日本もトレーニングをしてます。

里氏 ベースはアメリカの物を使ってるのですが、日本の法規というのは若干違ってたりとかですね、慣習というのが違いますので、ベースはそうなんですが実はトレーニングの監修というのを自動車メーカーさんと法執行機関さんとしていただいて、一応ボッシュの認定なんですが、ステークホルダー(利害関係者)、業界で標準として使えるような形でトレーニングの内容の監修を行って日本でトレーニングを実施しております。

藤田氏 というとこですねトレーニングなんですけども、基礎トレーニングが4日間ありまして1日8時間みっちりあります。その後にCDRトレーニングを設けておりまして、これが8時間5日ですね、合計9日間トレーニングをして、CDRアナリストの試験を受けて立もらうという見立てで動いております。

今後の自動車の方向性、自動運転とは?

それから今後の自動車の方向性についてよく自動運転という言葉が出てくると思うんですけども、ここの部分についてはアジアパシフィックのCDRの責任者の里 廉太郎より詳しく説明をいたしますので、里さん宜しくお願い致します 。

里氏 今藤田さんから説明頂いてるこの資料というのは、実は国交省の先ほどの自動運転に関わる保険の求償ということで、今後の保険のシステムをどうしたらいいんだっていうのは実は大きな問題になっております。

その中で実はどういう形で責任を明確にしていくかという過程の中で、アメリカで17年運用実績のあるEDRの読み出しツールとして、ほとんどの市場の占有率の高いCDRというボッシュのクラッシュデータ・リトリーバルというツールの話をちょっと研究会でしてもらいたいということで、資料をボッシュの方で用意して発表させていただきました資料になります。

ここからお話しする部分というのはちょうど藤田さんが始めに大綱を簡単に説明いただいたと思いますが、その辺りの話になります。

こちらの方の整備制度大綱ということで、ちょうど今年の3月末ぐらいに実はその研究会の発表が行われまして、その中にEDRという文言が入っております。

具体的に言いますとEDRで自動運転車両のEDR等の記録装置の搭載とそれを活用する環境整備というふうになっております。そういった形で話が進んでいます。

じゃあなんで2020年の自動運転に関わってこのEDRの技術を使った事故解析の技術が必要かと簡単に説明させて頂きたいんですが、これはアクティブセーフティシステムの普及が一番大きな問題になります。簡単に言うとADAS(エーダス)であったり、今エーミングだったりとかって市場を騒がせていると思うのですが、実はそれよりその前の話として皆さんご存知だと思うんですが車というのはもうワイヤーでは繋がっておりません。

アクセルペダルっていうのは後ろにセンサーがいて、スロットルバルブまではワイヤーは繋がってなくて、飛行機で言うバイワイヤと言われるコンピューターでデータを取ってそれをアクチュエーターであるスロットルとかを動かすっていうことで、物が繋がってないというのがほとんどの今の車です。

ですので、その辺がもし壊れてた場合はドライバーさんが正しく運転していたのか、車が誤作動したのかっていうのが実は今はわからないっていうのが現状です。だからブラックボックス化とかという形で言われたりします。

そういった場合、藤田さんが言われたように、飛行機の例で挙げますと、フライトレコーダーですね。それがないと何もわからないよという状況になっていまして。

実は車も全く同じで何が起こったか、誰が責任があるのかいうのは、そういったデータが無いと分からないという状況です。

自動運転でもそうなんですが、今の現在の車、特に衝突軽減ブレーキとかですね。ブレーキオーバーライドシステムとか、いろんなシステムとか高機能とか言われてるものっていうのは、ほとんどがコンピューターでシステム介入しているものが多いと。

強制的にブレーキかけたりとか、強制的にアクセル絞ったりすると、いうところですごく重要になると言われています。

いろいろ法規が、まだ最終決定されてないんですが、アメリカ・ヨーロッパ・日本いろんな国でいろんな検討がされてまして、一例としてここに乗せてある DMV2において提案されてるとかSAEでは、というような内容を発表させていただきました。

あくまでも参考でDMV って何なのだといいますと、カリフォルニアの州の規則というものになります。

アクティブセーフティーというのは一応ですね定義というのが大切ですので、定義をちょっと辞書から持ってまいりました。事故を未然に回避するためのブレーキ・操縦性・安定性などの運動性能や良好な視界、近い視認性を確保する高度な機能となります。予防安全とも言われますよ、ということです。

EDRの「読み出しの法規化」について

皆様ご存知な方も多いと思うんですが、SAEという技術基準を作る団体がございます。そちらの方で実はタスクフォースというのがありまして、EDRのレギュレーションを決めていたり、今後自動運転に関わる技術案件のレギュレーションを決めたりする団体があります。

アメリカ中心に加盟してまして、そちらの方からの発表資料によりますと今、自動運転に関してやはりEDRデータをキャプチャする必要があると。EDRだけでは足りない場合もあるのでデータロガー等も積んで見るのがいいだろうと言われております。

という形で実は今後の車の技術においてEDRというものを、事故の調査に活用できるようにすべきであるということがアメリカはもちろん、ヨーロッパそして中国・韓国等の自動車製造国の方で結構活発な議論されていまして、実際それに向けた法規化が今進んでおります。

ボッシュの予測ですとヨーロッパは3年以内ぐらいのスパンでヨーロッパ自体がEDRの「読み出しの法規化」ですね。ツールでの市場での読み出しの法規化。

そして中国も3年から5年以内ぐらいに読み出しの法規化。そして韓国は藤田さんが言われたように実は法規化されておりまして、そこに対して今日本が2020年に向けて法規化に向かっていると考えております。

というところで、また藤田さんにバトンタッチして、実際どんな感じかと話していただきます。

この2、3年で大変革が訪れる?

藤田氏 ありがとうございました。自動運転ですね…。我々が小学校の時に本当に車が自動運転で走るのかな、と思ってたんですけど、20年30年経つと本当にその技術が確立されて、近い将来そういう車が普通に走る日がいよいよやってきたかなと、私個人的な感想として思っております。

その中で車の技術がすごく進歩していって、何が一番追いついてないのかということを冷静になって考えて見ますと、 私もこの25年間ずっと自動車業界一本で取り組んできたわけでございますが、なんせこの進化の早さにくらい付いて行っているにも関わらず、まだまだその先があるというような流れで。

勉強しても勉強しても全然追いつかないという状況ではあるんですけれども、これからここ100年で自動車業界は大変革しますよ、と言われてますけれど、実際は多分この2、3年で実務も含めて大きな変化がやってくると思います。ADAS(エーダス)の件もあります、エーミングもあります、キャリブレーションもあります、このCDR/EDRもあります。

じゃあどこに向かって我々は行ったらいいのかということをよく質問されるんですけれども、私はいつも言います。今の車は本当に進化をしていきますので、まず幅広い知識を学んでいきましょうと。

元々車アナログで動いてますから、アナログ仕掛けのものを簡素化していって、デジタルの仕掛けに変わってきているものが大いにございます。部品点数を減らすですとか、コストを落とすとかという目的で電子化されてきたわけではございますが、あまりにも高度になりすぎたために、なかなか現場のメカニックが追いつかない、追いつけないと。というのが現在の状況ではないかと私は思います。

じゃあ、それをするのにどういう方法で今からやっていくのがベストなのかということについては賛否ありますけども、メーカーさんを通じてトレーニングできるものもありますし、今色んなチャンネルで色んなセミナーが開催されておりますが、そういうのに率先して参加をしていただいて、知識を増やしていただくと。

それと実はCDRのデータレポートというのは全部英語で出てきます。どんな形で出るのかをちょっと見ていただきますが…。こんな形のレポートが出てくるということで、ご覧いただければわかりますが、全部英語です。

昔に比べて英語も大変強い味方がございまして、皆さんよくご活用のGoogle先生です。Google翻訳は非常にネイティブな翻訳をしてくれます。今から自動車整備をやるにあたって英語というものは必ず必須になってくると思います。特にこのCDRについては英語の理解力も必要になってくるということで、これを機会に皆さんも英語を学んで自動車の整備とか解析をしていただければなと、私は思います。

先ほどのレポートをもう少し説明いたしますね。各自動車メーカーさんがいろんなそのレポートに対してワードを持ってますので、そのワードを自動車メーカーごとに理解をしていく必要があるんですね。このデータは元々16進のデータですので、16進のデータだけ見てもわからないと。では、16進のデータとはどういうものかというのをちょっとお見せします。

これはレポートが多いんで色んな言葉出てくるんですけども…。実はですね、エアバッグECUの中にこのようなデータが書き込まれているんですけども、これがEDRデータです、EDRの中に書き込まれているデータです。これ暗号みたいなので見ても誰もわかんないですよね。

そこでCDR X ファイルというレポート形式をもったものでソフトウェアの呼び出しをすると、それを言語に変えていきます。このようにグラフ化されたものが出てきたり。 これは横軸ですね。このエアバッグECUのセンサーの生値を出しているということになります。

これはローリングのデータ、横転とか。そのセンサー値、横軸が時間、を表わしています。このようなデータが出てきます。

CDRジャパンについて

そして先程ご紹介をさせていただきましたが、CDRジャパンですね。何をする会社なのかと言いますと、このボッシュのモジュールの販売、モジュールの単体販売は行っておりません。トレーニングとセットで販売されております。4日間のトレーニング、5日間のトレーニングとあるんですけども、そのトレーニングをやっています。

事業内容はトレーニングの委託ですね、アナリストトレーニング。そして、アナリストの資格管理の事務局を兼ねてやっています。製品のサポートのホットラインです。お客様からの一次対応を弊社で行って、二次対応をボッシュさんの方に繋いでいくという流れになっています。

里氏 基本的に、CDRのアナリストになられた方はまず自分自身の知識とノウハウを持って、事故の解析のレポートを作成することになるのですが、どうしてもわからないだとか、助言が欲しい場合の窓口としてCDRジャパンさんがあって、メンターという形でサポートしていただくんですが、ただすべての答えを聞けば分かるというものではなくて、弁護士の先生のようにお医者さんのように、自分たちで知識を持った上で独自に判断をしてくというものです。その中でエビデンスでちょっと分からないところがあったら相談をするという形です。

藤田氏 それと販売ですね。CDRの関連機器・周辺機器の販売を行っております。先ほど里さんからご説明いただきましたが、コンサル事業、勉強会開催したりとか、レビューしたりとか、解析のレポートのお手伝いをしたりとかを行っております。

CDRアナリストトレーニングとは

これが渋谷で行っておりますトレーニングになります。これをCDRアナリスト・トレーニングと言いいまして、五日間コースですね。私、お隣の里、池田・・・日本にトレーナー数名しかおりませんので、このCDRご購入頂いて、トレーニングの際はこの3人の誰かがやってるということになります。

これは実際の車ですね。プリウスを例にしてこれを行っております。そして五日間トレーニング受けていただいて最終日に試験をやります。確認の試験をやるんですけれども、これも100点満点中70点以上が合格ということで行っておりまして、かなり難易度は高いです。

先ほど言った英語のレポートも出てきますので、Google先生を活用していきながら、試験をやっていただくと。最終問題は英語では出ませんので、理解をしていただければ70点くらいは取れるのかな、という内容でやっております。

実はこのアナリスト、去年の11月からアナリスト制度を設けておりまして、渋谷で開催を始めたんですけれども、現段階で、先月末までで約50名日本にアナリスト、CDRの専門家が生まれています。今6月ですので、12月までには今の流れでいくと100名程度出来るんじゃないのかなという風に考えております。

このアナリスト、実は、科警研さん、警視庁さん、保険会社あいおいさんをはじめ、大手4社さんのアジャスター2級以上をお持ちの精鋭部隊が送られて取得されてると。

里氏 あとは自動車メーカー、研究機関の方々も。衝突実験をしてそういった研究されてる機関さんとあとは事故データの調査とデータの活用という団体さんがおられる・・・ちょっと名前は言えないんですけど。そのあたりの方々も複数名単位でトレーニングを受けられています。

藤田氏 先日も西地区で初めて大阪府警さんも来られまして、警察官の方がアナリストという形で進めさせていただいていると。それが今年の上半期で、12月までにまた警察の方も今後増えていくんじゃないかなという風に聞いております。

将来的には損保会社さんも、このEDRですね、データを活用した流れというものにおそらく変化をしてくると思います。

具体的にどうなるのかというのはここでは申し上げにくいんですけども、このCDRのモジュールをお持ちの工場という所においては、事故データの抽出依頼の仕事が舞い込んでくる可能性が非常に高いということになります。

今、保険会社のアジャスターさんもたくさんアナリスト取られてるんですけども、やっぱり数には限りがあります。その数で全国を網羅していくというのは非常に難しいという現状が将来的に発生するということを言われてましたので、後々そういう仕事も一般の整備工場さん、車検・点検やってるところですね。あと鈑金工場さんですね。そういう方のところに仕事が発生する可能性があります。

また、このCDRの仕事というのは男性だけに限らず、理系の女性を新しい雇用形態として募集することも可能であります。で、現実に今、CDRアナリストで女性の方2名ほど受かっています。1名は警視庁の方なんですけども、もう1名は民間の方で女性なんですけども、試験をパスしてやられている方もいらっしゃいます。

そんな関係で男性陣だけじゃなく女性陣にでも十分可能性のあるデータ解析と言う仕事になっておりますので、また新たな雇用形態が出来るんじゃないかと考えております。

エーダスのことも含めて更生業務というのは色んな専門知識が必要になってくるんですけども、一度それを覚えてしまえば流れは同じなので、まぁ若干違いますけどね、基本ができておれば業務として成り立っていくのではないのかなと。

キャリブレーションとかADAS(エーダス)のエーミングとか難しい横文字がいっぱい並ぶけど、それやっていかないと自動車整備じゃ残れないなということを頭の中央に残していただいて、今後の新しい技術に皆様が邁進できるように、我々も色んな努力をして、情報をお伝えすることを勤めてまいります。

今日、短い時間ではありましたけれど、CDR/EDRのセミナーを終了させていただきます。

CDRアナリストに求められる資質

里氏 最後に一言ですね。私どもボッシュの方で考えていますのが、どういった方々がアナリストになる資質があるか。

ベースの基準ですね、というところで言いますと、まず物理学、運動量保存の辺りですね、力学の辺りの知識がないといけないと。要は物理の法則に則ったものですので、物理の知識がないといけない。

そして事故の調査の経験、もしくはその辺りの勘所と言いますか度量がないといけないと。

そして自動車のシステムの知識。

それから、実はこれ裁判で使われる証拠資料となりますので、言葉というのが全て英語なんですが、言葉の言い回しというのがとても意味があります。ですので弁護士的要素ですね。言葉の読解力ということですかね、うんちくと言うか偏屈な人が向いているとか、色々と弁が立つ人。

そして最後に英語がやはりできないといけないという。

この5つの要素が必要になるので、いろんな方に聞くと、なかなかそう簡単になれるものじゃないというところで行きますと、日本の市場においてアメリカが数千人いるんですが、日本で多分500人ぐらいというのがひとつの目安かなと思っております。

実は弁護士の先生にも勉強会をしたことがあります。アジャスターの方にもしたことがあります。警察の方にもしたことがあります。自動車メーカーさんの方にしたこともあります。となってくると、この5つのパラメータを満たす方というのがそんないいないと。

ですから、500人ぐらいかなと思っております。日本で事故の件数というのは実は70万件ほど毎年ございます。今後ADAS(エーダス)とかを筆頭に自動車の高度化が始まってますので、そのあたりを考えると、仮に10台に1台必要になったというと、70万件7万件、47都道府県ですよね、500人しかいないというような状態になってくるのかなと考えてまして。

藤田さんが言われたように保険会社さんも他の方々もいろんな運用の仕方を検討されてるのですが、骨のある内容なんですが皆様の業種というのは比較的近いんじゃないかなと考えております。事故の調査というのは今まで遠かったんですが、今後自動車のシステムの話だったり、その力学の話だったり、理系女子だったりが活躍できるのかなと思いますので。

ぜひ、今後の将来の整備業というものを見たときに、このCDRを活用したEDRの事故調査というのは、皆様の業務の中の一種として検討されてはどうかなと考えております。

以上、ありがとうございました。

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