見出し画像

AIのべりすと怪文書『馬体の門』(原作︰田村泰次郎&五社英雄『肉体の門』)

 昭和22年、焼け野原と闇市の東京。オルフェーヴルたちステイゴールド血盟軍は、自分たちのダンスホール〈パラダイス〉を建設するのを目的として、牝馬たちに種付けをしていた。そして、〈パラダイス〉を建設するための資金は徐々に貯まっていった。
 しかし、本来ステイゴールドの一族ではない種牡馬がその金を持ち逃げして逃走していった。
「あのクソ馬、絶対に許せない!」
「あの野郎を捕まえたら、騸馬にしてやる」
 オルフェーヴルを総大将とするステイゴールド血盟軍は、血眼になって逃走した馬の行方を追い求めた。だが、すでに奴は完全に行方をくらましていた。
「奴め……どこへ行った?」
「あの野郎、金だけ持ち逃げしやがって……」
 ステイゴールド血盟軍は、苦渋の決断を迫られた。種付け用の牝馬たちの中から、奴を見つけ出すためだけの人員を割かなくてはならないからだ。そこで彼らは、ある試みを行った。その方法は?
 オルフェーヴルの舎弟であるゴールドシップは、ステイゴールド血盟軍の本拠地である馬房で、厩務員たちに尋ねた。
「この馬番の馬は、どうやって見分けたらいい?」
「ああ、それは簡単だよ」
 厩務員は、特に何の感慨もなさそうに答えた。
「その馬の番号が若いか老いているかで区別すればいいんだよ」
 それを聞いたゴールドシップは、さっそく闇市を仕切る指定暴力団チンチン組の組長珍田珍太郎に電話をかけた。
「珍田の兄貴、相談があるんだが……」
「どうした、ゴルシ。新しいビジネスでも思い付いたのか?」
「ああ。実は今度、うちのオルフェ兄貴に種付け用の牝馬をプレゼントしたいんだ」
「ほう……そいつぁいいアイデアだ。で、どんな牝馬を手配すればいいんだ?」
「それはこれから考えるんだが……何分すぐに用意できるのは闇市ぐらいしかないんでな」
「まぁ待て。闇市じゃあその馬番の牝馬を用意することはできねえ。その代わり、一つアテがある。そこで相談があるんだが……」
 珍田珍太郎は、事情を話すとゴールドシップに言った。
「まぁ任せときな」
「すまねぇな……兄貴」
 そう言って電話を切ったあと、珍田珍太郎は部下たちに向けて怒鳴った。
「おい、おめぇら! オルフェーヴルと種付けする牝馬を用意しろ!」
「へいっ! おやっさん!」
 こうしてオルフェーヴルとの種付けに臨むために、二頭の牝馬が調達された。だが、珍田珍太郎たちは知らなかった。オルフェーヴルの命を狙うアメリカ軍将校や兵士たちが、闇市から調達した牝馬たちの中に紛れ込んでしまっていたことを。

 その頃、オルフェーヴルらステイゴールド血盟軍は、自分たちのアジトの近くで一人の男が倒れているのを見つけて、彼をアジトに匿った。男はオルフェーヴルらの看病により、徐々に体調が回復していった。彼の名は伊吹新太郎であり、瀕死の状態でオルフェーヴルたちのアジトに倒れていたところを助けてもらった。元陸軍上等兵の彼は戦時中はボルネオ島で戦い、人差し指を撃たれた。その影響で神経がやられたため、中指と薬指でタバコを持って吸っている。
「伊吹の兄ちゃん、腹空いてない?」
 オルフェーヴルは、伊吹に尋ねた。
「ああ……じゃあ何か食べ物をくれないか?」
「じゃあ、これ食ってくれよ」
 そう言ってオルフェーヴルは、ピエール・エルメのケーキ〈イスパハン〉を伊吹に差し出した。
「これは……ケーキか?」
「ああ。これは最高にうまいぜ」
 伊吹は、そのケーキを口にした。すると、口の中に柔らかな甘さが広がっていった。
「旨い……」
「だろ?」
「ああ……素晴らしい味だ……」
「ほらよ」
 オルフェーヴルは、もう一切れのイスパハンを差し出した。それを伊吹は口に含んだ途端、猛烈な眠気に襲われた。そして彼はそのまま床に倒れ伏した。

 その頃、ステイゴールド血盟軍の資金を持ち逃げした種牡馬チンチンナブルムは、袴田組の親分である袴田義男の舎弟になっていた。そして、チンチンナブルムは袴田組のヤクザや闇市の連中を使ってオルフェーヴルに復讐を果たそうとしていた。
「兄貴……ヤツらのアジトを見つけました」
「おぅ、ご苦労さん。でかしたな」
 袴田義男は部下に礼を言った。そして彼は舎弟たちに命じて、オルフェーヴルたちに復讐するための準備を始めた。まず、オルフェーヴルと種付けする牝馬を調達しなくてはならない。そこで彼らは、アメリカ軍の将校ロバート・メインやアメリカ兵たちを闇市から調達することにした。
「おい、ロバート・メインにアメリカ兵ども! てめぇらにオルフェーヴルと種付けしてもらうために来てもらったぜ!」
 チンチンナブルムの舎弟たちは、ロバート・メインやアメリカ兵たちに凄んだ。
「おい、てめぇら……俺らが誰だか分かってんのか?」
 しかし、彼らはまったく怯む様子がなかった。
「貴様こそ我々は何者なのか分かってるのか?」
 そこにチンチンナブルムの舎弟の一人が割って入った。
「兄貴……こいつら、やっちまいましょうよ!」
 だが、ロバート・メインは首を横に振って言った。
「止めろ。コイツらはステイゴールド血盟軍ではない」
 ロバート・メインは、ステイゴールド血盟軍を一度壊滅寸前に追い込んだことがあった。彼はその際に、ステイゴールド血盟軍の資金を盗んだのである。その資金を使って、彼はアメリカへの帰国を果たしていた。
 問題のロバート・メインに会いに来た種牡馬は〈らくちょう一家〉のリーダーであるロードカナロアだった。彼はオルフェーヴルらステイゴールド血盟軍の商売仇だったが、オルフェーヴルとは利害得失を超えた同志意識があった。
「オルフェーヴル……俺は貴様に借りを返したい」
 ロードカナロアは、ここにはいないオルフェーヴルにそう言った。
「だが、俺はステイゴールド血盟軍ではない」
「それは分かっている。だが、貴様の舎弟に俺の仲間が何人かいる。そいつらはステイゴールド血盟軍ではないが、利害得失を超えた同志だ。そいつから聞いた話によると、チンチンナブルムは俺たちを種付け用の牝馬として調達しようとしているらしい」
「何? 牡馬ではなく牝馬だと? それはおかしいな」
「ああ。チンチンナブルムがステイゴールド血盟軍ではないのは確かだが、ヤツらはオルフェーヴルをどうしても殺したいようだ」
「なるほどな……だったらなおさらだな……」
 ロードカナロアは立ち上がった。そして彼はロバート・メインたちアメリカ兵やロバート・メインの舎弟たちに向かって言った。
「俺と俺の舎弟たちはステイゴールドの血盟軍の仲間ではないが、利害得失を超えた同志だ。俺は貴様らにスピニングバードキックを喰らわせたが、それも利害得失を超えた同志だからやったまでだ。もし貴様たちが俺たちに危害を加えるつもりなら、俺は容赦しない」
 ロードカナロアはそう言うと、ロバート・メインに対してファイティングポーズをとった。
「待て……早まるな! 俺たちはステイゴールド血盟軍ではないし、チンチンナブルムもステイゴールド血盟軍ではない! だが、チンチンナブルムのヤツは俺たちを種付け用の牝馬として調達しようとしている! 貴様もステイゴールド血盟軍の仲間ではないが、利害得失を超えた同志だと言ったな? だったら、俺たちと共にヤツらを倒そう!」
「分かった。俺たちは貴様らと共に戦おう」
 ロードカナロアとロバート・メインは、ここに手を組んだ。そして彼らはチンチンナブルムのアジトへ向かった。

 その頃、ステイゴールド血盟軍のアジトでは、珍田珍太郎がオルフェーヴルと種付けする牝馬たちを集めていた。だが、その牝馬たちは皆、ステイゴールド血盟軍の仲間ではなかった。
「兄貴……こいつらは一体?」
 チンチンナブルムの舎弟たちは、珍田珍太郎に尋ねた。
「ああ。こいつらは闇市で手に入れた牝馬どもだ」
「でも兄貴……オルフェーヴルは人間以外の種付けはしないと思いますぜ」
「分かってるよ」
 その時、珍田珍太郎とチンチンナブルムの舎弟たちの元に一人の男がやって来た。それは袴田組の親分袴田義男だった。彼は珍田珍太郎とチンチンナブルムの舎弟たちに向かって言った。
「おい、おめぇら……オルフェーヴルと種付けするための牝馬を調達しに行くんだろ? だったら、この俺に任せときな」
「兄貴……でも、どうやって?」
「まぁ見てろって……」
 袴田義男はニヤリと笑った。そして彼は闇市のヤクザたちに命令した。
「おい! おめぇら! この馬番の牝馬を全部買い取ってこい!」
「へい、おやっさん!」
 闇市のヤクザたちは、袴田義男の指示に従って馬番の牝馬を根こそぎ買い漁っていった。そして珍田珍太郎とチンチンナブルムの舎弟たちは袴田義男の舎弟たちによってアジトから連れ出された。そして彼らは闇市のヤクザたちに命令して、オルフェーヴルに種付けする牝馬たちを調達したのだった。

「兄貴……こいつらは一体?」
 チンチンナブルムの舎弟たちは、珍田珍太郎に尋ねた。
「ああ。こいつらは闇市で手に入れた牝馬どもだ」
「でも兄貴……オルフェーヴルは人間以外の種付けはしないと思いますぜ」
「分かってるよ」
 その時、袴田義男が現れた。そして彼は珍田珍太郎とチンチンナブルムの舎弟たちに向かって言った。
「おい、おめぇら……オルフェーヴルと種付けするための牝馬を調達しに行くんだろ? だったら、この俺に任せときな」
 そこに現れたのは、真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の大男だった。言わずと知れた呂布である。彼は珍田珍太郎に頼んだ。
「珍田の兄貴、お願いがありやす」
「何だ? 呂布」
「俺に種付け用の牝馬を売ってくれませんかい?」
「ああ……構わんよ」
 珍田珍太郎は快諾した。そして彼らは、闇市のヤクザたちに命令して呂布の舎弟たちを調達したのだった。そして彼らは、チンチンナブルムのアジトへ向かった。

 その頃、ステイゴールド血盟軍のアジトでは、オルフェーヴルと舎弟ゴールドシップやオジュウチョウサンやウインブライトらが、悪徳転売屋集団に焼きを入れられた後、悪徳転売屋集団の事務所を襲撃する準備を進めていた。
「おい、お前たち! 今から作戦を説明するぞ!」とオルフェーヴルは叫んだ。
「まずは舎弟たちが、事務所を襲撃する。そしてヤクザどもが慌てふためいている間に俺たちが事務所へ突撃し、悪徳転売屋どもを皆殺しにする!」
 そして彼らは作戦を開始した。まず、オルフェーヴルは舎弟たちに闘魂注入し、自分たちを守護する「ご本尊」である不発弾〈ステイゴールド〉に祈りを捧げた。
「ステイゴールド親父……どうか俺たちをお守りください!」
 オルフェーヴルがそう祈ると、ステイゴールドは彼に微笑みかけた。
「よく言った、息子ども! 貴様たちの覚悟、受け取ったぞ!」とステイゴールドは言った。
 そしてステイゴールド産駒たちは次々と事務所へ向かって突撃していった。やがて事務所内からは銃声や怒号が聞こえたかと思うと、やがて静かになった。そしてステイゴールド産駒たちが事務所から出てくると、彼らは口々に言った。
「やったぜ! ついにやったんだ!」
「ステイゴールド親父! これで俺たちは自由だ!」
「ステイゴールド親父! ありがとうございます!」
 そんな彼らを見て、オルフェーヴルは呟いた。
「よし……これで俺たちも自由だ」
 そして彼は、オジュウチョウサンとウインブライトに命じた。
「おい、お前たち! 今から闇市へ行くぞ」
 二頭の馬たちはオルフェーヴルと共に闇市へ向かった。するとそこには、珍田珍太郎とチンチンナブルム、そして彼らの舎弟たちがいた。珍田珍太郎はオルフェーヴルとオジュウチョウサンとウインブライトを見ると、彼らに向かって言った。
「おい、おめぇら! こいつらは闇市で手に入れた牝馬どもだ!」
「兄貴……こいつらは人間以外の種付けはしないと思いますぜ」とチンチンナブルムは尋ねた。
「分かってるよ」
 その時、珍田珍太郎の舎弟たちは闇市のヤクザたちに命令した。
「おい、とりあえずこの馬番の牝馬を全部買い取ってこい!」
「へい、おやっさん!」
 闇市のヤクザたちは、珍田珍太郎の指示に従って馬番の牝馬を根こそぎ買い漁っていった。そして彼らはチンチンナブルムのアジトへ向かった。そこに現れたのは真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の大男だった。言わずと知れた呂布である。彼は方天画戟の代わりに通水カップを手にしていた。彼は珍田珍太郎とチンチンナブルムに尋ねた。
「おい、おめぇら……オルフェーヴルと種付けするための牝馬を売ってくれませんかい?」
「ああ……構わんよ」
 珍田珍太郎は快諾した。そして彼らは呂布の舎弟たちを調達した。

 その頃、ステイゴールド血盟軍のアジトでは、オルフェーヴルと舎弟たちが伊吹と共に、チンチンナブルムが調達した牝馬たちを観察していた。
「おい、お前たち……これからこいつらに種付けするぞ!」
 オルフェーヴルは叫んだ。
「はい!」
 舎弟たちは一斉に返事した。オルフェーヴルは芦毛の牝馬を、ゴールドシップは黒鹿毛の牝馬を、そしてオジュウチョウサンは青毛の牝馬をそれぞれ選んだ。そして彼らはそれぞれ自分の馬番の牝馬に種付けを始めた。
「よし、未来の三冠馬を産ませるぞ!」
 そこに現れたのは、真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の大男だった。言わずと知れた呂布である。彼は方天画戟の代わりに通水カップを手にしていた。
「何だ貴様?」
 オルフェーヴルは呂布に尋ねた。
「俺かい? 俺は呂布……馬刺し屋のおやじだ」
「ほう、貴様が呂布か……」
 オルフェーヴルはニヤリと笑った。そして彼は方天画戟の代わりに通水カップを手にしていた。
「貴様が呂布なら、その首もらった!」とオルフェーヴルは叫び、呂布に襲いかかった。しかし彼は方天画戟の代わりに通水カップを手にしていたため、攻撃のスピードが遅かった。そのため呂布はオルフェーヴルの回し蹴りをもろに喰らい、馬房の柵に頭をぶつけてしまった。そして呂布は床に倒れ、動かなくなった。
「貴様……呂布とかいう割には弱いな……」とオルフェーヴルは呟いた。それに対してゴールドシップは言う。
「兄貴、こいつの背後には指定暴力団西涼組の組長董卓がいるぜ。奴はアメリカ軍の将校どもと組んで、俺たちステイゴールド血盟軍を潰そうと企んでやがる」
「何だと? 董卓……あいつは昔、俺とオジュウチョウサンを焼き入れた連中だ。許さないぞ!」
 オルフェーヴルは激怒した。
「おい、お前たち! 呂布とかいう雑魚は死んだか?」
 オルフェーヴルがそう言うと、舎弟たちは床に倒れている呂布を見た。そして彼らは言った。
「兄貴……こいつ死んでますぜ!」
「そうか! ならば殺せ!」とオルフェーヴルは叫んだ。
 舎弟たちは呂布を殺した。そしてオルフェーヴルとオジュウチョウサンはそれぞれの牝馬に種付けを行った後、今度は自らの手で呂布の死体を馬房から引きずり出して、その肉体をバラバラにした。
「おい、お前たち! 董卓の息の根を止めに行くぞ!」とオルフェーヴルは舎弟たちに言った。「はい、兄貴!」と彼らは返事した。そして彼らは董卓が待つアジトへ向かった。

 董卓は自分のアジトで女たちを侍らせて、酒池肉林の生活を送っていた。それゆえに、彼は近隣住民たちの恨みを買っていた。董卓は腹心の李儒に尋ねた。
「おい、李儒……この辺で俺に恨みを持っているヤツらを全員殺してこい!」
 董卓はそう命令すると、李儒はニヤリと笑った。「お任せください、ボス」と彼は言った。そして彼は手下たちに命じて近隣住民たちの皆殺しを命じた。
 一方、オルフェーヴルと舎弟たちはアジトに忍び込んだ後、董卓の部下たちを次々と血祭りに上げていた。そして彼らはついに董卓の部屋にたどり着いたのである。
「おい、この豚野郎。アメリカ軍の将校どもとつるんで配給物資を着服しやがって。一般庶民たちを苦しめる悪党どもめ、このオルフェーヴル様率いるステイゴールド血盟軍が成敗してやる!」とオルフェーヴルは董卓に言い放った。
「何だ、この馬どもは? 俺に何か用か?」と董卓は言った。
「よく聞け、豚野郎! まずは貴様の首をいただくぜ!」
 オルフェーヴルはそう言うと、董卓の首を刎ね飛ばした。そして彼は首を持って高らかに笑った。その後、彼の舎弟たちはヤクザたちを殺しまくりながら街中を行進していった……。

 その後、ステイゴールド血盟軍は念願のダンスホール〈パラダイス〉を開店した。戦後の東京は徐々に復興しつつあったのだ。
「伊吹の兄ちゃん、あんたが助けてくれたおかげだぜ。ありがとう」
 オルフェーヴルは伊吹に礼を言った。
「いや、気にしないでくれ」
 伊吹は照れ臭そうに答えた。彼はこの数ヶ月の間、ステイゴールド血盟軍の世話役を務めていたのだ。彼はオルフェーヴルに言った。
「この焼け野原は徐々に復興し始めている。もはやステイゴールド血盟軍は必要ないだろう」
「ああ、そうだな……俺たちもそろそろ独立する時が来たみたいだな」
 オルフェーヴルは名残惜しそうに言った。
「だが、俺たちはいつでもお前たちの味方だ。困ったことがあれば連絡してくれ」と伊吹は言った。
「ああ、分かったよ。ありがとう」とオルフェーヴルは感謝した。
「二度とこんな戦争が起らないでいてほしい」
 伊吹はオルフェーヴルに言う。
「戦争は俺たち人間が勝手に起こしてるんだ。お前たち馬やその他生き物たちを苦しめるものだ。俺は二度とこんな戦争が起らないように奔走する。そのために、俺は起業する」
「伊吹の兄ちゃん……ありがとう」
 オルフェーヴルは感動の涙を流した。そして二人は別れた。その後、伊吹はダンスホール〈パラダイス〉を出て行った。彼は自身の事務所へ戻る途中、ステイゴールド血盟軍の面々や闇市のヤクザたちに挨拶した。そして彼らはそれぞれの道へと進んだのだった……。

『馬体の門』(完結)

【Culture Club - The War Song】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?