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32:Kauai ㉔ ホテル滞在雑感Ⅶ 心地良さの背景

 どれほど設備投資を行い完璧に近いホテルであっても、ホテル単体ではリゾート地での心身解かれた心地良さを得られるとは限らない。
 其処にホテルという箱がありブランドの衣を纏いラッピングされたとして、開けた瞬間の刹那的喜びは常に渡せたとしても「滞在中」の喜び・幸福感の継続は定かではない。それがレビュー評価高いホテルであったとしても保証確約はない。

 若干、話は逸れる。
 例のリゾート・フィに含まれるプールサイドでのマイタイ。
 渡された瞬間「アメリカはここまで進んでいる」と『紙製』のストローが目に飛び込んできた。アメリカではオークションでファストフード店で以前提供されていたプラスティックストローを買い求める人が居る記事を読んだことがある。少なくとも、そう、抗ったところで時代は巻き戻せない。
 海洋中に含まれるマイクロプラスティック汚染は問題になっているが、海に囲まれた海洋国日本は対岸の火事状態である。汚染対応にはいつもの展開ながら及び腰で目先の利便を未だ取っている。
 リゾート地、「快適さ」を求める場所でありながら、使い心地は良くない紙ストローを使い始めているアメリカ。
 当然、部屋に準備されている使い捨てコップ類も紙製に変わっていた。

 こうした環境に対するホテル側の一姿勢も宿泊者には、無意識に呼吸する空気と同じように良くも悪くも伝わる。

 また、人工的とはいえ多くの緑がホテル敷地にはあり手入れは本当に大変である。朝夕の水から花柄摘みと緑の世話には定期的に手がかかる。滞在中世話をする方々の姿をよくお見かけした。朝であれば挨拶も交わした。
 植栽だけではなく、そもそも働いている従業員の皆さんがとても明るく、フレンドリーな態度で接してくださったことが今回のマリオットリゾートホテルを利用しての一番の印象だ。
 どの種類のユニフォームであってもマリオットホテルの自覚で動いていらっしゃったのだろう。

 滞在中、私たち利用の部屋担当ハウスキーパーさんとはすれ違うことはなかった。いつも、きれいに整えて貰えていたが時折補充品の数が適当であったりすると此処が日本ではないことを意識させられる。
 枕の高さがどう調整してもフィットしなくて困ったところ、いい物を見つける。ソファに置いてあるクッションにバスタオルを巻くとどうにか既存枕と組み合わせて機能した。翌朝、巻いたタオルを外しクッションに戻そうか悩んだが、様子をみようとそのままドライブへ出る。戻ってみると、個人仕様ままの「クッション枕」がベッドの真ん中に正規品のように置かれていて笑ってしまう。ハウスキーパーさんもどうしたものか悩んだことだろう。
 帰国前日の朝、これまで丁寧に部屋を整えてもらい快適に過ごせたことのお礼を拙い英語で記し、少し多めのチップと共に例の枕に置いた。明朝は帰国である、話の流れでも解るようチップ効果など考えていない。けれども、その日の補充はアメニティをはじめ、コーヒー、紅茶に至るまで多めに用意してくださり、やはり人と人なのだと妙に実感。
 

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