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【ピアノ日記】本番前に試した練習のこと

少し前に、自分にとって大切な本番が終了しました。規模も小さいし、奏者=観客でほぼ内輪だけど、昔からの知り合いばかりのアットホームな会で、ここではいい演奏がしたいと思い、時間をかけて準備してきたもの。私は発表の機会としては弦の人とのアンサンブルが多いので、ピアノ独奏が久しぶりというのもあり(←久々のソロは緊張する~っ!)、超難しい曲というわけではなかったけれども、結構気合いを入れて練習しました。

今回の本番に向けて色々と試行錯誤したので、練習内容や気付きを備忘録的に少しずつ記してみようと思います。

まず今回の大きな特徴(?)は、私の故郷である西日本の地方都市で行ったということ。旅行がてらな会。

実家に前日入りし、当日は1人15分のリハ時間が終わったらあとはもう本番。実家のピアノはとっくの昔にもうないので、当日の指慣らしや、最後に軽く通して確認、みたいなことはできません。

こういう時に、安心して演奏できるためにはどういう準備をしたらいいか? と頭をひねって考えたのが、本番一カ月前ぐらいから、普段毎日やっているスケールとアルペジオ(全調ではない)以外に、ハノンの1~31番も必ず弾くというもの。2オクターブでなく1オクターブにアレンジしているので、全部弾いても15分ぐらいです。

たとえ当日練習できなくても、いつでも自在に動く指があれば何も恐くないでしょ、という意図。いわば運動する人が競技のために自主的に筋トレやる、みたいな感覚でやりました。

ただこれは実を言うと、何も無いところから考えついたわけではなく、とある眠れぬ夜にたまたま開いた本、「ピアニストは、進化する」川上昌裕著(=辻井伸行さんの先生)に、著者であるピアニストの川上さんが音大時代に試した練習法として、ハノンを1~60番まで毎日丁寧に練習することを半年続け、まるで別人のようにテクニックが向上した、と書いてあったことをヒントにしました。

さすがに60番まで毎日は難しいけど(ハノンも最後の方は重音のトリルとかあってすごく難しくて…)、15分あれば弾ける31番までなら私にもできる、と思って試してみました。

しかし効果のほどはというと、全くやらなかった時と比較検証できないので、分からない…! というなんとも役に立たないオチですが😅、少なくとも当日指慣らしできないから不安、みたいなことは全くなく、そこに関しては平常心で弾けました(他の失敗はありましたが、それはまた別の記事に)。

また、演奏にどう影響したかの検証はできないものの、1~31番を毎日やったことで見えてきたものもあり、それが勉強になりました。
気付いたこととしては、

・今どの指を動かし強化しているか、意識しながらやらないと、漫然とやるだけではあまり意味が無いかも。筋トレも「ながら」でやるのではなく、動かす筋肉を意識しながらやると効果が上がるのと一緒。

・とは言ってもあまり頭を使わないので、疲れている日でも最低限この練習ならできるというメリットがある😂

・個人的に、左手の4、5の指の独立がまだ甘いので、今度レッスンで練習法を習いたいと思った。

ハノンもピアノ再開直後はレッスンで見ていただいていたのですが、いつしかレッスンでは曲ばかりになってしまい、自己流に陥っているような。間違ったやり方で練習しても意味ないので、いい機会だしもう一度見直そうと思います。少しでもいい演奏を目指すなら、基礎はどんなレベルでも、何歳になってもやり続けなければいけないと、発表の度に痛感します…。

ちなみに川上昌裕さんの「ピアニストは、進化する」は、川上さんのピアノに対する真摯な気持ちが伝わってきてとてもいい本です。プロを目指す人向けだけど、エピソードなども面白いし、アマチュアにとっても参考になります。

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