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Rider's Story この出会いに感謝を

割引あり

 バイク小説短編集 Rider's Story 僕は、オートバイを選んだ
  武田宗徳 オートバイブックス 収録作品

 国道一号線へ左折しようと脇道から出てきて、愛車の前輪が停止線をほんの少しオーバーしたときだった。一号線の路肩を結構なスピードで走ってきたオートバイと接触しそうになった。
「ばかやろお!」
 その女は確かに言った。そのあと、そいつが左手の中指を立てて走り去っていったのを僕は見逃さなかった。ムカついた僕はクラクションを三回鳴らした。
 僕は、はっきり見た。ビッグスクーターの白いマジェスティで、ボディにはデッドベアのステッカーが貼られていた。半キャップにサングラス、大きく胸元の開いたひらひらした洋服を着ていて、ネックレスが踊っていた。
(ちゃらちゃらしやがって……)

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2,750字

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