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良い子は真似しちゃいけない

PCR検査ですが、ちゃんと次の日の夕方に「陰性」の知らせが入りました。とりあえずひと安心です。が、透析クリニック曰く

「とはいえ、偽陰性の可能性もあるので、熱が下がってから4日は個室で透析になります」

信じてないし。PCR検査の信頼性が低いのはしょうがないとはいえ。

ちなみに「発熱対応透析」は混み合っていない昼間に、厳重な感染対策がなされた個室で行う透析になります。透析の針を刺してくれる看護師さんはゴーグルマスク手袋全身防護服で、すみませんすみませんと謝りたくなるような完全装備です。本当にすみません。この暑いのに。


発熱するとき、一時的に腎機能が落ちていることは間違いないと思うのです。腎臓熱の特徴は「寝てばかりいると熱が下がらない」です。「腎臓熱の下げ方」についてはこれまでの経験則があって、それが

1) 怠くても頭痛があっても解熱剤飲んで普通に動く
2) あっついお風呂に長時間浸かる

の2点です。

しかし透析が始まった今、市販の薬は極力飲むな、飲む前に連絡しろとクリニックの方から言われています。こちらもきつい薬が飲めないのはわかっているのでアセトアミノフェンとか葛根湯とか買い置きしていたんですが、どれでも連絡しろと。なので1)はちょっと難しいのです。

今思えば2)は機能が落ちた腎臓の代わりに汗を流すことで解決していたのかもしれません。それであれば、透析すれば熱は下がるはずです。

ところが透析後、怠さ疲労感はスッキリしたのですが、微熱だけが残りました。実際問題、熱が下がらなければこのまま昼間の透析が続きます。仕事に超絶差し障ります。問題です。


こうなれば、あっついお風呂を試してみるしかないかー。

透析患者にとって、汗をかくことはいいことのはずです。ですがWebを検索すると、サウナ等を手放しで勧めているサイトはありません。汗をかくことの利点は説明しつつ、血圧低下や高カリウム血症の可能性から注意を呼びかけるものがほとんどです。

しかし、これ以上微熱が続くとまじでいろいろ差し障りまくります。こうなったらムリクリにでも熱を下げておく必要があります。このお風呂療法は毎回一種の我慢比べのようになります。よし、老廃物出し切ってスッキリしてやるー!!

……………………。

比喩ではなく、死にかけました。おそらく熱中症手前のような状況になり、風呂から上がったら貧血を起こしました。パンイチで扇風機に吹かれながら水分補給しつつ「あしたのジョーで真っ白な灰になってる感じ」にうなだれていました。

やってみてわかったのは、適度な水分補給が難しいのです。腎臓が動いているうちは水を飲みすぎても尿で出ていきますから水分補給にためらいません。でも透析患者は水を飲みすぎても出ていきません。私はまだ自尿が出ますが、発熱ピーク時には出にくくなりました。そう思って水分補給をためらうと脱水症状が出ます。貧血ならいい方で、血中カリウムが濃縮されて高カリウム血症でぶったおれる可能性もありました。危ない。非常に危ない。しかし自分が今何ml汗をかいたかなんて、流石にわかりません。頻繁に体重を計れたら大体の基準がわかると思うんですが、風呂の「中」に普通体重計はありませんし。

で、熱はというと、下がりました。荒療治効果アリというところです。しかし荒すぎました。良い子は真似しちゃダメです。この感じだとこのくらい水を飲める、というのを、これまた経験則で積み重ねていくしかないのでしょう。

たった1年前の感覚が今はもう通用しません。これから色々と手探りです。


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